ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

英雄たちの選択 大原騒動・1万人が決起した百姓一揆

2019-03-02 07:09:35 | TV
また一つ頭の中をひっくり返されてしまう事態になってしまいました。

まあまあ、自分の頭の中なんて大した知識は入っていないことは認識しているつもりですがそれでも「えーっそうだったの?」ということが毎日のように起きる不思議です。
半世紀以上生きていてなにを学んできたのかと思いますねほんとうに。

江戸時代、日本の格付けが「士農工商」と言うけど「農」は随分酷い目にあっていてとても二番目じゃないような気がする、と今まで思っていましたがこの番組を見ていると「農」がそんなやわなものではないのだと今頃になって知らされました。

集団となれば恐ろしいからこそ、徒党を組まれてしまうよりも個人から訴状を上にあげられるような仕組みにしていたということなのですね。
歴史としてまとめて見ると百姓一揆の特別なものだけが目立つけど、実際には話し合いで解決されていたものなのだということですか。
その中でこういう極端に強欲な大原代官のような事例があるわけでしかも田沼意次の政策が悪く影響していて次代の老中である松平定信を確立するための政策キャンペーンとして大原騒動が利用された、などというのはなんともリアルな話でありました。

この大原騒動は20年近くの長きにわたって3度の一揆が起こり2度目の一揆では18歳の若者本郷村善九郎が先導者となるのですが、失敗したために獄門。若き妻と子を残してという逸話は白戸三平「カムイ伝」の正助と重なりました。マンガのほうはさらに壮絶ですが。

中野信子さんの「日本人は我慢強い、と言われていますが実際は我慢ができない民族です」という言葉が面白く残りました。
これは悪い方にも良い方にも受け取れると思うのですが、良く解釈すれば「我慢ができないから、なんとかして良くなるように努力する」と言えましょう。
ただしそれが昨今「あの人がいるのは我慢ならないから追い出そう」というような方向へ行きがちになっているように思えます。
共存するのが我慢ならない場合「何とか話し合ったり譲り合ったりすることでどうにかする」という選択肢はこの百姓一揆の番組を見ていると昔の日本人は持っていたと思えるのですが、どこかに置き忘れてしまったのでしょうか。

無惨な百姓一揆ではなく賢い百姓一揆を目指したいものです。

TVer

2019-03-01 06:00:04 | TV
今までまったく目にはしていたかもしれないけど気づいてなかったのでした、TVer。おお、これだとネットでテレビ番組見られるのか!とインストールしてみたのだけど、見たい番組がないのでした。
うーむ、そうだよねえ。見たい番組あったらテレビで見てるかせめて予約録画しておくよね。
せっかくインストールしたんだから何かないかと探して結局マツコさん番組にしか食指が動かないという。
凄く楽しいの見つけた!と思ったのになあ。
お気に入りのタレントや番組というのも何もないというのが・・・このタレント名簿から誰を選べるのだ?ううう。

確かにこういうの増えればもうほんとうにテレビからネットに移行してしまうのでしょうね。
だいたいコマーシャルさえ見てもらえればテレビでもネットでもかまわないのではないのだろうか、スポンサーさんは?
「今しか見れない」感覚がどんどん薄れて録画しなくともネットだと過去の番組も選んで見れてしまうのがより便利でありますね。
さらにどうしても見たい過去ドラマなどは課金して見る人だっているだろうし?
ただし自分としては観たい番組がないのが一番の弱点であります。

ほんと今テレビで見てるのはニュースとドキュメンタリーばかりです。

テレビがネット配信機に完全になってしまうのも時間の問題でしょうかね。

100分de名著:オルテガ「大衆の反逆」保守とは何か

2019-02-27 21:00:00 | TV
100分de名著、興味深い本が紹介されることが多くて楽しみです。そして現在のことを皮肉ってるのかな、と思うことがしばしばあります。
今回のオルテガ著「大衆の反逆」はまさにそれでした。毎回なるほど思いながら見ていましたが特に最終の第4回 「保守」とは何か、は現在の政権及びそれに追随する人々に向かっての当てこすり?!としか思えない感じで凄くおかしかったし、本当にそうだと思いました。

