とにかくわかりやすい、読みやすい、おもしろい、退屈しない。
「大学教師は社会性に欠けたパーソナリティを持ち、大学教員以外にはできる仕事がない。だから、大学がなければ彼らは直ちに失業者に堕ちる。それは何万人もの犯罪者予備軍の存在を意味する。いっぽうの犯罪者予備軍であるモラトリアム若人を大量に収容しているのも大学。大学ではこの二つの犯罪者予備軍が出会う。大学は彼らを野放しにしないというそれなりの存在意義をもっている」
という主旨の、ドキッとすることが平然と書いてあって、読み物としてもたいそうおもしろい。
難解な概念を、日常生活の豊富な具体例を挙げて説明してあるのですっと頭に入る。「事典」と銘打ってあるが、読み物としてのエンタメ性は極めて高い。
「クロニクル社会学」(有斐閣)が、社会学者の評伝であったのに対し、本書は概念の解説になっていて、両書がそれぞれの欠落を埋めるよい補遺となっている。
初学者は二冊とも買って読もう。(bk1投稿書評)
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社会学がわかる事典 :読みこなし使いこなし活用自在
森下 伸也著: 日本実業出版社 : 2000.12
「大学教師は社会性に欠けたパーソナリティを持ち、大学教員以外にはできる仕事がない。だから、大学がなければ彼らは直ちに失業者に堕ちる。それは何万人もの犯罪者予備軍の存在を意味する。いっぽうの犯罪者予備軍であるモラトリアム若人を大量に収容しているのも大学。大学ではこの二つの犯罪者予備軍が出会う。大学は彼らを野放しにしないというそれなりの存在意義をもっている」
という主旨の、ドキッとすることが平然と書いてあって、読み物としてもたいそうおもしろい。
難解な概念を、日常生活の豊富な具体例を挙げて説明してあるのですっと頭に入る。「事典」と銘打ってあるが、読み物としてのエンタメ性は極めて高い。
「クロニクル社会学」(有斐閣)が、社会学者の評伝であったのに対し、本書は概念の解説になっていて、両書がそれぞれの欠落を埋めるよい補遺となっている。
初学者は二冊とも買って読もう。(bk1投稿書評)
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社会学がわかる事典 :読みこなし使いこなし活用自在
森下 伸也著: 日本実業出版社 : 2000.12