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サブカルとサッカーの話題っぽい

【雑記】SSトーク21

2010-04-26 | 雑記

 下のSSは、第三回葉鍵板最萌トーナメントというイベントの支援用に書いたやつです。
 日程とか全く知らなかったのに、立ち寄ったサイトで知ったはるみの対戦日がその日だったとか運命を感じるよね!
 それにしても、実に久しぶりに『TH2』のSSを書いたものだなあ。
 あまりにもアルビレックスが勝てないから、きっと僕の頭おかしくなっちゃったんだな。

 コレとはあまり関係ない話、「葉鍵キャラが好き」という括りで考えたとき真っ先に頭に思い浮かぶ知人の名前があって、その人は『こみパ』の長谷部彩がめちゃくちゃ好きなんです。
 どれくらい好きかっていうと、僕も『こみパ』で一番好きなキャラが彩だったんですけど、その人の好きっぷりを見せつけられたら「あ、こりゃこの人の前で彩萌えとか言ったらアカンわ」と感じるくらい、軽く引くレベルでの思い入れを見せてくれた方なんですが(えー

 今回、どうしてか、最萌というイベントの存在を知ったとき、頭をふとよぎったのがその人のことでした。
 毎年、彩の誕生日になると彩スレに自作の壁紙(超巧い)をアップする人なので、ひょっとしたら知ってる人もいるかもしれないなあ。IRCで名前は見るのに発言するところを見かけないせいで、二次元の世界に入っちゃったんじゃないかと心配になるわ(^q^)


【SS】小ネタ・こせい だいじに

2010-04-26 | インポート

「ダーリンの好みの女になります」

 新しい教室にも慣れはじめ、ゴールデンウィークが間近に迫ったころのことだった。
 葉桜の下にビニールシートを敷き、肩を並べて弁当を広げていたら、ミルファちゃんがいきなりそんなことを言い出したのだ。呆気に取られ、思わず箸でつまんでいた卵焼きを取り落としそうになったが、なんとか堪えた。
 えーと。
 なんだって?
 今のミルファちゃんの言葉は、どういう意味だ?
「あ、ごめんね。はい、あーん」
 ぽかんと口を開けた俺の仕草を勘違いしたのか、ミルファちゃんは自分の箸でご飯をひとかけらすくい上げ、こちらに差し出す。
「……いや、これはべつに、食べさせてもらいたいわけではなくてね」
 と言いつつ、反射的にぱくり。
 いや、だってせっかく差し出してくれたのに食べなかったら勿体ないし。
 ……なんて咀嚼をしながら心の中で言い訳をしてしまう程度には、俺は『こういうの』に慣れないんだけど。
 それとは裏腹に、『こういうの』に対して周囲から生暖かい視線が向けられない程度には、お馴染みの光景だったりするわけで。
「え? 今日のお弁当美味しくなかった?」
「いやいやいや、そうじゃなくて。さっきミルファちゃんが言ったことが気になってさ」
「さっき?」
「ついさっき言ったでしょ。ほら、その、ダーリンの好みが、その、どうとか」
「あ、『ダーリンの好みの女になります』?」
「そうそう。それってどういうこと?」
「言葉どおりだよ。あたしは、今よりも~っとダーリンの好みの女になっちゃうんで~す」
 ミルファちゃんは、箸を握った手を自分の顔の前にかざして、可愛らしくウインクをしてみせる。それはそれは本当に可愛らしくて……って、ダメだダメだ。いくら可愛くても誤魔化されたらダメなのだ。ここでちゃんとミルファちゃんの意図を問いただしておかないと、またいらぬトラブルを招きかねない。
「どういうことなのか、もうちょっと詳しく聞かせてもらえるかな?」
「ん? ホントにそのままの意味だよ? ほら、あたしって前に、ダーリンがおっぱい魔神だから胸をおっきくしてもらったでしょ?」
「…………………………ええ、はい」
 何故か神妙な受け答えをしてしまう俺。
 だって答えにくいじゃん!
 事実だから否定できないけど!
 肯定するとすっごく負けた気がする!
 そんな心中の葛藤になど気づくはずもなく、ミルファちゃんは続ける。
「だからあたしも自分のおっぱいはすごく気に入ってるんだけど、そういえば他の部分についてダーリンの好みを聴いたことないなって」
「他の……部分?」
「そう。お尻とか腰とかふとももとか、あとは髪型とかかな」
 ミルファちゃんがそんなことを言うので、無意識のうちに視線が動いてしまった。

