FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@Big Rock

2014-02-18 11:37:06 | クライミングレッスン報告
2月5日(水)
メンバー:たけくん(小4)、コージン(小5)

1月からチームメンバーに入ったコージン。
初級の間は週1回のペースだったが、中級に上がってチームにも入り、クライミングに明確な目標を持つと同時に取り組み方も変わって来た。
今年中に11台を登れるようになりたいコージンは、水曜にもレッスンを入れることにしたようす
Big Rockでのレベルアップレッスンもビレイの練習も兼ねて来るようになった。

クライミングのレッスン頻度は、本気で取り組みたいとお子さんが考えるようになったら、週2回くらいは受けるのが良いように思う。
指導効果を出すためには、お互いの信頼と熟知が必要だ。
「顔を合わせて心をつなぐ」ことから始め、その子の癖や強化すべき点、さらに内面や生活の様子までを、こちらがきちんと把握したうえで指導して行く必要がある。
子どもの方も、たまに言われても忘れてしまったり良く意識出来なかったりするものだが、ある一定のペースで見てもらうことで矯正されて行く。
熟達するまでの段階では、他人に「見てもらう」ことはとても必要なことなのだ。
週2回というのは、他のスポーツに比べればそれでも少ない方かも知れないが。


さて、今の2人にとって必要なのはビレイの技術を確かなものにして行くことだ
コージンは人が登るのをビレイするのは今日が初めてなので、先ずは私の補助ロープをつけて。
たけくんにトップロープを2本を結んでもらい、1本は私がビレイし、もう1本はコージンがビレイをする。
これならばコージンがきちんと止められなくても、私のビレイでたけくんは無事に止めることが出来る

先ずはロープの扱いに慣れることから。
たけくんにゆっくり登ってもらい、ロープがたるむことなくきちんと引かれているかどうかをチェックしながら練習。
次に補助ロープをつけたままたけくんにわざと落ちてもらい、フォールを止める。
はじめはまごついていたコージンも、何回か練習してきちんと止められるようになってきた
次回は補助輪なしで

コージンがリードで簡単なルートを登る時はたけくんがビレイ。
大分慣れて来たぞ

さて、アップがすんだら各自の目標ルートへのトライだ

たけくんは11bにトライしてみたい様子
で、今日は「ビッグルーフ」の11bにチャレンジしてみた
ところどころ遠いところも気持ちで負けずに良く頑張れた
が、上部の横に遠いところで逡巡した末、フォール
残念・・・でも、今日は良いトライをして、なおかつ落ちれたね

コージンは「オーバーハング」の10bのオンサイトにトライ
ルートが壁の中を蛇行するこのルートはクリップのラインがちょっと難しい。
さらにクリップの横をまわり込んで戻ってきたりするので、一瞬クリップの場所から離れなければならず、慣れないと冷静な精神状態で登ることも大変だ
案の定手はガバなのに、登る動き以外の条件にやられて2回テンション
ルートならではの難しさがあるルート。
良い勉強になったね







<レッスン日誌>ミストラル中級レッスン

2014-02-17 14:59:58 | クライミングレッスン報告
2月2日(日)
メンバー:のんちゃん(小4)、たけくん(小4)、ユキちゃん(小5)、タクミ(中2)、コーヘイ(中2)

昨年末に続いて越谷にある「ミストラル」へ。
ジムで受付を済ませるとすぐに自主的に着替え、準備体操やストレッチをさっさと済ます子どもたちの様子を見て、成長しているんだな~と思う

今日は10本以上は登ってほしいことと、各自の課題を子どもたちに伝えてから実技に移る。
時計を見ながら行動できるようになって来たので、ボルダーでアップ。
「ボルダー」という言葉を聞いただけで、なぜか子どもたちのテンションは上がる
「アップだからね」と一応念を押す。

今日はたけくんとのんちゃんの二人はビレイの練習。
お互いに組んでトップロープで登ってもらう。
たけくんはリードのビレイも慣れて来ているので、のんちゃんやユキちゃんのリードのビレイも少し練習した

