外来魚ひとりがたり

滋賀県立大学近江楽座学生団体
滋賀県大生き物研究会の活動あれこれ

外来魚駆除→有効利用へ ~魚粉作成に着手!!~

2012-09-13 21:37:32 | 研究

ども、リーダーです。

久々の投稿になりますが、

この間私は駆除してきた外来魚をいかに有効利用するか、ということでコソコソ新戦略を計画しておりました。

新戦略というのは、滋賀県でもされていることですが、

駆除した外来魚から魚粉(農業肥料)を作り、有機野菜を作ろう!!ということです。

たまたま、滋賀県立大学のH先生が有機農業に関心があり、

魚粉を作ってみたいという話から始まりました。

先輩に生ゴミ処理機をもっている方がいたのでその方にも協力を頂き、

先日試作第一号が出来上がりました。

試作用に捕獲したオオクチバス1.5kgからできた魚粉300gです。

魚粉といっても、水分を飛ばしてバスを粉々にしただけのものです。

しかし、生では非常に臭いオオクチバスですが、魚粉になると

ほんのり『魚のふりかけ』のような香りに!!

魚油が少し出ていますが、そこがまた良い肥料になりそうです。

重量が原料の1/5になるため、十分に利用するほどの肥料を作るにはそれなりに外来魚を確保する必要があるかと・・・

これからの時期、当歳魚のバスが多く採れるのでそれらを利用していければと考えています。

この魚粉は、滋賀県大BASSER'Sと同じ近江楽座プロジェクトである『とよ○らだ』という野菜作りサークルに提供し、『琵琶湖の外来魚からできた野菜』を作ってというブランド化する予定です。

また後日、外来魚から魚粉になる過程を分かりやすく紹介させて頂こうかと思いますので。

 


バスにBASSにばすにバス…解剖の日々(グロ注意) 

2012-05-07 18:43:00 | 研究
どもども☆技術担当者です

GWおわっちゃいましたね~
季節が過ぎるのは早いものです;

さてさて、先日、4月29日に神上沼で捕獲したオオクチバスの解剖について、
遅れましたが投稿します

解剖の相手は、10%ホルマリン腹腔注射をしたオオクチバス(体長300㎜超えの個体)たち...

大物どもがゾロゾロと…最近、私の魚の大きさの感覚がおかしくなってきています;

さあ、今回の解剖の内容ですが、

1.全長・体長・体重の測定

2.胃内容物の同定・重量測定(被食生物ごとに測定)

3.生殖腺重量の測定(→GSIでるかなぁ)

4.耳石の摘出

です

書いてみると色々やっているなぁって思いますが、基本です。

とりあえず、ここから、




           “グロ”注意!!です 





こやつらです


測定板に乗せて全体長を測ります


胃内容および生殖腺を見るために、お腹を割ります。

↑これはメスなので黄色い卵が見えますね☆


↑オスが白い精巣があります。ちょっと隠れていてこれは見にくいですが、
本来は浮き袋に張り付く形で白いのが2つあります。人と同じです(笑

ここからが大仕事!!
耳石の摘出です


まず、頭だけにします。人によっては尾頭付きで頭をかち割る人もいますが、
私は頭だけにしてかち割る方が楽です。

↑かち割った頭です。
ピンセットの先に耳石があります。その前にある白っぽいのが脳みそですね☆
場所は目の横、脳の後ろに耳石がに2つあります。人と同じです


↑これがバスの耳石です。石のように堅く、骨とは違う堅さです。
これに年輪のような輪があって、それによってそのバスの年齢が分かるのです。
(年齢以外の情報も盛りだくさんですが)

↑採集日・場所・標準体長を記載して保管します

これは体長300㎜以上の個体なので、大きいですが、
普段捕れている20㎝くらいの個体はかなり小さく、薄いので割れやすく、探しにくいです;

取り出した耳石は小袋に入れて70%エタノールを入れて保管します


すべて作業が終わったバスはゴミ袋に入れて処分します

実験台や器具をきれいに掃除・片付けて(においは残りますが;)、
ふぅって感じで、解剖作業は終わりです

以上、オオクチバスの解剖でした。

解剖~脾臓?~

2012-04-27 22:18:15 | 研究
お久しぶりです(^^)
のぶです。


今回は、4月21日に行われた定例会で捕獲した外来魚(オオクチバスとブルーギル)の解剖作業の報告をします。
解剖は24日に行いました。

捕獲した個体は

これですね。

産卵の時期とあってさすがにデカイです。
今後の活動でもさらに捕獲できるでしょう。

18時にいつもの実験室(U先生、研究室の皆さまいつもありがとうございます)に集合して作業開始です。

今回の参加者は、リーダー、つー、まいさん、僕、そして・・・
新入生が2人も来てくれました\(^o^)/
一人は21日の定例会にも来てくれており、もう一人は「解剖!」と聞いておもしろそうだと来てくれたみたいです。

