ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

「ロマノフ家の末裔 ~それぞれの人生~」空しい望み

2019-02-07 07:27:04 | ドラマ


「ロマノフ家の末裔 ~それぞれの人生~」シーズン1エピソード2「空しい望み」

不倫ものが大好きな人は別として嫌いな人は我慢して最後まで観てみましょう。私は忍耐の末に笑えました。


以下ネタバレです。

このドラマの概要は

シリーズは、ロマノフ家の末裔だと信じ、各国に住む人々に関する別個の物語からなるアンソロジー・シリーズである

ということですね。
あくまでも「ロマノフ家の末裔だと信じ」ている人たちの話であります。
なので末裔がどっさり登場します。
まあ、チンギス・ハーンの直系子孫は1000万人以上と言われていますからそんなものですね。

エピソード2うっかり見過ごすとあれ、何の話だっけ、と思えるような展開です。心が通わない状態の夫婦がカウンセリングを受けいる場面から始まります。

妻のほうはなんとか関係を改善しようと懸命になっているのですが夫の方はなんとなく心ここにあらず的な印象です。
妻は夫が何を考えているのかわからないし、何にも興味を示さない、と嘆きます。

夫マイケルは実はロマノフ家だというルーツを持っています。そのロマノフ家末裔が豪華客船に集まってパーティをするというツアーに多額を支払って参加しようと妻シェリーは意気込みますが夫マイケルは乗り気ではありませんが反対もしないという無気力さです。

そんな時、マイケルはある殺人事件の陪審員に選ばれてしまいます。ところがそこですこぶる付きの美女に出会い、今まで無気力だったマイケルが熱くなっていくのでした。

マイケルは少しでも美女と長くいたいために判決を伸ばし妻シェリーにロマノフ家のパーティ旅行は一人で行かせます(マイケルのほうがロマノフ家の末裔なのですが)マイケルは熱烈に彼女にアタックしていきます。
一方妻シェリーはロマノフ家パーティの豪華客船で同じような既婚なのに妻が来られなかった男性といい関係になります。

が、妻シェリーは踏みとどまったのに対し、夫マイケルは美女と一線を越えますますのめりこんでしまいます。しかし美女は「浮気は浮気。私も家庭があるの。お互い壊さないようにしましょう」とあしらわれてしまいます。「俺が独身ならいいのか?」とマイケルは意気込みます。

旅行から帰ってきたシェリーにマイケルはハイキングに行こうと誘います。
疑いもせず喜んでシェリーはマイケルと森の散策に出かけます。
見晴らしの良い崖で二人は・・・。

昔のドラマだとここでマイケルは思いとどまり二人は仲良く暮らしましたとさ、となりそうな展開なのですが、なんとマイケルはリーを突き落としてしまいます。
勿論美女と仲良くなるために。
しかし崖があまり高くなくシェリーは助かります。が、マイケルが故意に自分を突き飛ばしたことは認識しており「今やっとあなたの気持ちがわかるなんて」と彼に目つぶしのスプレーを吹き付け股間を蹴り飛ばして車で去ります。
残されたマイケルはただれた目に水筒の水をかけて呻くしかありませんでした。


すっきりするドラマでした。




「ロマノフ家の末裔~それぞれの人生」ヴァイオレット・アワー

2019-02-04 06:22:30 | ドラマ

「ロマノフ家の末裔~それぞれの人生」シーズン1・エピソード1「ヴァイオレット・アワー」

アマゾンプライムにて鑑賞。

パリに住む美貌の老婦人はロマノフ家の血統であるといい、豪奢な屋敷に一人(犬だけを友として)暮らしている。戸棚には美しい細工を施した卵~インペリアル・イースター・エッグ(ファベルジエの卵)が置かれていた。
その遺産を相続するのは唯一の甥っ子。しかし甥っ子には勝気で思いやりのないガールフレンドがおり遺産欲しさに恋人の叔母が早く死ぬことを願っている。
老婦人は甥に新しい使用人を雇うよう頼む。屋敷に来たのは若いイスラム教徒の女学生だった。気難しい老婦人は恐れと不安を露骨に吐き出すのだが・・・。