クライミングにおける2人への課題はリードで11aをオンサイトトライすること。
2人とも攻める気持ちで頑張れて、見事オンサイト
その後は2人でお互いをビレイしながらトップロープで登りまくった
のんちゃんは今日でトップロープのビレイは大丈夫になりました
次回テストですね

ユキちゃんはいろいろな面で成長を見せるようになって来ている
今日は自分が登る以外にも、のんちゃんやたけくんのリードのビレイを手伝ってくれた
自分のクライミングもとても前向きに、そして主体的に活動出来て、登るルートやタイミングも全部自分で決めて実行
時間内に11b~12aまでのトライを含めて、ちょうど10本を登った
11cと11dはオンサイト成功
11bは残念ながらオンサイトを逃したが、苦しくなっても諦めずに善戦したし、2回目でレッドポイントを決めている。
12aは2回トライしたけれど、レッドポイントならず
でも、良いトライが出来ていた。こういう練習を毎回して行けば強くなるぞ~頑張れ~

コーヘイは前回と打って変わって積極的に取り組む姿勢を見せた
ビレイと登る準備の交替の時もテキパキと行動するように心がけていた様子だし、のんちゃんとたけくんがトップロープ用に設置されている安全環付きカラビナのゲートが開かなくなって困っていた時も(私はユキちゃんのビレイ中だった)、飛んで行って開けようとしてくれたり、良い面を見せていたぞ
今日は前回登れなかった13bをレッドポイント出来たし、ちょーっと時間が出たけれど13台3本、12台2本のトライを含め10本をこなせた
惜しむらくは、昼休みに気が抜けてジムに備え付けのマンガを読みふけり、記録などのやるべきことをしなかった、という点かな
小学生のメンバーは昼休み中にしっかり記録を書いていたぞ~

伸び悩み中のタクミ。
クライミングが大好きだし、基本真面目だし、伸び悩みの原因はどこにあるのか・・・
今日はそんな彼を良~く観察してみることにした
近頃急に体が成長して来て重くなっている、そういうこともあるだろう。
だが、本当の原因は彼の心にあるのではないか?
11cのオンサイトトライの時。
ムーブが少し悪いところで精神的にノックアウトされてしまった
降りて来て、「センセイ、これ出来る気がしません。。。ムリです」と言うので、
「やっても見ないで何を言う『出来ない、出来ない』ばかりでムーブを起こしてみようともしなかったじゃないか君には今、『必死さ』が足りない。必死にかじりついてみなければ、何事も進歩というものはないんだよ」と叱った
すっかりしょんぼりしたが、考え直したようだった。
次のトライは別人のように気持ちが入った良いトライになった
レッドポイントは叶わなかったけれど、「ムリです」と言っていたポイントは強い気持ちでグッとムーブを起こして切り抜けることができ、終了点直下に迫った
降りて来たタクミを褒めた。本人も笑顔になった


必死さ。
それは苦境を受け容れ、何とか乗り越えようともがく心だ。
必死になるには、「肚を据えて」困難をしっかり受け止めるとともに次に進む覚悟が必要である。
肚の据わった、動じない強い心。
それは芯のしっかりした良い姿勢から培われる。
戦前の日本人は、「躾け」という日常の生活習慣でそういう強い心身を磨いていた、という説がある。
思い起こせば祖父母たちの代の昔の大人は、勉強だけで子どもの価値をはかることなく、良い「躾け」を教育の大切な柱としていたものだった。
ところが戦争に負けて、伝統のアイデンティティを恥じた日本人は、そうした「躾け」を捨ててしまった。
それと同時に「優秀な心を持った日本人」は、いつの間にかどうにも心もとないものに変化して来ている
クライミングを教えていて痛感するのは、クライミングの技術とともに身につけるべき必須は、「人間としての基本」、すなわち「心」である、ということだ。
・・・もう一度、伝統的な「躾け」を見直すべきなのかもしれない。

私自身も今、チームの子どもたちとともに肚の据わった、芯の通った人間になるべく、実験・奮闘中だ


午後3時少し過ぎに解散。
それぞれに充実した時間となったかな~?

