帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

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車のフューエル(燃料)ポンプを分解してみた

2014年03月20日 | どうでもいいけど、とりあえず

この間交換した パジェロミニの燃料ポンプを分解してみました。

あとどのくらい寿命があったのか知りたいのと、いっそう詳細な構造が知りたかったからですね。

フューエルポンプは基本的構造がどこも同じで、違うのは大きさや 排出容量や圧力。

パジェロみたいにポンプ本体が剥き出しのもあれば、 プラスチックの容器に覆われているものもあり、 しかしながらポンプその物=中身は同じ。

燃圧は レギュレータでコントロールされ、 玉(エンジン)がでかいほど燃料食うので大きなポンプ、小さければそれなりの物となる。

汎用品のポンプも出ていて、 交換するなら大きめの容量の物に交換するのも良い。

ちなみにエンジンパワーをあげようとしていくらポンプ大きくしても無意味、 インジェクターを

交換し、 PT制御(圧力と噴射時間)しているコンピューターのプログラムを書き換えて初めて意味をなすんです。

*大抵レギュレータで燃圧は均一なので、 最大パワー時の供給量以上は燃料使わないし・・・

 

で、何にでも好奇心が旺盛な僕はせっかく交換したのだから、あとどのくらい使えたのか?と言うのが気になって仕方ない。

あと、せっかくバラスのだから、同じく構造に興味のある人も居るかと思うのでアップします。

 

まずポンプを留めているステンレスのネジを取り外す。 同時にホースクランプ弛めてポンプ単体にします。   手前に見えてるパイプは リターンで、レギュレータで制御された燃料がここから戻ります。

でもってフィルターを取り外すのですが、 真ん中の留めとフィルターサイドをドライバーでコジコジ

   

 

フィルターが外れた段階で二箇所採寸。

ポンプ部分は90mm程度、 排出口会わせた全長で 110~115mmくらいです。

太さは30mmくらいでしょうか。

上の電極カバーを取り外して見たりもします。

このポンプについているフィルターはおそらくナイロン製、光に透かしてみましたけど意外に緻密で、かなりのゴミはここでブロックしているのが判ります。

膨らんでいるのでカッターで切って中身を見る。 単な潰れ防止構造です(笑)

さて、その次がポンプの底部で、ドライバーとペンチで無理矢理とっぱずし。

ギアみたいに見えるのがポンプの羽です。 

面白い構造ですよね~ これで燃料が行くのだろうか?と思う方も多いんですが、 流体は粘性があるのが当たり前、エアならこれでは十分に加圧できませんが、 ハイドリックは理論的にこの構造の方が逆圧に強くていいんです。

羽を取り外して、というか割って取り除きます。

すると基本的な構造が見えてくる。 同じような溝が上の部品にも刻まれていて。

ポンプ本体の一番下の穴から入ってきた燃料は赤矢印の処から羽の処に流れ込みます。

ピンク色の矢印の様に溝が切ってあり、そこを羽の凸凹部分で導かれるように燃料が流れて

黄色矢印の穴からポンプ本体の中に流れていく。

ちなみにポンプ一番下の吸い込み部分の裏側はこうなっています。

この写真だと 上の左側に吸い込み口、 そして溝を流れつつ 右上の行き止まりからポンプ内いに流れていく構造です。 ど真ん中にモータの軸受けがありますね。

さてさて、次は回転するコイル部。

これはポンプをぶった切ります。

無理やり本体を開くと コイル部やらマグネットやらが取れます。

まずはブラシ 黄色矢印の小さな部品でカーボン製。 ここから電気がコミュテーター通じて

駆動力をうみだす。

そしてそのブラシをうけるコミュテーター  「あららららら! だいぶ減ってますね~!」

強引に取りだし。

回転子(コイル部)はこんな構造。 なんだこりゃ?という感じだと思いますが、

内部にはコアにきっちり配線が巻かれています。

バラしてみた感じではかなり錆ていました。

ブラシの部分ですが、このように指で押せるようになっていて、これによりコミュテータとの

接触を保ちます。

このブラシ部には燃料の通路があります。 ポンプ内部を通ってきた燃料は赤矢印の穴から 黄色線の通りに流れて行きます。

モータを触ったことがある人なら知っていると思いますが、 DCモータは回転している時に

必ず火花を飛ばします。

あれれ? 待てよ? 燃料はガソリン、 そこに電気火花じゃ~爆発?と普通は思いますが、

実はポンプ内は燃料で満たされ、 言うなれば燃焼のための空気がない状態。

いくら火花飛ばしても 酸素がないんじゃ燃えるはずもないという、 至極簡単な理屈です。

ポンプが加熱しても、周りはガソリンですからすぐに冷却されますし、 ブラシとコミュテータの

接触面も同様で、 ポンプ内部に燃料が通っている限りは大丈夫。

よくポンプの加熱を防止すると言ってタンクの1/4以下にはしないという方もおられますが、

構造判れば意味がないこともお分かりかと思います。

メーカーはバカではありませんから。

*ただし特殊な条件でのみ 本当に微量且つ瞬間的に内部燃焼する事があり、そのためポンプは非常に強固に造ってあります。 理論説明すると際限ないのでこの辺は勘弁を(笑)

さて、最後にコイル部をぶった切ってみます。 巻かれている内部配線がよく分かるかと思います。 

殆どバランスの崩れがなく造られていて、 高回転で長年にわたって稼働する秘密はこれの造り方にかかっているわけです。

僕がなぜ中華製の安物ポンプ(3~5千円)を使わず、中古でも純正のポンプを使う理由はこのあたりの構造が全く違うためです。

いい加減な造りのポンプ入れてレッカーじゃ話になりませんから。

社外品の汎用で良い物をうっているところもあり、それ使ってもいいのですが、今度は

値段が 1万5千円から~3万する 故に2500円の中古なんです。

コミュテーター部分の拡大写真ですが、だいぶブラシによる摩耗が進んでいます。

交換時で17万キロ

これの横を拡大したのが下の写真。 青線の処がトップで、 白矢印の処が摩耗限界だと考えてもよく、 赤矢印のところまで減っているので、約半分というところでしょうか。

これから考えると パジェロミニの燃料ポンプの寿命はブラシとコミュテータだけに限って考えれば25~30万キロくらいだと、そう判断しても良いかとおもいます。

以上、好奇心を満たすための 燃料ポンプ分解でした!

 

 


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