まず、全長・体長・重さを測ります。


そして解剖の開始です。
まずリーダーによる新1回生向けの模範演技
そして魚の部位の説明がありました。
実は私も解剖は初でしたので、1回生に交じり聞き入りました。



「これが脂肪」
「これが精巣」
「これが胃」
「これが浮き袋」
「これが脾臓」

と説明が進む中新1回生から
「脾臓ってなにするところでしたっけ?」
との質問があり我々新3回生は
「・・・血液を作るところ?」

正解は、人においては免疫機能・造血機能をもち、また血液の破壊・血液の貯蔵などを行う臓器のようです。
(by Wikipedia)

新一回生のなんでも吸収しようとする姿勢は、我々にとってよい刺激となっています。


そんなこんなで作業を進めていくと胃の中から・・・



ホンモロコやフナがきれいな形をしたまま出てきました。
食べたばかりだったのでしょうか。
こういう光景を直に見ると、改めて在来種への影響の大きさを感じます。

また、メスは大きな卵をお腹に抱えていました。
危うく産み落とされるところでした。

最後に耳石(年齢がわかる、木の年輪のようなもの)をとって終了です。
だいたいの工程が終わったときに新1回生を帰し、最後は新3回生だけで行いましたが、実験室を出るときはまもなく21時でした。
これでも数個体は解剖できませんでした。

しかし、解剖が大変だからと言って捕獲の手を抜くことはできません。
いかにこの時期に産卵個体を捕獲できるかが駆除の効果に大きく影響を与えることは言うまでもありません。

解剖しきれないくらい捕獲できるよう、これからも定例会がんばっていきます。

お魚解体@らぼ。

2012-04-17 23:28:41 | 研究

こんばんは!
お久しぶりです、つーです!

今日、4月15日の活動で捕獲した
外来魚たちの解体を行ないました!

この魚たちですね!!!


参加したのは、ひえちゃん、リーダー、まい、僕でした!

大型個体が多く解体しやすい!

ひえちゃんは初めて魚をさばくとのこと。。。
見た目に反しておどおどさばいてて微笑ましかったです♪


ひえちゃんは途中で用事のため、さよなら!

そこからは新3回生、3人でもくもく、、、

僕はひたすら解体、
リーダーはひたすら耳石摘出、
まいは書記、書記!!!

やはり産卵期。
大型個体は大きな卵を持っていますね!



これらがすべて産みつけられていたらと
考えるとぞっとしますね。。。


ちなみに活動時、投網で2匹同時に
捕獲したのですが、やはりオスとメスで
ペアリングしていたと考えられます!!

また胃の中にも
ホンモロコなど在来種がちらほら。

外来魚の脅威を思い知る瞬間ですね。


まだまだ産卵期。
今月は気合い入れてがんばりますよー!!


毎回らぼを貸してくださるU先生、
この場をお借りして感謝申し上げます。

また研究生の皆様、かぐわしい香り
申し訳ありませんでした。笑




調査まとめ その2 ~外来魚の捕獲場所と捕獲数~

2012-02-15 13:41:04 | 研究
こんにちは。技術担当者です

滋賀県立大学がテスト期間であったため、先週は更新が滞っていました;

今回は、バサーズがこれまでオオクチバスやブルーギルを捕獲してきた場所とその捕獲数について紹介します。


まず、バサーズが用いている駆除手法です。

投網をメインに用いていて、場所によって刺し網も使います。
これまでに約80~90㎏の外来魚を駆除してきました。


では次に、その外来魚の捕獲場所と捕獲数についてです。

私たちは神上沼で駆除活動をしているわけですが、
ただがむしゃらにどこでも捕獲しているわけではありません。


神上沼において、環境の変化がある場所ごとに分けて、それぞれの環境でどれほどの外来魚がいるのか、調べています。
神上沼をそうした環境要因ごとに調査地点を12地点に分けて、それぞれの場所で調査しています。


同じ場所、同じ方法で定期的に調査をすることで、魚の季節による移動傾向などの生態が分かります。

また、捕獲場所を分けることで、どこに多く外来魚がいるのか、ということが分かります

神上沼は湖岸道路に2分割されており、東側を上沼、西側を下沼と呼ばれます。

環境としては、上沼は水深が2m程度と深いのに対し、下沼は水深が1m程度と上沼に比べて浅い水域です。

一年の調査の結果、水深の浅い下沼よりも水深の深い上沼の方で多くの外来魚が捕獲されました。水深が深い方が外来魚は多いのかな?
また、地点ごとに捕れた魚の数が変わりますし、時期によっても変わりました。

こうした調査結果から、外来魚の多い場所、外来魚の季節の移動傾向などが分かります

そうした神上沼における外来魚の生態を把握することで、より効率良く駆除ができるのです

先日、7張もの投網をいただくことができましたし、これからはもっとたくさんの外来魚を駆除できそうです

春からも頑張っていきまっせ

次回のバサーズの神上沼での活動は2月21日で~す