外来魚ひとりがたり

滋賀県立大学近江楽座学生団体
滋賀県大生き物研究会の活動あれこれ

第7回外来魚情報交換会 ~爽やかな知識の風~

2012-01-30 23:01:06 | イベント
技術担当者です。

第7回外来魚情報交換会に1月28日、29日に滋賀県大BASSER'Sも参加してきました。
我々の代表もバサーズの約1年間の活動記録について発表をされました。


私としては、他の学生団体の活動、また研究者の方々が行った駆除技術に大変興味が湧きました。

他の学生団体は、福島県で活動されている高校生物部、奈良県で活動しているバスバスターズ、淀川城北ワンドで駆除活動している学生団体があり、それぞれの事例を学びました。
いやぁ~、我々もがんばっているなぁと、他の団体を知ることで評価できました。


技術担当者としてはつり下げ式人工産卵床や叩き網漁法や、産卵期の親バス釣りの手法など、駆除技術を知ることが出来て楽しかったです。

活動に慣れてきたバサーズに爽やかな知識が入ってきて、みんなの意識が高まったみたいです。
私も投網や刺し網の入れ方をよりいっそう気合いを入れて伝授していかねばっ!!!
私ができるのはせいぜいそれくらい・・・

魚の種類についてはゼゼラとビワヒガイの違いやタナゴとボテの違いが分かりません。
技術と知識のGive&Takeですね

とにかく、今回の外来魚情報交換会はとてもタメになりました。
これからもバサーズの一員として頑張って行きたいです。

タナゴの紹介 ~イチモンジタナゴ~

2012-01-28 23:31:06 | てらのお魚コーナー

お元気ですか。覚えてますか。てらです。


今日は外来魚情報交換会に参加してきました。
いろいろとためになるような話や興味深い話を聞くことができてよかったです


そんなこんなで久しぶりにブログ更新するので、僕が愛して止まないタナゴについて書きます。
タナゴと一口に言ってもたくさんいますが、その中でも今回はイチモンジタナゴについて紹介します。



イチモンジタナゴは環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠA類、滋賀県レッドリストで絶滅危惧種、滋賀県の「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」で指定希少野生動物種に指定されています。

近年は魚食性の外来魚の侵入などの影響で生息数が減少しており、滋賀県では捕獲禁止となっています。

イチモンジタナゴは、流れの緩やかな河川や池などに生息しています。



上の写真がイチモンジタナゴのオスです。画質が悪くてごめんなさい

僕の地元である岐阜県で捕獲しました。確認のためにもう一度書きますと、岐阜県産のイチモンジタナゴですよ。

イチモンジタナゴは滋賀県の隣に位置している岐阜県では捕獲禁止ではないなんて、なんか不思議な感じです。

もともと岐阜県に生息していた在来のイチモンジタナゴは既に壊滅的な状況でほとんど生息していません。
しかし琵琶湖産の小鮎を岐阜県に放流した際に混じっていたのか、滋賀県産のイチモンジタナゴが現在岐阜県に多く生息していると思われます。


ここで、タナゴは産卵期になると、オスが婚姻色を出すという特徴があります
タナゴの種類によって、その婚姻色は違います。

イチモンジタナゴの婚姻色の最大の特徴といえば、写真のように体の側面に青っぽい色の線が入ります。
この線が漢数字の一に見えることから、一文字(イチモンジ)タナゴと名づけられました。


また、オスの婚姻色には、臀びれ、背びれが白色になったりするので、また魅了されるわけです。
写真からも見て分かるように、イチモンジタナゴはタナゴの中でも体高が低いです。下の写真もイチモンジタナゴです。



僕がイチモンジタナゴを捕獲した場所にはヤリタナゴも捕獲され、おもしろいことにイチモンジタナゴとヤリタナゴの交雑種(ヤリモンジタナゴ?)も捕獲されました。
捕獲されたヤリモンジタナゴは、頭が丸く、臀びれの付け根が長かったです。

やはり、イチモンジタナゴのすばらしさといえば、体の側線はもちろんのこと体全体が紫っぽい色になることです。これがもう何ともいえません


それでは、次に更新するときにお会いしましょう




調査まとめ その1 ~体長組成~

2012-01-26 10:42:56 | 研究
技術担当者です。

バサーズが神上沼で活動を始めてからもうすぐ1年になります。
そろそろ、活動で得てきたデータをまとめようではないか

とりあえず、ボチボチっとデータをまとめてアップしていきます

まず、今回はデータまとめの基礎中の基礎!『体長組成』です。

体長組成とは、捕れた魚の体長(上あごの先端から脊椎骨の末端までの長さで尾びれは含まれない)を頻度ごとにまとめたものです。
つまり、どんな大きさの魚が多くいるのか、を示すものです。

「体長」ですので、普段釣り人が使っている「全長」より小さくなっています。
ちなみに、体長で380㎜というと、全長では450mmくらいです。


まずはオオクチバス(n=534)←この「n」というのは、データの基になった個体数のことです。つまり、オオクチバスは534尾からこの体長組成表が作られているっていうことです。
 


110~130mmの0~1歳魚が多くいます。
でも、350mmを超える大きな魚も捕れています


次に、ブルーギル(n=777)


70~90㎜の大きさのブルーギルが多いです
この大きさでも、卵を持っています。

調査をしてみると、一見しただけでは分からないことが分かってくるので楽しいです。
「神上沼にはそんな大きさの魚が多いんだなぁ~」って科学的に(?)分かります。

以上、体長組成でした。

活動初め!