と言ったお話でした。


以下、ネタバレです。




ロマノフ家の末裔の物語でパリが舞台、ですが監督はアメリカンでありますね。

甥っ子グレッグをアーロン・エッカートが演じています。
ちょっと気の利いた短編小説を読んでいるような雰囲気でした。

ある意味、こんな調子よく事が運ぶかな、もしくはこんなになっていいのかいな、的な感じでもあるのですが、またある意味愛情だけでオールオッケー的なのが今どき逆にすっきりと感じられてしまいました。
まあそれはアーロン・エッカートがハンサムなのとイスラム女学生がすこぶる美人ではきはきした賢さが魅力的であるためでしょう。

気位の高い貴族の末裔である老婦人がイスラム女性に「テロリスト」「未開人」などというような嫌な言葉を投げつけるのですが
しっかりした賢さの彼女・アジャルはそんな老婦人にもまったく臆することなく礼節を持ってしかしきりっとした態度で対応し、ある時は「失礼な態度を取らないでください」と告げる率直さを持っています。
差別的な言葉をずっと言うようなドラマは嫌なものなのですがアジャルがいつも堂々としているので見てて楽しくさえなってしまいました。

老婦人は次第にアジャルを見直していきます。特に愛犬が溺れそうになったのをアジャルがためらいもなく助けてくれ、それを見た老婦人が気絶したのも介抱してくれたことから心はすっかり打ち解けてしまいます。

老婦人はアジャルに自分の若い頃のドレスを着させます。
イスラムの被り物をはずして黒髪を垂らし美しいドレスをきたアジャルの姿をみて老婦人が感嘆の声を上げる場面がこのドラマで一番素晴らしい場面ではないでしょうか。
ロマノフ家のに豪奢なドレスはイスラム女性の褐色の肌に美しく映えたのです。
アジャルを引き寄せて鏡に映った姿にロマノフ家の末裔を誇る老婦人は貴族の美しさをアジャルに感じたのでしょう。
この場面を取りたいために作ったドラマのように思えました。

老婦人はアジャルを好きになってとうとう遺産を彼女に残すと言い出します。
甥っ子グレッグの恋人はこれに怒り屋敷に怒鳴り込みます。
もちろん老婦人は頑固にこれを一喝しただけでした。
恋人はグレッグになんとかしてよとけしかけます。
困ったグレッグはアジャルに脅しをかけますがここでもきりっとしたアジャルは「これはあの方が決めたことです」と言い返すのです。
グレッグは途方にくれます。実際グレッグは遺産が欲しいわけではなく恋人にけしかけられているだけだと本音を話します。このことでアジャルとの距離が縮まっていくのですが。


さて物語はどのような結末になったでしょうか。

何となく爽快な気持ちになったのは不思議です。




MAGI -天正遣欧少年使節 最終回10話まで

2019-01-24 07:15:49 | ドラマ


アマゾンプライム独占配信~MAGI -天正遣欧少年使節 ~見終えました。
なかなかの力作であったのではないかと思います。私としてはかなり満足の出来栄えでした。

以下ネタバレ含みます。






一作品の映画であればかなり軽い仕上がりであるでしょうが、連続テレビ小説的なドラマとして思えばなかなか訴えてくる内容になっていたのではと思います。
とにかく自分としては天正遣欧少年使節というドラマチックな物語がなぜ今までドラマ・映画化されていないのかが謎なのですが、小説・漫画化すらあまりないわけでやっとここにたどり着けたのか、という思いがあります。
異端とされていたキリスト教が題材であることが問題だったのでしょうか。やはり鎖国気質が強いからでありましょうか。異国へ行った日本人という題材があまりにも乏しいですね。

アマゾンプライム配信第10話でドラマは完結しています。
タイトル通り「少年使節」のドラマでありました。帰国した四少年を迎えたのは秀吉が行った過酷なバテレン追放の政策であり、彼らそれぞれの運命を待ち受けている、というラストシーンでした。