 ――制服の生地に包まれながらも弾力感を隠しきれていないお尻――

 ――それほど身長が高いわけではないのに出るところは出ていると主張するくびれ――

 ――短すぎるスカートから覗く健康的なふともも――

「……髪型だけ見なかったね、ダーリン」
 バレテルー! デスヨネー!
「ご、ごごごごめん! つい、つい! 出来心で!」
「って、べつに焦らなくてもいいのに。他の子を見てたら嫌だけど、あたしのことだったらいくら見ても構わないよ?」
 でも女の子は視線に敏感だから気をつけてね、とありがたい忠告まで受けてしまった。
 反省しよう。反省しろ俺。

 閑話休題。

「というわけでね、この際ダーリンの好みを知り尽くして、それでその好みに合わせちゃおうかな~って思ったんだ」
「……はあ、なるほど」
 それで冒頭の台詞に繋がるワケか。深……くもないな。うん。
 珊瑚ちゃんの誤解(強調)が原因とはいえ、俺の好みに合わせて自分のスタイルまで変えてしまうミルファちゃんのことだ。
 一般的に考えれば唐突な発想でも、それほど突飛には感じない。
 しかし、そうは言っても、どこまでも本気なミルファちゃんに対する返答だからな。
 しっかりと俺の気持ちを伝えなければならないだろう。
 軽口でおかしなことを言ったら、それを本当に真に受けてとんでもないことになりそうだし。
「あのさ、ミルファちゃん。俺は今のま――」
「あ、ちなみに、男の人が言う『今のままの君でいいよ』っていうのは一番信用しちゃいけないってお姉ちゃんが言ってた」
「……」
 イルファさぁん……。
 耳年増が悪いとは言わないけどさあ……。
 情報ソースが偏りすぎだと思うんだよ……。
「ね、ダーリン。なんでもいいんだよ? スタイルもそうだけど、他にもっとこうして欲しいとか、こうなって欲しいとかない?」
「……いや、でも真面目な話、俺はこれ以上ミルファちゃんにこうなって欲しいとかっていうのはないよ」
「ホントに?」
「うん。だってさ――」
 今だって十分すぎるくらいに尽くしてもらって、罰が当たってもおかしくないくらいだってのに。
 これ以上なにか要求したら、本気で天罰がくだるに違いない。
「――俺はミルファちゃんが最高の女のコだと思ってるし、」
 すう、と息を吸い込む。
 ……せいぜい歯が浮かないことを祈ろう。
「俺にとっては理想の基準がミルファちゃんになっちゃってるから、今さらそんなこと聞かれても困るよ」
「ダーリン……」
 ミルファちゃんの顔が、昼の日射しを受けたのとはべつの理由で、赤く染まっていく。
 おそらく俺も同じように顔を赤くしているはずで――
 やっぱり、歯が浮かないわけにはいかなかったけど。
 それでも、俺たちはどちらからともなく笑みを浮かべて、二人して笑い合った。
 俺たちの春の日は、こんなふうにして、ゆっくりとゆっくりと初夏へ移ろってゆく。


 後日談というか、今回のオチ。
 来栖川エレクトロニクスの研究所に、髪型とスタイルを変えて欲しいと要求するメイドロボが二人ほど現れたとか。
 型番はHMX-17xだったとか。
 その要求は、見分けがつかなくなるからという理由で却下されたとか。
 そんな噂が、

