ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

マンガの中の男らしさ

2018-11-09 06:39:53 | マンガ


長い間生きていると自然と歴史を見ていくことになるのだけど、マンガの移り変わりも肌身に感じてしまうわけですね。

今回タイトルに書いた「男らしさ」っていうのはまずその定義が何かから問わなきゃいけないだろうし、まずそこに絶対的な答えがあるかどうかなのだけど、この記事の中では「私が感じる男らしさ」という身勝手なもので語らせていただきます。
そしてなぜ男らしさがどーのこーのと書きたくなるのかといえば年寄りの通例で「今のマンガは・・・」というヤツですね。
つまり「今のマンガは昔と比べると男らしさがなくなってしまったなあ」と思うところなのであります。

では私が思う男らしさとは、まずは「単純であること」昔で言う「単細胞」というやつですね。ごちゃごちゃ言わずに行動する、ということは信念を持っていてそのことによって行動していく、わけですね。
その信念というのは「弱きを助け強きを挫く」ということに基づいています。そしてそれは金銭的な利益を度外視したものであり必然的にその人はアウトロー・アウトサイダーな人物になっていきます。

ここまで言っただけで自分的には非常に頷けるものがあります。
それと別にマッチョである必要はありません。筋肉男が嫌いなわけじゃないですが、そういう肉体的な装飾よりも精神的にどうあるかが「男らしさ」であるわけです。これは当然で体ばかりデカくても精神がなまっちょろいんじゃ逆にがっかりではありませんか。

で、例えていえばどういうキャラかと言いますと、自分が好きなのはカムイ、ブラックジャック、百鬼丸なんですがブラックジャックって金銭的利益主義じゃねえか、という方はちゃんとマンガを読んでないかたでちゃんと読めば彼が利益を求めているのではないのは明白です。他には雲さん、あぶさん、銀次郎、峠草平、矢吹ジョー、不動明なんて感じですかね。
少女マンガがはいってないけど、うーん、やはり少女マンガの男性は男らしい、というのとは違う、というかこの定義でいくと女性が求める男性は男らしくないのかもしれません。(あくまで私の定義)

つまりここに並べた男たちというのはあまり組織に組み込まれていないアウトサイダーな存在であるのですね。仲間がいても少し外れた場所にいるような例えば雲さんなんかはある意味社長ですが外れているのは一目瞭然。あぶさんも野球界の外れ者ですよね。ところが現在のマンガの人気キャラっていうのは組織の中に入っている存在が多い。それはそれでいいのですが、私の好みの基礎がアウトサイダーなのでどうしても魅力を感じない、感じにくいキャラクターばかりになってしまっている、とこういうわけなのです。
現在&最近のマンガで言えば、「進撃の巨人」が好きですが、アウトサイダーな存在に思えるのはミカサ、というか「進撃」は女性の方が組織から外れてる感があるので全体的に女性キャラのほうに魅力を感じます。これは男性マンガでは珍しいことですね。
「ゴールデンカムイ」も好きですが、あれは全員外れてる感があってW却って逆にあぶれ者で組織化している。これも変わってますね。
「ヨルムンガンド」で言えばヨナが一番アウトサイダーでかっこいいと思います。

私の感じとしては「仲間が嫌いなわけじゃなくてむしろ仲間を求めているのだけど、仲間に入りきれないでいる」感じです。その理由は自分が背負ったなにかがあるわけです。

でもそういった自分が男らしい、と感じる魅力を持ったアウトサイダーが主人公となっていた「昔」は逆に人とのつながりが強かったせいでそういうキャラに憧れていたのかもしれません。
今はむしろ皆が孤立してしまっているために仲のいい集団への憧れが強くなっている、ということなのかもしれません。

仲良しグループに憧れるがために主人公が仲良しグループで幸せそうにしているマンガを読む、というのもなかなか切ないものでるがためにありますね。

なんかうるっとする結末になってしまいましたよ。
男らしくなるより愛されたい男たちですかね。

絵柄も昔のほうが全体的に朴訥としてますね。複雑な繊細さより、単純な図太さ、というほうに男っぽさはあるんですね。
とはいえ本当の大切さは「弱きを助け」るところにあると思っています。

それにしてもあぶさんって一番かっこいいー。

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