ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

日本シリーズで見えたジャイアンツの課題

2008年11月11日 | スポーツ関連
当ブログを覗いて下さる方の中には、野球に興味が無い方も当然居られるだろうし、同じ分野の話題を続けて書くのもどうかとは思っているのだが、今年のジャイアンツが一区切りを付けたという事も在り、申し訳無いが今日も野球の話題とさせて貰った。

日本シリーズでは残念乍らライオンズに敗れ去ってしまったが、ジャイアンツの選手達には俯く事無く、胸を張って欲しい。レギュラー・シーズンで奇跡的な逆転劇を演じ、クライマックスシリーズ(CS)では昨年完膚無き迄に叩きのめされたドラゴンズを倒した。日本シリーズでも、第7戦迄闘ったのは誇って良い。足りなかった部分は真摯に反省して欲しいが、それを如何に補って行くかを前向きに考えて行くのが肝要

日本シリーズに対する意気込みが強過ぎ、それがジャイアンツの選手達を自縄自縛状態にしてしまった感も在る。CSでドラゴンズに勝利し、日本シリーズ進出を決めた夜、ジャイアンツの選手達によるビール掛けは行われなかった。「CS突破は当然の事で、ジャイアンツの最終目標は日本一だから、それを成し遂げてビール掛けをする。」という理由だった様だが、個人的にはあの段階でビール掛けを行って欲しかった。常に緊張を強いるのでは無く、緊張の合間に適度なリラックスを入れるのは大事な事。一つの関門を突破した“区切り”として、ライオンズの様にビール掛けを行っていれば、あそこ迄ジャイアンツの選手達が自縄自縛な状態にならなかったのではないかと残念。ライオンズは試合巧者で在ると共に、リラックス上手で在ったとも言える。

昨年はCSでの敗退により、レギュラーシーズンで優勝したにも拘わらず優勝旅行を行わなかったジャイアンツ。今年は是非、胸を張って優勝旅行をして貰いたい。首脳陣や選手達の頑張りに、ジャイアンツ・フロントも報いるべき。勿論、“”だけではなく、“”も必要だ。山口鉄也投手や越智大祐投手、坂本勇人選手、木村拓也選手等、年俸以上の結果を残した選手達には大幅な年俸アップをして上げる一方で、二岡智宏選手や高橋由伸選手等のコスト・パフォーマンス著しく悪かった選手達には、前例が無い位のダウンが在っても良いと思う。プロは結果を残してなんぼの世界なのだから。

今回の日本シリーズ、ライオンズの選手達の働きを見ていて、ジャイアンツの課題が見えて来た。幾つか在るポイントの中で、特に重要と思われる4点を記してみたいと思う。

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① 若手先発投手の育成

ライオンズが日本一を達成出来た大きな要因に、涌井秀章岸孝之両投手という若手投手の存在は欠かせないだろう。レギュラー・シーズンでは先発として結果を残し、短期決戦では先発のみならず、中継ぎや抑えとしてもフルに活躍した。

それに対してジャイアンツの“先発投手の中で”、彼等レベルの信頼性置く事が出来る“若手投手”は内海哲也投手位しか居ない。先発陣は上原浩治投手(33歳)*1や高橋尚成投手(33歳)、セス・グライシンガー投手(33歳)といったベテラン勢が中心。中継ぎとしてきっちり結果を残し、結果的に勝ち星を残した山口投手や越智投手、東野峻投手といった若手は居るのだが、ベテラン勢の衰え&離脱を考えると若手先発投手の育成が急がれるのではないか。先発に中継ぎに抑えにと、それこそ獅子奮迅の活躍を見せたライオンズの若手先発投手達を見ると、余計にその感を強くする。

松坂大輔という超一流の若手投手を失い乍らも、涌井投手等の若手先発投手をきちんと育成していたライオンズ。ライオンズが出来て、ジャイアンツに出来ないという道理は無い。山口投手等の他にも金刃憲人投手や西村健太朗投手、野間口貴彦投手等、鍛え上げれば先発として頑張れる若手投手は居ると思う。野手では坂本選手や亀井義行選手等の若手選手を育て上げたジャイアンツなのだから、次は若手先発投手育成の番だ。*2


② “野球頭”を鍛える

ライオンズの若手選手達とジャイアンツの若手選手達を比較した際、概して感じるのは“野球頭”の違い。「今、自分は何をすべきなのか?」、「此処で何をすれば、相手は嫌がるか?」、「こういう状況下、相手はどういう手を打って来るか?」という思考が、ジャイアンツの若手選手達には残念乍ら劣っている気がする。相手投手の癖を見極めたり、配球を理論的に読むというのもその一手段だが、そういった野球頭の鍛練を若手選手達に“理論的に”教示出来る人材を呼び寄せてはどうか?天賦の才で、そこそこの成績を残した坂本選手。しかし、より安定した成績を残すには、野球頭の鍛練は必須。他の若手野手だけでは無く、若手選手達も同様だ。


