ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ストンプ・ザ・ヤード

2008年04月14日 | 映画レビュー
 続いてダンス映画。

 わたしの好きなジャンルなので、これまた期待してしまった。予告編を見たときには血湧き肉躍り、「これは!」と思ったのに、実は全然しょうもない映画でした。ストーリーは単純すぎて馬鹿馬鹿しく、ついつい早回しの連続。ダンスシーンだけを見ようと思っていたけれど、この「ストンプ」というダンスがいまいち魅力的に見えない。とはいえ、やはり最後のダンス大会のシーンはかなり見応えがあった。

 ストンプというダンスが魅力的に感じられるかどうかでかなり本作への評価が変わると思うが、わたしはその練習風景などが海兵隊の訓練風景とだぶって見えて気色悪かった。集団で足を踏みならしリーダーの合図で唱和していくというそのスタイルが、上意下達の組織力を誇示するファシズム臭ぷんぷんで馴染めない。この映画に黒人しか登場しないというのはどういう意味があるのだろう。ストンプというのは黒人(だけ)のダンスなのか? ここにはなんらかの「抵抗」とか「自立」とか「自己主張」といったものが盛り込まれているのだろうか。

 アフリカ系アメリカ人の矜持を象徴するダンスなのだろうか? 

 こういう映画を理解するためにはダンスシーンの歴史や社会的思想的意味を予習しておかないといけないということを痛感させられた。つくづく勉強不足を後悔いたしましたです、はい。しかし勉強したからといってストンプというダンスを好きになれるかどうかはまた別問題。これは趣味の領域ですから。(レンタルDVD)

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STOMP THE YARD
アメリカ、2006年、上映時間 114分
監督: シルヴァン・ホワイト、製作: ウィル・パッカー、製作総指揮: ロブ・ハーディ、脚本: ロバート・アデテュイ、振付: デイヴ・スコット、音楽: サム・レッツァー、ティム・ボランド
出演: コロンバス・ショート、ミーガン・グッド、Ne-Yo、ダリン・ヘンソン、ブライアン・J・ホワイト、ラズ・アロンソ