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実際、長く熱い。

2005年10月05日 | 
大藪晴彦【長く熱い復讐(ころし)】

記憶を失った鷲尾は暴力団を5人殺害し、服役していた。
いったい何があったのか、自分の過去はどんなものなのか。
集団で脱獄した鷲尾は自分の過去を知る為、
そして、復讐の為に組織に戦いを挑む。

【蘇る金狼】や【野獣死すべし】等で有名な
大藪晴彦の30年位前の作品だ。
近所の人が「片づけるのがめんどくさい」
と言う理由で貸してくれたので読んでみた(笑)。

当時の男臭い復讐物で、かなーり直球勝負。
武器・車・航空・暴力・拷問・サバイバル・男の料理など、
タフでマッチョな男を演出する作者のうんちく盛りだくさんだ。
途中、「もう銃やナイフの説明はいいから」と思わんこともないが、
たまにはこういう小説も面白い。結構グイグイ惹きつける。

チンピラの口を割らせて徐々に大物に迫る手法も典型的だが、
やはり人間は拷問の苦痛と恐怖には耐えられないんだろう。
しかし、ボディーガードは当然だが、
情婦からお手伝いさんまで、とにかく皆殺しにしていく。
女は犯す。死体は解体し遺棄する。
徹底しているが、もうむちゃくちゃ。
自分の復讐の為に、関係ない一般人も殺しまくるのはちょっと。
ラストの大規模な死闘までひたすら加速していく。

僕の頭の中での鷲尾像は「極悪な藤岡弘、」で、
ずっと彼を若くした感じの鷲尾が動き回っていた。