③ 捕手の育成

CS&日本シリーズと、鶴岡一成選手は“捕手として”阿部慎之助選手の穴を良く埋めたと思う。唯、残念乍ら“打者として”は物足りなかった。「この場面で阿部選手が居たら・・・。」と思うシーンが、正直何度も在ったし。鶴岡選手を否定する訳では無いが、阿部選手に不測の事態が起きた際の、攻撃面でも期待出来る若手捕手の育成が必要と考える。勿論、鶴岡選手が打撃向上を図れれば、それに越した事はないのだが。


④ 若手の4番打者

レギュラー・シーズンにCS、そして日本シリーズと、ジャイアンツの4番を務めたアレックス・ラミレス選手は良く頑張ってくれた。彼が居なければ、優勝どころかAクラス入りも危うかったと思う。来期以降も、ジャイアンツの4番として頑張って欲しい。

だがその一方で、彼の年齢(34歳。唯、実際にはそれ以上の年齢という説も。)を考えると、長期的なヴィジョンとして若手の4番打者を育成して貰いたい。日本シリーズでは満足の行く結果は残せなかったが、ライオンズの4番打者として中村剛也選手(25歳)がどっしり据わっていたのは大きかった。年齢を考えると、暫くは彼を中心とした強固な攻撃陣が組める。

幸いにも今年のドラフト大田泰示選手という大物を引き当てたジャイアンツなので、じっくりと戦略的に彼を育成して貰いたい。
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4点とも若手選手に対する課題となってしまったが、中堅&ベテラン選手に期待していない訳では無い。彼等は自分自身で「何をすべきか?」を理解していると思うので、その為に己を磨いて貰うだけだ。

*1 遂に上原投手がメジャー挑戦を果たす様だ。大好きな上原投手にはずっとジャイアンツに居て欲しかったが、以前の記事「前略 上原浩治様」で記した様に、ルールに則った上での移籍ならば、何処に行こうが彼を応援する気持ちは変わらない。

*2 FA権の登場により、手塩に掛けて育てた選手が他チームに流出してしまう状態。又、ポスティング制度が流出選手の年齢を下げている事も在り、何処のチームも育成面で苦慮しているのは確かだろう。その点では同情を覚えるが、ライオンズの様にきちんと“次”を育成している所も在るのだから、他チームにも頑張って貰いたい。

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16 コメント

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あてはまる (雫石鉄也)
2008-11-11 04:30:13
いやあ、これはもう、わが阪神タイガースにも、みんなあてはまることです。
松阪→井川
ラミレス→金本
阿倍→矢野
こうすろとまったく阪神にあてはまります。
若手先発投手の育成、これは巨人よりも阪神の方が課題が大きいです。
このブログ、真弓さんにも見てもらったらいいと思います。
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Unknown (tak)
2008-11-11 08:48:59
まあどんな球団にも問題点はあるわけで、優勝した西武にも結構あったのかもしれません。勝負は時の運ともうしますが、問題点を上手く乗り切ってそれを大怪我にしないように出来たチームが残ったのでしょう。
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>tak様 (giants-55)
2008-11-11 11:31:41
書き込み有難う御座いました。

完全無比なチームとなると、それこそ代表チームの様に各チームから超一流選手を掻き集めないと無理。否、超一流選手を掻き集めた所で、完全無比と言えないかもしれません。ですから仰る様に、完全無比では無い部分を如何に補って行けるかが重要とも言えますね。

攻撃面で言えばライオンズも、クレイグ・ブラゼル&G.G.佐藤両選手を怪我で欠いての日本シリーズだった訳で、それを渡辺采配と選手達の頑張りでカバーしたのは立派。
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Unknown (iorin)
2008-11-11 13:06:55
確かに上原がベンチ入りしていなかった地点で戦力云々ではなく、西武との意気込みだけは負けていたかもしれませんね。

二岡⇔マイケル、これはどうなんですか?
今年だけの実績で坂本はいけると判断したのでしょうか?
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>iorin様 (giants-55)
2008-11-11 13:31:01
書き込み有難う御座いました。

上原投手がベンチ入りしていなかった件、自分が見聞した限りでは、一般的に余り疑問視されていないみたいですね。近年は故障がちだった事から、「無理に起用して、怪我をさせたくなかったのだろう。」と考えておられる方が多いのかなあと思ったりも。文字通り「総動員」で闘ったライオンズに対して、悔いの残るジャイアンツの姿勢でした。

で、噂には上がっていたのですが、どうやらジャイアンツとファイターズの間での大トレード合意した様ですね。「もっと生え抜き選手を大事にして欲しい。」という思いが在りますし、好調時の二岡選手のバッティングには目を見張る物が在りましたので、出来れば彼にはジャイアンツに居て欲しかったので残念。

坂本選手の成長も当然在りましょうが、ジャイアンツとしては「好不調が余りにもハッキリしているクルーン投手は不安。出来ればダブル・ストッパー制を敷きたい。」という思いが先ずは在ったのではないでしょうか。それでマイケル中村投手に目を付けた。あれだけの投手ですから、当然交換選手は大物が対象となる。スキャンダルを嫌うジャイアンツとしては二岡選手の処遇に困っており、渡に舟という事でこの交換トレードが決まった。そんな流れではないかと思います。まあ二岡選手にとっても、ジャイアンツに居ればどうしても“あの件”を穿り返されるだろうし、新天地で生まれ変わるという可能性も。良い選手なだけに、ファイターズで頑張って欲しいです。(くれぐれもジャイアンツ時代の様なチンタラ走りは止める事!

