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サブカルとサッカーの話題っぽい

【サッカー】苦肉の策

2010-12-10 | サッカー・アルビレックス新潟

[マルシオリシャルデス選手 浦和レッドダイヤモンズへ移籍のお知らせ]
http://www.albirex.co.jp/tools/page_store/news_3099.html
[永田充選手 浦和レッドダイヤモンズへ移籍のお知らせ]
http://www.albirex.co.jp/tools/page_store/news_3107.htm




 使おう使おうと思っていた画像をようやく使えた喜びと、哀しいお知らせ。

 正直なところ、別れはすっごく辛いですけど、マルシオと永田さんに対しては「ありがとう」という言葉しかかけられないですね。「これからも頑張れよ」なんて言葉までは流石に口にできないというか、それはちょっとかっこつけすぎだと思いますし、だからといって僕は〝恩人〟である二人に呪いの言葉を吐き出せるほど性根が据わっているわけでもありませんし。
 何度でも言いますが、2010年シーズンを新潟で闘ってくれた選手に関しては、今後どこで何をやろうと(試合の中でうちの選手を削ったりしたら別だけど)ブーイングなどを飛ばそうとは思いません。特に契約が残っていたらしいマルシオはともかく、永田さんは去年の時点でいくらでもオファーがあったはずなのに、主力が次々と移籍していく中で新潟の守備の大黒柱として頑張ってくれました。ぶっちゃけ、選手が我先にと移籍を試みはじめた段階で、一番最初に抜けるのは永田さんだと思ってたんです、僕。でも残ってくれたんだよなあ。たしかに最後の数試合は怠慢なプレイが目立ったけど、黒崎新監督の船出の一年目を支えてくれた。こんなにありがたい話はないですよ。ホントにありがとうございました。
 で、マルシオ。2007年ホーム浦和戦で、亜土夢の劇的な同点ゴールを演出したのが、ついこの間のような感覚。明確に「上」を目指し始めたチームに加わった最後のピースが、まさかここ10年のアルビレックス新潟というチームにおける、最高で最強のクラッキになるなんて誰も想像していなかったんじゃないかなあ。チームは残念なことに、その次の年から思うような補強ができず、不完全燃焼のシーズンを繰り返すことになりましたけど、ピッチの上の誰よりも巧い選手が、ピッチの上の誰よりも献身的にボールを追いかけ回す姿は、チームにとって数字が示している以上に大きな財産を残してくれたと思っています。ホントにありがとう。元気なお子さんが生まれることを祈ってます。

 しかしまあ、応援していた選手が移籍してしまうのは寂しいとか、移籍先が二人とも下位の同じディビジョンの同じチームって狂ってると思うとかってのは別として、去年から続く主力の移籍を見ていて感じるのは、今後は「新潟を上に押し上げよう」とか「新潟でタイトルを取ろう」ってモチベーションのある選手でチームを作らなければならないということですね。
 や、いなくなる(なった)選手を悪く言う意図はないんで最初に誤解のないように断っておきますが、ぶっちゃけ天皇杯でモチベーションがダダ下がりになるクラッキとか、リーグ戦後半になると決定的なミスを連発して勝ち点を落とす守備の要とか、トーナメント戦でPKを外すエースとかに頼ってちゃあいけないということですよ、コレは。
 こう言っちゃなんですけど、たとえ北野、松下、千代反田、ジウトン、ペドロあたりの去年移籍した選手が残留し、マルシオ、永田、貴章あたりの今年移籍した選手と力を合わせたとしても、新潟はやっぱりナビスコカップを予選落ちするだろうし、天皇杯もリーグ戦が終わる前に敗退してしまうだろうし、上位争いにはついていけずにふるい落とされると思うんですよねえ。戦力的には潤沢でも、この中に阿部とか闘莉王みたいに勝つための方法論を兼ね備えた選手は一人もいなかったからなあ。
 率直に言うと、チームをステップアップの道具としてしか見てないような選手は、厳しい試合で勝ちをたぐり寄せることなんざできねーってことですわ。たとえばマルシオの言うところの「プロとして決断した」というのは、そのまま年俸が上がることを指しているわけで、それはそれで「プロとして」絶対的に正しい判断でしょうし、「プロとして」ステップアップをガンガン狙っていくのは当然のことだと思います。
 が、そういった「プロとして」の大目標を前提として踏まえたうえで、なお「新潟でタイトルを絶対に取る」というモチベーションを持った選手が増えていかない限り、なかなか今みたいなジリ貧の状況から抜け出すのは難しいでしょう。そのためには、生え抜きを育て、新潟に在籍する選手に誠実に接するという、これまで当たり前のようにやってきたことを続けていくしかないんだろうなあ。
 見果てぬ夢ではありますが、何年か先に実現したらいいなと。


 ちなみに。
 記事のタイトルは、浦和に元新潟の選手が増えていることから連想してつけました。
 これで来年、赤壁の戦いを制したらスカッとするだろうなあ。