 あったとか、ないとか。

END


【ラノベ】サクラダリセット

2010-04-26 | ライトノベル
サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫) サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2009-05-30

『能力者が集う街、咲良田。記憶を保持する能力をもつ少年・浅井ケイと、「リセット」――世界を三日分、元に戻す能力を持つ少女・春埼美空は、「猫を生き返らせてほしい」という依頼を受けるのだが……。』

 以上、HPから抜粋。

 以下感想。

 普通かなー。10段階でいうと7.5くらいなので、どちらかというと面白い寄りでしたけど。具体的には、あとがきに「初の長編小説」とか書かれているのを見て、「コレ続くの? うーん、続くのかあ……続き読みたいかなあ……?」と悩む感じ。
 構成に関してはレベル高いです。ただ、これは完全に僕個人の趣味になるんですけど、あまりにも"作者の見えざる手"が見えすぎている感じがして しまいました。ラノベに限らずフィクションの作品にこんな文句を言うのは筋違いなのかもしれませんけど、様々な特殊能力を持つ者がいる、という設定の物語において、あまりにもストーリー上のトリックとして使うのに都合の良い能力が集まりすぎているというか。
 主人公の持つ「記憶保持」とヒロインの持つ「時間を三日分リセット」を合わせて使うというのは、この作品のキモになっている部分なのですんなり納得できるんですが。話の導入になっている猫絡みの「猫と意識を共有できる」と、話の結末に繋がる「モノを消す能力」も納得できるんですが。
 主人公の友人の持つ、「未来に声を届ける能力」ってのがどーにもこうにも、ねえ。
 なんかもう、主人公とヒロインと、あとこの友人の能力があれば、どんなトリックにも対応できそうだよなーと、読み終わったあとに思ってしまったんですよね。ソレは少し万能すぎてツマラナイなあ、とも。ちと相乗効果がありすぎるというか、互いの能力の制限に対して有効すぎるというか。ぶっちゃけると、「この話を作りたいがために創設した能力」であるかのように感じてしまう。や、極論を言えば他も全部そうなんですけど、能力の表現の仕方などがコレに関しては特に露骨で浮いてたってのもありました、はい。
 とはいえ、"作者の見えざる手"が見えすぎていると感じたってのは何もマイナス面だけがあるわけではなく、全体の構成がよく練られていたということでもあります。P156における伏線が少し強引かなとも思いましたが、その他はすごく自然に問題の発生から解決までが書かれていました。一冊の中でひとつの話をまとめるだけではなく、次巻以降にも引っ張るであろう過去の出来事をバランスよく散りばめていましたし、そういう意味で、初の長編とは思えないほど完成度が高い作品だったと思います。
 キャラに関しては、個人的な好みをいうと、ツボるキャラクターがいなかったので、ラノベとしてはすげー微妙なんですけど! このへんは椎名優氏のイラストに助けられてる部分もあると思うんですが、僕、この人の絵はあまり萌えを感じないんだよな!(えー
 つうか、こういうのって続き物の弱点ですよね。一巻で全てを明かすわけにはいかないから、どうしてもメインヒロインの描写が上っ面だけになりがち。昨今のキャラクターって、ただでさえ記号化が進んでいるのに、「続き物である」「全てを明かせない」という枷があるせいで、なーんか余計に空っぽに見えてしまう。
 このへんは、物語の構成のほうに力を割いた結果でもあるのかなーとも思うんですけど、僕はラノベでも何でも「どれだけいいキャラを、どれだけ生き生きと動かしているか」って部分が良い悪いの基準になってしまうオタクなので、『サクラダリセット』はちと微妙でした。
 うーん、キャラクター同士のやり取りで笑えないと、やっぱ淡々と進んでいくだけになってしまうよなあ。物語そのものに起伏をつけるか、キャラのやり取りで起伏をつけるか、この作者さんは(この作品では) 前者を選択したってことなんでしょう、きっと。