プリウスが一番苦手と思われる、コールドスタートでの燃費実力。
その実力はカタログと比較してどんなものだろうか?
朝です、0゜cです、寒いです
※ここで表示する燃費データは、あくまで私の走行環境で出せる燃費データである事を、前もってお断りしておきます。
個人的には「エンジンが暖まるまで、その車の燃費は実力どおり発揮できない。」と思っています。
10.15モードの燃費測定では、測定前に15分暖機運転しているから、どの車でもそうですが「ベストな燃費が出せる状態」になっていて測定に入ります。
プリウスの場合、そこでバッテリーは十分充電されてフルにモーターのアシストが出来る状態になっているわけですね。
では、その15分の暖気運転分をコールドスタートで走ってしまったら、実燃費にどんな影響を与えるのか?
この冬場での新型プリウスの代車は、プリウスの実燃費を試すにはまさにベストタイミングでした。
昨年末の週末に代車を借りたので、2日続けて出勤時の測定をしています。
他車が多くて条件の悪い平日と、他車が少ない好条件の休日出勤。
結果は途中僅かに平日がリードしたものの、結局休日の燃費が勝りました。
尚、出勤時の到着燃費だけでなく、細かく区切って燃費をみてみました。
参考にシエンタと比較してみましょう。
その結果がこちら。 ピンクがプリウスで黒がシエンタ。
これらのチェックポイントは信号のある交差点です。
シエンタは-3゜cでの休日出勤だったので、始動時温度に関してはプリウスに比べ不利でした。
冷えている間プリウスのエンジンは回りっぱなし。
8km少し前のチェックポイントの交差点まで、停止中でもエンジンは回っています。
走行中のアクセルオフでも、エンジンが止まっている様子は余り見られませんでした。
それまでは、当然発進加速時もエンジンは回り続けています。
カタログ燃費測定では「モーターだけの発進」が主体のプリウスですが、それができません。
プリウスもそうですが、殆どの車が「エンジンが温まった状態」にならないと、「カタログ燃費」に近い燃費実力が出せないわけですね。
0゜cでのコールドスタートの場合、エンジンが暖まるまでの15分で、プリウスの燃費は20km/L近くのレベルまで落ちてしまっている、と言える結果ですね。
それでも1.5Lのシエンタに比べ1.8Lのプリウスの方が燃費が良い。
コールドスタート直後のプリウスの燃費はシエンタより悪いと予想していましたが、そうなりませんでした。
その辺はトヨタの技術陣は頑張ったのと言えるのではないでしょうかw
(シエンタのこのグラフは、後半途中データをメモできていません)
燃費グラフの解説をもう少し。
最初のチェックポイントまで、殆ど50~60km/hで止まらないで走れます。
最初と2番目のチェックポイントの燃費が余り変わらないのは、途中登り8%、下り5%の小さな峠を越えるから。
(ここは登りを60km/h維持、下りは殆どアクセルオフ。)
12km前のポイントまで燃費が上昇しているのは、全体的に道が下り坂で、エンジンも暖まってきているから。
(その間は信号3・一時停止2・踏み切り1箇所で止まる以外、ほぼ60km/hで走行。)
その後は一気に8%の登りで燃費が落ち、それからやや下り坂の片側2車線の平坦路が続きます。
走行速度は70km/hまで上がりますが、信号がぐんと増えてしまい他車も多くなるので、ストップ・アンド・ゴーが厳しい道になります。
その点、エンジンが暖まってからのプリウスには有利な道になります。
プリウスは2回目の休日出勤時の測定で、最終的には20.9km/Lの結果。
写真では、一番下の真ん中の数値です。
休日だったので平均速度は36km/hと、代車期間全体での平均速度より上になっていますw
シエンタがプリウスとほぼ同程度の燃費を出したのが、外気温7゜cでの場合で、最初のチェックポイント3.3km地点。
しかし、その後はどんどん差がつけられてしまっています。
ちなみに、このシエンタのデータは平日なので燃費には不利な条件なのですが、気温が暖かかったので、ゴールでの燃費は休日より良い。
外気温7゜Cのシエンタの燃費推移をプリウスと重ねたグラフ。
後半に行くにしたがって、モーターの力を利用できるプリウスが徐々に差をつけていくのがわかります。
シエンタの燃費が後半落ち込んでいるのは、平日なので信号待ちが増えてしまっている為です。
しかし、カタログ燃費では倍近い数値を示しているプリウスに比べると、その差がそれ程広がりません。
以前片道3.5kmの通勤で2代目プリウスを使っている同僚の燃費が、14km/Lくらいというレポートを過去に書いた事がありますが、3.5km近辺の燃費は、近い数字になっています。
シエンタのデータだけで比較すると、気温の差がはっきり現れます。
後半に行くにしたがって差が詰まっているのは、平日と休日の道の混み具合の違いもあると思いますが、最初のポイントで4km/L近い差が付いてしまう。
そして、その後燃費が追いつかないままゴールしています。
コールドスタートの燃費への影響は少なくないですよね。
カタログ燃費に対するコールドスタートの悪さを簡単に書いてしまえば、
プリウスはエンジンを止めた状態で多く走って出した燃費がカタログ燃費。
だが、コールドスタートではエンジンが回ったままの状態が増えてしまうので、燃費が悪化する。
シエンタはエンジンが1000回転の状態で60km/hで走る。
止まっている時でもエンジンは600回転でアイドリング。その走り方で出した燃費がカタログ燃費。
コールドスタートでは2000回転回さないと60km/hが維持できないし、止まっている時でも1200~1500回転エンジンが回ってしまうので、燃費が悪化。
ということでしょうね。
でも、1.8Lのプリウスがこの20km/Lを越える燃費が出せるのは「凄い」と思う気持ちはあります。
しかし、コールドスタートの影響は、大きそうですね(^^;)
では、エンジンが暖まっているホットスタートの場合、燃費はどうなのか?
それが次の記事です。
以下、余談です。
でも、「カタログ燃費は何なのさ!」と言いたくなる現実が、私には存在していました。
それが、我がエコスポーツのKeiワークスです。
Keiワークスの休日0゜cでの出勤時のデータを載せます。
(ちなみにカタログ燃費は19.6km/L)
水色のマークで示したKeiワークスは、他車と信号に邪魔される事の少ない12km地点まで、プリウスを上回る燃費を出しています。
エンジンの暖まりの良いKeiワークスは、最初のチェックポイントでエンジン水温は70゜cを越えています。
5kmのチェックポイントでは、いつもの燃費性能が出せる状態90゜cになっているのです。
春~秋の温暖な気候の場合、この3.3kmポイントで20km/Lを超えてしまいます。
エンジンを掛けてから1分程度暖気運転時間は有るけれど、そのまま走り続けられる環境があってこそ成せるデータです。
通常ならアイドリングが800回転程度のKeiワークスも、始動直後のアイドリングは1500回転で回ってしまいますから。
最終燃費でこそ負けましたけど、冬場の10km未満の郊外での通勤なら、Keiワークス優位(笑)
もっとも、プリウスに乗る以前に冬場の休日に何度と無く出勤して燃費を見ているので、途中までは「プリウスに勝てそうw」と思っていたのですけどね(笑)
ちなみに、写真こそ撮っていませんでしたが、6月の休日出勤時のKeiワークスは25.38km/Lを記録しています。
今度その機会があれば、写真を撮ってアップしたいと思いますw