そして林昌範投手と工藤隆人選手のトレードも合意したとか。林投手もやはりスキャンダルが在りましたし、ジャイアンツは本当にそういうのを嫌うんですね(苦笑)。彼も良い素質を持った投手ですので、機会を与えれば力を出してくれると思います。

ジャイアンツの2選手には「今迄有難う。」の言葉を、そしてジャイアンツに来てくれるファイターズの2選手には「期待しています。」の言葉を送りたいです。
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負けましたね。 (oumo)
2008-11-11 18:56:26
giants-55さま

ジャイアンツの応援おつかれさまです。

最後の最後で
原監督の弱さ(と僕は思っています)が
出たと思います。


投手陣も野手陣も
若手が活躍しはじめていますので、

今後も

若手育成をしっかりやって、
常勝チームになって欲しいです。

上原投手がFA移籍が確実なようなので、
内海投手に投手陣を束ねて欲しいです。

野手は阿部選手ですね。
(高橋選手は来期はやってくれるでしょう)

二岡・林のトレードは
両チームにとって
よかったと言えるように
活躍して欲しいです。


来年も応援がんばります。
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来季に向けて (ハムぞー)
2008-11-11 21:16:46
で、マイケル←→二岡ですか
(林と工藤もお忘れなく・・)



このトレードにはご存知のように
一言も二言もあるのですが
モ・・もとい二岡が打ってくれれば
全て丸く収まるのですが・・・

あとはクルーンとマイケルの使い分け
上手くいくんでしょうかねえ?
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>oumo様 (giants-55)
2008-11-11 23:17:16
書き込み有難う御座いました。

兎に角、胃の痛くなる試合ばかりでした。唯、第7戦の平均視聴率(関東地区)が28.2、瞬間最高視聴率に到っては39.9%を記録したというのは凄く嬉しい事。プロ野球人気の低迷が叫ばれていますが、面白い試合をすれば「見たい!」と思う人は未だ未だ居るんですよね。

原監督の弱さ、あくまでも私見になってしまいますが、渡辺監督程の“地獄”を見ていない事が起因しているのかもしれませんね。何度も書いている事ですが、「台湾に渡って“他所の釜の飯”を食べた渡辺監督」と「ジャイアンツ一筋だった原監督」という違いが結構影響している様に感じます。

野手では若手選手が伸びて来ているジャイアンツですので、次は若手投手、それも先発で軸になれる投手の育成が必要でしょうね。それと若手選手達に望みたいのは、もっと我の強い一匹狼的な選手になって欲しいという事。勿論チーム・プレーは重要だし、それを忘れてはいけないけれども、基本線は「俺がこのチームを引っ張る!」という強い意志を個々人が持って貰いたい。

原監督は、新たに3年契約を結んだ様ですね。采配面に色々疑問は在るものの、「現状では原監督がベター。」というのがレギュラー・シーズン終盤以降の自分の思いだし、何よりも「次期監督問題」でチームを混乱させない為にも良かったのかなあと。唯、コーチ陣に関しては入れ替えを含めて、再考を望んでいますが。
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Unknown (マヌケ)
2008-11-11 23:40:38
野球にあまり興味がなくてもあなたのブログのファンですし、この日本シリーズはおもしろかった。 ここまで燃えるジャイアンさんの気持ちも十分理解できますし、久しぶりに強いチームどうしの力の均衡のとれた試合を楽しめました。 勝っても負けても反省というものは次のステップのために必ず必要なものですし、いちファンが応援するチームのために課題を検討するというのもむしろ微笑ましいです。 小さな球体を丸い棒で打ち、走り、捕球し、その技と技術を磨いた頂点を争う競技でここまで熱くなれることに感動すら覚えます。 あと、個人的には最近のテレビ出演で西武のおかわりクンにとても好感が持てます。 
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>マヌケ様 (giants-55)
2008-11-12 00:08:25
身に余る御言葉、本当に有難う御座いました。

様々な出来事に「吼える」のが当ブログのコンセプトでは在るのですが、極力感情を排して記事を書く様には心掛けているつもりです。でも野球に関した記事、特にジャイアンツに関する記事だと、どうしても感情がコントロール出来なくなってしまうのが困った物。

当り前の話ですが、12チームの内で日本一になれるのは1チームだけ。単純確率で言えば、約8.3%なんですよね。日本シリーズに出場出来る可能性ですら、その倍の約16.6%なのですから、其処に入れただけでも原監督には感謝しなければと思っています。でも・・・やはり悔しい。

ライオンズの中村選手、縫い包みみたいな可愛さが在りますね。又、マウンド上では憎き岸投手も、インタビューで見せる朴訥さは好感。中島選手の鼻っ柱の強さも、敵チーム乍ら天晴れ。
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