ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

私の少年マンガ読歴・女性キャラ変成

2018-10-23 07:12:58 | マンガ


後で思ったんだけど、単なる少年マンガ読歴ではなく女性観に関する形でやった方がよかったね。
なので昨日のつけたしというか、まとめ的に少し。

というわけで、私の幼少期の一番は永井豪マンガ作品。アニメも含めすべて好きな作品ばかりなのだけど、それは作品の出来具合ではなく永井豪のセンス・主義と同調しているからなのだろうね。
永井豪の描く女性というのは思い切りエロチック・セクシーでPTAで大問題になったらしいのだけど(さすがにそこまでは良く知らない)私としてはむしろ豪氏の女性は「こうありたい女性」そのものなんだよね。美しくて可愛くてセクシーでしかも強くておおらかで、理想の女性そのものだと思う。今もよくSNSで女性の性的表現が問題視されたりするけど、その時憤慨してる側の意見の多くは「対象となる女性性が男に都合の良い隷属的なものとなっている」ことに対しての怒りなのだよね。
豪氏の女性は男性以上に強い意志を持っていて元気いっぱいなのが嬉しいのだけど、どうしてこんな魅力的な女を描けるのかと思っていたら何かのインタビューで「あれは僕自身だから」と答えられていて、なるほどと思ったのだった。つまり「彼女にしたい」相手ではなく自分自身の化身だから魅力的なのか、と納得できた。勿論、その化身の選択が良いものだからなんだけど。
昨日永井豪の後に続く人が全くいなかった、と書いてしまったけど「シェイプアップ乱」の徳弘正也がいましたね。セクシーガール・・・だと言えよう。(だんだん崩れていくけど)

手塚治虫の女性は強いようでいてそうでもない気がする。強い女性も出てくるけど、弱い女性もいるし、手塚マンガはまずストーリーありきだから、そのストーリーのための女性になってくるせいもある。それでも手塚女性キャラは大体においては弱い存在が多いように思える。
一番好きなのはピノコかなあ。あとはアニメの悟空の竜子かなあ。

そして昨日も書いた石ノ森章太郎氏の女性キャラ。もちろん多作の方でしかも好きじゃないから読んでないものが多いんだけど、豪氏のところで書いたようにセンス・主義を好きになるわけだから作品を全部知らなくてもそうそうキャラが違うわけはないのだよね。
で、自分子供時期「サイボーグ009」の003が大嫌いでなんかめそめそしてるのが凄く嫌だった。エッちゃんは逆に無表情で可愛くないから嫌いだったし、「幻魔大戦」のお姉さんは怖いし、全体的に美人ではあるけど暗くて重い感じなのがうっとうしくて嫌だった。

と、昨日はここまでだった。

そうこうしているうちに、少年マンガも意識して読むようになってきた。
ちばてつやはなんといっても男がかっこいいし可愛いから女性にはそれほど目がいかないけど、それでも嫌な感じはしない。さっぱりとして落ち着いてて綺麗な感じは好きだ。
作品としては「あしたのジョー」「俺は鉄兵」「あした天気になあれ」そして「男たち」が好き。「男たち」では主人公を好きになるツネさん、というオカマさんが登場するのだけど、ちばてつやのマンガでここまで女性(?)とのやりとりの場面が続くのはうらしいのではないのかと。今まで男性誌でオカマさん、が登場するとほぼ笑われキャラとか良いほうでいい人キャラで終わってしまうことばかりなのだけど、ツネさんはとても素敵な女性でありそんなに簡単に負けてしまう女性ではなかった。
ちばてつや氏の描いた女性キャラで最も好きだ。

そして水島新司。
私の少年マンガ読歴で最も熱く夢中になって読んだのが「ドカベン」であるということはSFオタクとしてどう弁解していいか判らない。とにかく溺れこむように読んでいた。
出会ったのは高校生の時だったと思うが、好きになったのは里中智くん。体は小さいのに凄いピッチャーになる為に名捕手・山田太郎がいる明訓高校に入ったという少年。可愛くて気が強い感じが好きでたまらなかった。同時に殿馬くんも好きで、これはとんでもないことかと思ってたら殿馬くんが女性に物凄い人気だと後で知る。殿馬くんのような天才で落ち着いた男子ってかっこいいのだよね。
水島新司の描く女性キャラ、といえばどうしても水原勇気になるわけだけど、水島新司女性キャラも爽やかで嫌な感じはまったくしない。あとは「おはようKジロー」の監督・景山絵里も同じく。

それから以降の少年マンガは特別にどうこう思うことってあったかなあ。
特に女性キャラに関してはむしろ退行していったようにすら思えるのだけど。

「HUNTER☓HUNTER」後々に読んで素晴らしいマンガだと思うけど、男性キャラの魅力と比べたら女性キャラはやや弱い。一番目立つ女性キャラはコムギなのかもしれないけど、キャラとして好きかというと。あくまでも作品は素晴らしいとして。
ビスケ・・いいけど好きだけども。
パーム、いいけど、嫌いじゃないけど。
シズク、クールな感じがいいけども。パクノダ、かっこいいけど。アルカ・ナニカ、可愛いけども。
やはり男性キャラの良さが際立ったマンガ家なのだと思う。

とにかく永井豪以降、それほど女性キャラが魅力的、ということがあまりなくなったのだ、私にとっては。

次に良いと思えるのようになったのは諌山創の「進撃の巨人」まで待つ。
これはストーリーの面白さだけでなく数々の女性キャラの魅力が描かれた作品だと思うのだ。
ミカサはむしろ古典的な日本女性を思わせる強く美しく無口な感じがかっこいい。アニ、ミカサと双璧の強気美貌の女性、かっこいい。ヒストリア(クリスタ)従来のかわいこちゃんキャラのようで一味違う。ユミル、彼女の登場はうなったな。こういうキャラが少年マンガ誌に出てくるとは。サシャ、おもしろすぎる。
女性キャラの魅力と共に個性の違いがはっきりしている、描き分けられている、という点では永井豪を超えたと思う。
物語の始まりから進むにつれてそうした女性キャラがずっと描かれているのは作者の意識が明確だからなのだ。
こうした女性キャラの個性付け、というのはそれまでに(すくなくとも少年誌では)なかったのだ。

高橋慶太郎「ヨルムンガンド」の女性キャラは私的には永井豪の流派を受け継ぐ素晴らしさ。大好き。

野田サトル「ゴールデンカムイ」とにかくキャラクター造形が良すぎるほど良い人。まずは男性キャラが軒並み魅力的すぎる。それでマンガが成り立っているとさえ思える。女性キャラも負けずに良いが、家永ほど作りこまれてない気もする。
それでもやっぱりインカラマッは好きだな。
蝮のお銀も好きだった。

以上、早足での私の少年マンガ読歴・女性キャラについて書いてみた。
後は少しずつ思い出しては書きだしていこう。
 
上であげたツネさん画像、昔自分で取り込んでネットに挙げた画像しかなかったのが笑い。

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