私自身は不勉強でウィキで確かめる程度しかできないのですが、それによると彼らは帰国後秀吉に招かれ西洋の楽器での演奏をして大いに気にいられ士官を進められるが全員断っている、ということで直ちに迫害されたわけではないのですね。
更にその後、このドラマでも常に疑念を持っていた千々石ミゲルは棄教し領地を治めますが近年彼の墓からロザリオがみつかり棄教してはいなかったとされています。しかも本作で語られる「彼らのその後」ではミゲルの息子があの天草四郎ではないかということで、これは全く知らなかったので驚きでした。
原マルティノは西洋の知識を広めようと著作しますが、結局追放されマカオで最期を迎えます。
主人公伊東マンショはマカオで神学を学び、再び帰国して北九州でハンセン病の支援をするなどの活躍をしていましたが次第に迫害を受けて病死、とあります。
四少年の中で最も苛烈な人生を歩むのは本ドラマで最も信仰に熱いけれど頼りなげでいつも母上を慕っていた中浦ジュリアンです。
追放令の中でも彼は日本にとどまり20数年地下活動を続け信者たちを見守ります。そしてそのために捕縛、怖ろしい拷問による死刑によって殉教しました。
四少年がまるで脚本に書いたかのようにそれぞれ全く違う道を歩んでいくのは不思議のようにも思えます。
その中でも中浦ジュリアンが信者のそばに居続け殉教したということに身が震える思いがします。

配信は11話以降も続いていて、天正遣欧少年使節にまつわるエピソードがあるようです。



MAGI -天正遣欧少年使節 6・7話

2019-01-22 06:37:19 | ドラマ


MAGI -天正遣欧少年使節 非常に楽しく拝見しております。興味をそそるところは色々あります。

まずは歴史ものでありながら今まで繰り返されてきた戦国武将ものではないところ。戦国武将ものも好きですが、いつもそればかりでは。時折武将話を織り交ぜながら進行していくのも判りやすくて良いですね。
イエズス会の少年使節の物語なので意味もなく設定される恋愛ものがないところ。男性率が高すぎですがそれはそれでまたよろしいと思います。
当然と言えば当然ですがきちんと史実を踏みながら四少年の個性を描き物語が進むのは楽しいです。
そしてなんといっても興味を持つのは日本と海外の交流の物語だからです。
以前はもう少しドラマの中にも海外との関りがあったのですが、どういうものか最近は日本国内だけの物語ばかりになっているように思えます。
鎖国していた国ですからその辺は難しいところもあるでしょうけど、ドラマというのは影響が強い媒体なのですから積極的に取り入れて欲しいものだと思うのです。
余談ですがNHK「いだてん」はオリムピックの話なので必然的に海外の話も多くなりますね。こちらも大いに期待しています。
あまりに鎖国化しているのでそのうち再鎖国してしまうのではとすら思えます。




以下ネタバレもあります。




恋愛ものがないとは書きましたが、思春期の男子の話なので性的なエピソードも入り込んでいるのもよいです。そのエピソードは後に棄教する千々石ミゲルであります。彼の心は様々にキリスト教に対する疑念が生じています。

有名な少年たちのダンスシーンもあります。

MAGI -天正遣欧少年使節 4・5話

2019-01-21 06:35:35 | ドラマ


以下ネタバレですので、ご注意を。





少年使節たちは二年に渡る過酷な海路の後ポルトガルに到着します。
単純に大歓迎ではなく、東洋から来た少年たちのローマ行きを快く思わぬ者もいると知る。スペインではフェリペ王に謁見。
 
ラテン語を披露し、それを冷笑されたために次回は侍らしく剣さばきを披露するなど演出も凝っています。

単純に可愛い少年たちを歓迎してくれた、と思い込んでいたのですよね。どこまでが史実でどこから創作なのか、といってもどちらにしても誰も知らない昔の話ですし、確かにそんな単純なものではないでしょうね。

ドラードというハーフの少年が通訳をしていく、というのも良い設定だと思います。佐野岳さんが演じています。


一方日本ではすでに織田信長は絶え、秀吉の世になっています。
まだイエズス会は存在しますが、千利休との会話でその将来が危ぶまれることが示唆されます。