伊集院さんが言うように「保守」というのは「あの頃はよかった」というような主義なのだと思っていましたがそうではないのですね。

中島教授が言われたのは
「どんなに優れた人でも、エゴイズムや嫉妬からは自由になることはできない。人間は知的にも倫理的にも不完全で、過ちや誤謬を免れることはできないのだ。こうした人間の不完全性を強調し、個人の理性を超えた伝統や良識の中に座標軸を求めるのが「保守思想」だが、オルテガはその源流につながる。歴史の中の様々な英知に耳を傾けながら「永遠の微調整」をすすめる彼らの思想は、急進的な改革ばかりが声高に叫ばれる現代にあって、大きなカウンターになりうる」
ということでした。
wikiを見たらちゃんと「保守主義者たちは、基本的には人間の思考に期待しすぎず、「人は過ちを犯すし完全ではない」という前提に立つ[5]。そして謙虚な振るまいをする」と書かれているではありませんか。(すぐwikiを頼ってすみません)

現在保守と呼ばれてる方ってなんかそうじゃないような気がしますが、本来の保守の姿とはこういうものなのですね。
いやこれだったら私も保守なのかも、と思いました。

上の文章はNHKの100分de名著のサイトから抜粋させてもらったのですがそこが「プロデューサーAのおもわく。」というタイトルでますますおかしいですw(誉め言葉ですよ)


そしてその中に安倍みちこさんの「みちこ’s EYE」というコーナーがあって「敵と共に生きる!」という言葉に感銘を受けたと書かれていました。
「中島さんの解説を経て、「自分は間違う。だから、自分とは違う人、自分と対立する人、つまり敵こそ尊重すべき」「耳が痛い意見にこそ耳を傾け続けよ」と受け止めました(みちこ’sEYEから抜粋)」
ちょうど今日意見の食い違いがあってへこんだばかりでした。でもそういう対立こそ大切に考えなければいけないのだと思いました。ちょうどよく読んでよかったです。
番組は見ていたのに文章で書かれてやっと思い知るというw
敵、といっても外側ばかりでなく内側にいる敵もあるということですね。


放送大学「世界の中の日本」高橋和夫

2019-02-02 06:32:46 | TV


放送大学「世界の中の日本」高橋和夫教授の授業です。数年前の録画のようですね。TVで偶然見かけた番組なのですが機械のような授業の多い放送大学の中で人間味ある話し方で目に留まりました。甘くクールなイケメンなのも有効なポイントでありますでしょう。

上でリンクしていますが

『講義概要

幕末以来、日本人が手本としてきた外国は欧米の大国であった。しかし、それが本当に国民に幸福をもたらしたのだろうか。所得ばかりでなく、教育、医療、女性の社会進出、治安、環境の保全などの指標で測った際に世界最高の生活水準とされるのは、大国ではなく北欧諸国である。日本でも、大国の地位ではなく国民の生活水準の向上を国家目的とする選択が示されても良いのではないだろうか。
そうした問題意識の下で、北欧諸国の経験を踏まえながら、外交、人口減少、外国人労働者、移民、メディアなどの面での日本の課題に光を当てる。世界の中の日本を北欧という鏡に映し出しながら語りたい。』

という授業が15回にわたって行われます。
私はまだ途中までしか見ていませんが、とても興味深い内容です。

高橋教授の授業は日本という小さな島国が目指すのは世界に冠たる大国であるより中身の充実した小さな国のひとつであるべきなのでは、と思う気持ちを支えてくれるような気がします。
 
この授業を見かけてしまったのですが新しい授業番組もあるようですね。


現代の国際政治('18)

他にもネットで動画が色々アップされているようです。
楽しみです。



放送大学「西洋芸術の歴史と理論('16)」青山昌文

2018-12-12 20:35:58 | TV


青山昌文教授の放送大学の授業「西洋芸術の歴史と理論('16)」がとても面白いです。

前に放送大学の授業は(普通の大学授業もそうなのかもしれないけど)無表情で抑揚が見てるのが辛い、というようなことを書いたのだけど、事実そういうのが多いのですが、青山昌文教授は逆にすごく訴えてくる授業をされていて面白いです。
白熱教室と言って良いですね。

惜しむらくは今まで見逃してしまったことですねー。北方ルネサンス美術とバロック美術を見ることができました。また放送されることがあるといいのですが。

他の放送大学と違って現場の撮影が多いのも楽しいですし、実感できます。彫刻の様々な角度からの鑑賞の説明など面白かったです。

「舞台芸術への招待」も白熱の授業でした。

オルセー美術館にあるオペラ座の模型、凄いですね。

こちらはオペラ座の屋上からの撮影。ほんとは登っちゃいけないのを無理を言って許可をとったとのことでした。


時々凄く良い方にぶつかりますね。これからも楽しみです。