南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

精霊流しで夏が終わる長崎

2010-08-16 11:30:38 | Weblog
昨夜は長崎で精霊流しが行われた。
子供の頃は毎年この精霊流しを見に友人たちと出かけたものだった。
初めて精霊流しを見た人は必ずびっくりする。
ほとんどの人はここまで派手に爆竹を鳴らしてやる行事だったとは認識していない。
今でこそ規制が厳しくなってずいぶん安全なお祭りになったが、昔はそれこそ見物するのも命がけみたいなとこともあった。
今では禁止されているヤビヤが四方八方から飛んできて見物人の人ごみを平気で攻撃するわ、爆発で鼓膜が破裂したとか火傷を負ったってのは珍しくもない話だった。
今では禁止されているおくんちの出し物の様な船廻しも豪快に行われていて、酒に酔っ払った担ぎ手がやるもんだから警察さえも止めることができず、ぶっかった隣の船との喧嘩もよく起こっていた。
昔の精霊流しを知っている僕らからすれば今の精霊流しなんかとても穏やかに感じる。
さだまさしの『精霊流し』の歌とまでは行かないが結構お行儀の良いお祭りになったもんだ。

今年の夏は例年になく猛暑続きで15日過ぎてもこの暑さはいっこうに収まることはない。
しかし、長崎では精霊流しが終わると夏が終わるとされている。
毎年この賑やかな精霊流しを見ながら長崎人は「これで夏が終わったばい」と感慨深く思うのである。
だから16日からはどんなに暑くたって、もう夏じゃないのである。
精霊流しが終わればそれはもう残りもんの夏であり、本当の夏ではないと慣習として長崎にはある。
細かく言うと精霊流しが終わった時点で長崎人の心は「長崎くんち」に飛んでいるのである。
街中には何千隻もの精霊船が流れるが、その最後尾の船のすぐ後ろからは道を埋め尽くした花火などのゴミを清掃作業員たちが手早く掃除をして行くが、そこにふーっと風でも吹こうもんなら夏の終わりの哀愁を感じてしまうのもまた長崎人なのである。




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