FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<レッスン日誌>ミストラル中級レッスン

2014-02-17 14:59:58 | クライミングレッスン報告
2月2日(日)
メンバー:のんちゃん(小4)、たけくん(小4)、ユキちゃん(小5)、タクミ(中2)、コーヘイ(中2)

昨年末に続いて越谷にある「ミストラル」へ。
ジムで受付を済ませるとすぐに自主的に着替え、準備体操やストレッチをさっさと済ます子どもたちの様子を見て、成長しているんだな~と思う

今日は10本以上は登ってほしいことと、各自の課題を子どもたちに伝えてから実技に移る。
時計を見ながら行動できるようになって来たので、ボルダーでアップ。
「ボルダー」という言葉を聞いただけで、なぜか子どもたちのテンションは上がる
「アップだからね」と一応念を押す。

今日はたけくんとのんちゃんの二人はビレイの練習。
お互いに組んでトップロープで登ってもらう。
たけくんはリードのビレイも慣れて来ているので、のんちゃんやユキちゃんのリードのビレイも少し練習した

クライミングにおける2人への課題はリードで11aをオンサイトトライすること。
2人とも攻める気持ちで頑張れて、見事オンサイト
その後は2人でお互いをビレイしながらトップロープで登りまくった
のんちゃんは今日でトップロープのビレイは大丈夫になりました
次回テストですね

ユキちゃんはいろいろな面で成長を見せるようになって来ている
今日は自分が登る以外にも、のんちゃんやたけくんのリードのビレイを手伝ってくれた
自分のクライミングもとても前向きに、そして主体的に活動出来て、登るルートやタイミングも全部自分で決めて実行
時間内に11b~12aまでのトライを含めて、ちょうど10本を登った
11cと11dはオンサイト成功
11bは残念ながらオンサイトを逃したが、苦しくなっても諦めずに善戦したし、2回目でレッドポイントを決めている。
12aは2回トライしたけれど、レッドポイントならず
でも、良いトライが出来ていた。こういう練習を毎回して行けば強くなるぞ~頑張れ~

コーヘイは前回と打って変わって積極的に取り組む姿勢を見せた
ビレイと登る準備の交替の時もテキパキと行動するように心がけていた様子だし、のんちゃんとたけくんがトップロープ用に設置されている安全環付きカラビナのゲートが開かなくなって困っていた時も(私はユキちゃんのビレイ中だった)、飛んで行って開けようとしてくれたり、良い面を見せていたぞ
今日は前回登れなかった13bをレッドポイント出来たし、ちょーっと時間が出たけれど13台3本、12台2本のトライを含め10本をこなせた
惜しむらくは、昼休みに気が抜けてジムに備え付けのマンガを読みふけり、記録などのやるべきことをしなかった、という点かな
小学生のメンバーは昼休み中にしっかり記録を書いていたぞ~

伸び悩み中のタクミ。
クライミングが大好きだし、基本真面目だし、伸び悩みの原因はどこにあるのか・・・
今日はそんな彼を良~く観察してみることにした
近頃急に体が成長して来て重くなっている、そういうこともあるだろう。
だが、本当の原因は彼の心にあるのではないか?
11cのオンサイトトライの時。
ムーブが少し悪いところで精神的にノックアウトされてしまった
降りて来て、「センセイ、これ出来る気がしません。。。ムリです」と言うので、
「やっても見ないで何を言う『出来ない、出来ない』ばかりでムーブを起こしてみようともしなかったじゃないか君には今、『必死さ』が足りない。必死にかじりついてみなければ、何事も進歩というものはないんだよ」と叱った
すっかりしょんぼりしたが、考え直したようだった。
次のトライは別人のように気持ちが入った良いトライになった
レッドポイントは叶わなかったけれど、「ムリです」と言っていたポイントは強い気持ちでグッとムーブを起こして切り抜けることができ、終了点直下に迫った
降りて来たタクミを褒めた。本人も笑顔になった


必死さ。
それは苦境を受け容れ、何とか乗り越えようともがく心だ。
必死になるには、「肚を据えて」困難をしっかり受け止めるとともに次に進む覚悟が必要である。
肚の据わった、動じない強い心。
それは芯のしっかりした良い姿勢から培われる。
戦前の日本人は、「躾け」という日常の生活習慣でそういう強い心身を磨いていた、という説がある。
思い起こせば祖父母たちの代の昔の大人は、勉強だけで子どもの価値をはかることなく、良い「躾け」を教育の大切な柱としていたものだった。
ところが戦争に負けて、伝統のアイデンティティを恥じた日本人は、そうした「躾け」を捨ててしまった。
それと同時に「優秀な心を持った日本人」は、いつの間にかどうにも心もとないものに変化して来ている
クライミングを教えていて痛感するのは、クライミングの技術とともに身につけるべき必須は、「人間としての基本」、すなわち「心」である、ということだ。
・・・もう一度、伝統的な「躾け」を見直すべきなのかもしれない。

私自身も今、チームの子どもたちとともに肚の据わった、芯の通った人間になるべく、実験・奮闘中だ


午後3時少し過ぎに解散。
それぞれに充実した時間となったかな~?

  ↓ミストラルでのお昼休み。しっかりした姿勢を習慣にしよう、ということで「正座」してみる。
   今回は他に写真を撮るのを忘れてしまいました