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脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

それは、ある債務者の母へ連絡したことが始まりでした。

2015年10月07日 10時13分09秒 | わが半生
昭和58年7月に布施支店へ異動となって秋の頃でした。当時は延滞91日以上を管理センターへ移管されるルールでした。支店の評価は主に営業成績で翌月の移管残高が増えると翌月月初に、その分、残高からマイナスされるため営業に影響が大きく、また期日管理と移管も支店評価に影響するため移管は抑えなければなりません。布施支店は融資残高も多くブロック内での影響度も大きいのです・・。そんな、ある月、相当数の移管対象となる、お客様が発生したのです。私は移管抑制の主担当でしたので正直、焦りました。もう一度、後輩から引き継いだ債権を1件1件丁寧に見て回収できそうな債権の優先順位をつけていると・・【勤務先・・○×企画 住所 H市】??社名の後ろに企画が付いていたのです。(まさか・・)私は嫌な予感がしたのです。一応、後輩のK君に内容を確認すると『債務者本人は退職したんです。自宅は行ってみましたが表札もありませんし・・転居したか・どうか?』私は台帳内の書類を確認しました。借用証に申込カード、顧客との連絡カードに住民票・・あれ?『K君・・督促状は勿論、出してるやんな?』私の問いに『はい・・普通郵便ですけどね。』転居している場合、通知は郵便局から【あてどころ尋ねなし、又は転居先不明で配達できない】として返送されてきますが返送戻りの封書は台帳内にはありませんでした。『近隣の調査は?』K君に尋ねると連絡カードに記録した通り近隣を航空地図で債務者本人の自宅周辺、マンション等の集合住宅に居住してる場合は航空地図の最後の明細ページから集合住宅の入居者氏名を確認する作業である。フルネームであれば番号案内の【104】当時は無料で電話番号を確認し近隣者へ直接電話して債務者本人の動向を探るのである。『そのマンション・・明細を見たんですけど空白ばかりで・・もちろん、自宅へ訪問しましたが、どこの部屋も表札に名前を書いてないんでよ。』K君も困った表情で私を見るのですが・・『残高は・・え?30万円も貸してる・・もう・・』支店長は貸付を増やし支店業績を上げるため少々の基準違反を犯しても貸付することは当時、あちこちの支店で行われていました。この債務者の属性から言えば貸付してはいけなかったのです。(もう・・頼むで・・回収すんの俺らや・・貸すのは簡単やけど回収、どんだけ、シンドイと思ってるねん!!)そう心の中で叫びながら書類を見ると免許証の写しと国民健康保険証の写し・・この2点を本人確認資料として貸付していました。社会保険証は一般の会社勤めが持っている健康保険証でピンク色。証券取引所に上場してるような会社は会社独自の健康保険組合や繊維や流通など産業独自の健康保険組合は白色、あと公務員等の共済組合の3種類に自営業者等が加入する国民健康保険証があります。この債務者は国民健康保険証で勤務先の業種は贈答品の卸販売と本人は申告。私は試しに・・勤務先へ電話してみました。移管前には再度、一通りのセオリーを行うのが鉄則。退職した・・と言われても、意外と少したって復職していたり、退職したと言った従業員の勘違いであることもあり、極マレに移管前に電話すると本人が在籍!ということもあるのです。RRRR♪コール音のあと『はい○×企画。』低音の男性でした。(これ・・ヤバイんちゃうん?)『お忙しいところ申訳ございません。そちらにSさん、いらっしゃいますでしょうか?』私は、もしか?もあって極めて丁寧に電話しました。『S?・・・』少し無言になったかと思うと『Sは、もう 居れへんで。何の用?』男性は質問してきた。『いや・・いらっしゃらないのでしたら結構です。失礼します。』私は一方的に電話を切った。『K君・・これ、ちょっと、おかしいな。』電話を切ると私は隣に居るK君に呟くと『やっぱり・・おかしいですよね?ボク、勤務先に行ってきましょうか?』私は、そう言うK君に対し『いや・・まだ、ええわ。今夜、ここの実家に俺が電話してみる。』申込カードの家族欄に記載されている場所を指さしK君に言うと『ここ、実家ですよね・・んと・・お母さん??でも年も年ですよ。お母さんに代払いをお願いするんですか?』実家の母親は高齢で、おそらく年金での生活。当時、息子の借金に対し親としての道義的責任を穏やかに伝えて親が支払ってくれるケースは決して少なくありませんでした。『いや、代払いは求めへん。まずは本人と連絡があるか?どうか・・確認するだけや。』私は、その日の夜、残業し実家の母親宅へ電話しました。RRRRR♪”ガチャ”『はい・・Sですけど・・どちらさまですか?』年配の女性の声であった。