ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

中原中也

2017-01-27 06:16:56 | TV
NHK100分de名著。テレビで1を見逃していたのですぐに視聴。この番組で初めての詩人という。子供のような容貌もあまりにも青臭い感情も表現も心をざわつかせる。たまらない魅力の詩人。


海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪(なみ)ばかり。

「タクシー・ドライバー」マーティン・スコセッシ

2017-01-15 07:10:58 | 映画
ムロン昔見てたものでありますが。今、見て主人公トラビスはキリストであったのだなと思いました。当時、過激に狂った男のように評されていたと思うけど、トラビスは狂ってるわけじゃない。
ジョディ演じる売春の少女はマグダラのマリアであるのだろうし、彼が生きていたことはキリストの復活を意味していたのだと思う。
本当に凄い映画なのだけど、大統領候補が演説で「あなたは自分が正義とおもうところを行わねばならない。あなたが政治を変えていくべきなのです」という言葉がそのままトラビスに対して伝えられているのが巧い演出なのですね。

ここに始まって「沈黙」を作ったスコセッシ。「沈黙」は今一番気になっている映画です。

黄金のアデーレ 名画の帰還

2017-01-14 20:10:28 | 映画
何も知らないまま(ヘレン・ミレンとダニエル・ブリュールが出演というのだけちらと見た)見た映画だったけど、少しの時間で引き込まれ、思いもよらぬほど感激させられる作品でありました。
ナチとユダヤ人という題材は色々な思いが交錯して今では奇妙な反発を覚えることが多くなってしまったのだけど、この映画からはそういうもやもやが感じられない。悲しく恐ろしい歴史を体験した一人の女性の心の揺れ動きをユーモアを交えながら見せてくれた、素晴らしい映画でした。