  ↓ミストラルでのお昼休み。しっかりした姿勢を習慣にしよう、ということで「正座」してみる。
   今回は他に写真を撮るのを忘れてしまいました


<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2014-02-14 13:08:52 | クライミングレッスン報告
2月1日(土)
メンバー:れん君(小1)、しんのすけ(小3)、かんちゃん(小4)

ビッグロックのちびっこクラブのほか、pump2でのレッスンにも通い始めたれん君、
大体週に1度のペースでレベルアップレッスンに来るしんのすけ、
そして忙しい中を時間を作って、週1回のクライミングペースを作り始めたかんちゃんの3人のレッスン。

レッスン始めの目標発表の時間。
勢いと元気の良いしんのすけ、落ち着いたかんちゃんに交じって、慣れないpump2でのレッスン環境にちょっとおずおずとした感じのれん君
早く慣れると良いね

ボルダーの時間は、しんのすけとかんちゃんは7級を1本ずつ完登
れん君は10級の課題を繰り返し登っていた
本人も早く慣れようとしているのかな?

ルートエリアに移動

1時間半というレッスン時間は結構短い。
でも、レッスンを時間を長くしたからといって、必ずしも十分な練習効果が出るわけではないだろう。
子どもたちの集中力やモチベーションの維持を観察した結果、最も適切と思われたのが1時間半のレッスン時間だった。

ルートエリアに移動したら身支度などは手早く
各自ハーネスを穿いたりクリップ練習をしたりする中、れん君が「トイレに行ってきます」
小さい子どもたちはレッスン中でもトイレに行きたくなってしまうことが良くある。
それはそれで仕方がないけれど、トイレに行きたいのならその分もっとテキパキと行動しないとね
「トイレに行っていたら登る時間がなくなっちゃうかもしれないよ?」と念を押すと、「はい」と答えてトイレへ。

その間しんのすけはロープ装着のテスト。
8の字は作れたけれど、ハーネスへの装着のし方が分からなくなっちゃった
残念ながら、今日は不合格
でもたくさん練習して、今日のところは出来るようになったから、渡してあるロープで忘れないように、お家でちゃんと練習してね
次回、再テストですよ


ハーネスを穿いたかんちゃんはリードクライミングのためのクリップの練習。
本当はこの間にれんくんがトップロープで登れれば効率良くみんな自分のやるべきことが出来たのだけれど・・・誰も登らない時間が出来ちゃったね
クリップ練習が終わったかんちゃんと、れん君がトイレから戻って来るのが同時だった。
れん君はそこからハーネスを穿くので、かんちゃんが先に登ることに。


かんちゃんは前回のリベンジで一反木綿のオレンジ■を手足限定&リードで
前回のトライでは手がバンバンになっちゃって、終了点のクリップが出来ず無念のテンションだったのだ
今日は見事レッドポイント
継続は力なり、だよね


やっとハーネスが穿けたれん君だったが、もうレッスンは終了の時間。
勉強のために、身支度が遅かったり集中力がない場合、登らせることなくそのままレッスンを終えることがある。

今回も、気の毒だけれどレッスン時間の延長はせずに終了。
残念今度からは時間を気にしながら、今どうすれば良いのかを感じながら動けるように頑張ってみようね


<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2014-02-12 12:53:42 | クライミングレッスン報告
1月25日(土)
メンバー:めいちゃん(小1)、ミサキ(小2)、ユッキー(小4)、りょーた(小6)

この時間は2組の兄妹、姉妹のレッスンとなった。
まだ小さいめいちゃんは、「今日はおねえちゃんとレッスンが一緒でうれしい
人数的にバラバラに入ることが多いこの姉妹だったが、もう少し経験を重ねてクライミングへの想いが熱くなるまでは、あまり心細い想いをしないほうが良いのかな?