2012-01-22 22:41:35 | 活動記録
つーです!


1月22日、本年初活動してきました!


メンバーはリーダー、
みっちゃん、佐竹、僕でした!

レポートに追われたり、
体調を崩したりで参加数は
少なめでした。。。


今日は絶好の活動日!
ポカポカしてました!

しかし、沼の中は
そうはいきませんでした。。


まず、お魚キラーと
刺し網を設置しました!


そして、ひたすら投網(^-^)/

が、
採れるのはちっさなギルばかり!
ちっさいのに採れて驚きましたが!

リーダーが体長30cm程度の
フナを採りまして、みんなの
やる気もやや上昇!!!

投げて、投げて、投げる!
そして、破る((((;゜Д゜)))))))

1人寂しく投網直し。。。

直って、腹いせ&試しに一投!

45cm程度のバス、採りました!
越冬個体でした!いるんですなぁ!


お魚キラーは、全滅。。。

刺し網はギル1尾。。。

ちょっとさみしい結果に^^;


そして、地元のおじいさん方に
投網の練習が足りんとお叱りを受け
トボトボ帰りました。。。


本日の結果は、
バス1尾、ギル10尾弱、
フナ、ワカサギ、オイカワ稚魚
でした(^-^)/


これからも続けていきますよー!


では!





特定外来生物「飼育禁止の魚」 ~オオクチバス~

2012-01-20 19:00:40 | 雑談
こんにちは。リーダーです☆

今日は私の専門の外来魚「オオクチバス」についてお話ししますバサーズでは毎回駆除対象として捕獲しているオオクチバス(通称:ブラックバス)。

全国各地でバス釣りもされていますね。
今や釣り人に限らず、一般の人たちの間でも「ブラックバス」呼ばれ、馴染み深い魚になっております

また、オオクチバスは外来種としても有名ですね
日本の生態系に大きな影響を与える外来種を特に『侵略的外来種』といいます。ブラックバスやブルーギルも侵略的外来種です
琵琶湖でも在来種の食害被害がありますもんね~;


しかし、オオクチバスという魚が法律で取締が行われている魚ということはあまり知られていません



みなさん、特にバサー(バス釣りをする人のこと)の方、現在ブラックバスを飼育していませんか?



2006年に施行された『特定外来生物法』という法律では、オオクチバスはブルーギルと並んで原則飼育が禁止されています


特定外来生物法では、侵略的外来種の中の一部の生物を『特定外来生物』として、飼育/栽培・生きたままの運搬・輸入・野外に放つことなどが原則禁止
しています。

オオクチバスやブルーギルを無断で飼育していた場合、
個人では懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金が科せられます

間違って飼育しないように、お気をつけ下さい



↑私が飼育しているオオクチバスです

え?!法律違反!?  
違います。私の場合は、学術研究目的ということで、農林水産省に正式に申請して飼育許可を得ています
私はバスを飼育し、バスが捕食する餌に対して趣向性があるのかどうか、またどれほどの量の魚を食べるのか、といったことを現在飼育実験しております。


↑飼育許可証

基本的に一般の方がペットとして飼育する目的では飼育許可を受けることはできません

「バスが可愛いから」といって無許可で飼育すれば、非常に重い罰則を受けることになりますので、バサーの皆様、オオクチバスを扱う際には法律にも気を配ってください。





《飼育問題ではありませんが、オオクチバスに関係するニュースをお知らせしておきます》
平成21年8月20日 日経新聞夕刊 より
 
ブラックバス運搬容疑 逮捕 大阪の男「彼女に見せたかった」
 
 特定外来生物のオオクチバス(ブラックバス)を生きたまま車に運んだとして、奈良県警吉野署は20日までに、大阪市生野区生野東の電気工事士、中田盛央容疑者(42)を特定外来生物法遵反容疑で現行犯逮捕した。容疑を認め、「釣った魚を彼女に見せたかった」と供述しているという。
 オオクチバスは特定外来生物に指定されており、生態系を壊す恐れがあるため、運搬や飼育が同法で禁止されている。県警によると、生きたバスを運んだとして、逮捕されたのは全国でも珍しいという。
 逮捕容疑は、19日午前11時10分ごろ、奈良県下北山村の池原ダムで釣ったオオクチバス2匹を生きたまま、水を張ったクーラーボックスに入れ、車に運搬した疑い。