カンピオーネ! 4 英雄と王 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2009-07-24 |
リリアナぁぁんんんかわいいいいんんんんんん!!
……ふう。
ついにと言うべきか、ようやくと言うべきか、はたまた満を持してと言うべきか、護堂ハーレムに献身系銀髪ポニテ娘が加わってしまったのだぜ。こういうキャラはモロ好みなのだぜ。
この手のヒロインはこれまで登場していなかったというか、万里谷は外見的に世話女房タイプかと思ったら、現段階でヤキモチを妬く機械みたいになってるからなあ。ちゅうか、エリカや万里谷が護堂のフォロー込み(エリカとは抜群に息が合うとか、万里谷はキツイことを言うけど思いやってくれるとか)でキャラを立てているのに比べると、リリアナは本人の言動一本で押してくる感じなので、描写的にも優遇されている印象を受けました。丸々一冊かけてリリアナが護堂にほだされていく様子を描いただけあって、強烈なヒロインが物語に加わった感じ。次巻からどうなっていくのか楽しみだわー。
以下雑感。
・四巻まで読んでハッキリしたが、護堂以外のカンピオーネやまつろわぬ神々の「俺様最高。一般人がどうなろうと知ったこっちゃない」という価値観は、物語のギミックの一部だと考えるのが正しいようだ。それによって護堂の「できるだけ一般人への被害を抑える」という考え方が、あの世界の中では特殊であるということを強調できるし、巻き込まれ体質という体で主人公を物語に絡めていくためには、もっとも適した形なのかもしれない。
・とはいえ、やはりカンピオーネやまつろわぬ神々の人格破綻(正確には人ではないからこの言い方はおかしいんだろうけど)ぶりに少なからず辟易としてしまう部分はある。現段階では能力不足だから仕方ないというのはあるけど、護堂の考え方からすれば、もっと積極的にまつろわぬ神を叩き潰していかないとオカシイ。他のカンピオーネが個人主義者で快楽主義者というのを踏まえても、いつまでも「どうして俺がこんな目に」とか「俺は巻き込まれただけだ」なんてグチグチ言っていられないと思う。
・いわゆる「巻き込まれ型」の主人公が積極的に物語に関わっていくタイプに変容するのは、『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンなんかにも見られた類型なんだけど(キョンの場合は『消失』や山荘の出来事を境に明確に意識が変わった)、この作品も草薙護堂をどこかでそういうタイプに変容させないと、認識力に欠けた駄目主人公になってしまいそうなので、今後の展開に注目したい。恋愛方面で鈍いのはラブコメのテンプレだからどーでもいいけど、自分の置かれた立場に鈍感なのを最後まで引っ張るのは厳しいと思いますので。
・なにはともあれリリィ可愛い。第一印象は「口調がセイバーだなあ」としか思わなかったのに。家事全般が得意ってのはうまい設定だと思いました。リリィがそうであることで、家事を一切しないエリカの性格が対比で際立ちますし。しかし万里谷の存在感の薄さは他に例を見ないな。ごめん嘘。メインヒロインなのに影が薄いのも珍しくない昨今であります。
それにしてもアテナは意外と引っ張りますねということで一つ。