今日、めいちゃんは10級を登り、ユッキーは8級を4本完登
ユッキーはあと1本でボルダーが進級できるね

ルートでもめいちゃんは5.5を完登 
今日は途中で怖くなって止めちゃうこともなく、トップまで頑張れた
ユッキーも今日は5.5を復習
安定して動けるようになってきたね

アグレッシブなミサキとりょーたの兄妹。
今日、2人は進級のためのテストを申し出て来た。

当スクールは、進級のためのテストは申し出制だ
クリアしたい項目を自分で決めて、「テストして下さい」と申し出る。自分から言わない子は、いつまでも合格しない。
だって、上手くなりたいのは自分なのだから。
自分のことは自分で責任を持とうね


今日2人が申し出たテストはどちらもルートに関することだ。
ミサキはトップロープの安全性について、りょーたはリードの安全性について。
こうした安全に関するテストは、先ず口頭で注意点を述べてもらい、次に実技テスト。
頭で理解していても体で実践出来なければ意味がない。
さらに、日ごろの安全性への意識も加味して合否を出させてもらっている。

今日、2人は見事合格
少しずつクライマーっぽくなって来てるよ




<レッスン日誌>ちびっこクラブ@ビッグロック日吉店

2014-02-11 13:02:01 | クライミングレッスン報告
1月22日
メンバー:れんくん(小1)、カイくん(年長)

今日はビッグロック日吉店でのちびっこクラブ。
月に2回ほど、ここのジムに出張しているが、ここでの「ちびっこクラブ」のメンバーは今のところれんくん一人
ちょっと淋しいけれど、月1回のペースで近所の子どもたちが単発で参加してくれているので、れんくんのマンツーマンになることはあまりない。
スクールの場合はマンツーマンレッスンでもレッスン料金は変わらない。
なので、上手くなりたいれんくんにとってはマンツーマンも大歓迎
でも「ちびっこクラブ」はまだまだ楽しく遊ぶ要素が強いので、このクラスに在籍している間は誰か一緒にレッスンをしてくれた方が楽しいよね

カイくんはとても元気な子だが、高いところが怖い
低いところは動きが良くても、高さを意識したとたん、動けなくなってしまうことが多い
これは高いところが怖い子にありがちな症状だが、ジムの中は安全確保のマットがあるのだから、きちんと「足から着地」に気をつけて、気合いを入れて次の手に向かって動かなければ前進できないこともある
カイくんはそれが出来ずに諦めて下りて来ることが多い子だった。

「気持ち」。
これは自分ではコントロールするのが難しい部分。
でも、メンタルスポーツと言われるクライミングにおいては、この「気持ち」の占める部分が大変大きい。
私自身でも自分のクライミングにおいて痛感する部分であるし、子どもたちへの指導でも最も神経を使い、苦慮する部分だ。
でも近頃、大事なのは「日常」の心の持ち方である、ということに思い至った
正々堂々とした明るい気持ちで生きる、相手の目を見てきちんとした挨拶をする、「良い」と信じることを「行動」・「実行」する・・・などなど
こうした日常の心がけが心の鍛錬に繋がり、人間の本質を変えて行き、さらにはパフォーマンスを変える。
そしてこのように人間の本質を変えるような指導を続けて初めて、クライミングが教育的効果を発揮して本当に強いクライマーが育って行くのではないか。


レッスン開始時の挨拶。
いつも「きちんと挨拶をしようね」と声かけはしているけれど、今日は一歩踏みこんで、心をこめて挨拶をするように指導してみた。
素直で純真な子どもたちは、言われたことをすぐに実行してとても良い挨拶をした

今日の2人のパフォーマンスには目を見張るものがあった
れんくんは、ボルダリングで黄色テープ課題(6級)を完登したほか、赤テープ課題(8級)を5本完登
ルートでも1つ上のグレードにチャレンジして、5.8を完登した

高いところが怖いカイくん。
今日は別人のようだった
ボルダーでは、壁の上部でも今までとは違い、次の一手に意識を集中させ、止まることなく動き続けて見事完登
今までは「何でもあり」でトップまで行っていたのだが、今日はテープ課題にもチャレンジし、赤テープ課題を何本も完登
びっくりだね
ルートでも先ず装着が難しい全身ハーネスを自分で全てセットしてきちんと装着
さらに今までは怖さから何度も立ち止まり、何とかトップまで到達していたスラブの壁を、今日は歩くようにスルスルとトップへ
気持ちが弱って助けを求めようと振り返ったりすることなく、常に上を見据え、気迫のあるクライミングだった

挨拶の効果、恐るべし
先ずは、「気持ち(メンタル)」。そしてそれを支えるのは日常の心構えなんだな、と気付かされた今日のレッスンだった。