縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

コアラの陰謀? ~ FSCと植林

2006-08-26 23:59:00 | 環境を考える
「うちの会社、FSCの認証機関もやっているんです。」、と知人。
「?」、と怪訝そうな顔の僕。
「(なーんだ、おまえ知らないのか、と思いつつも顔には出さず)FSCってドイツに本部のある世界的な組織で、紙製品などが違法伐採した木材などを原料に使っていないことを示すお墨付き、マークなんです。」、と説明する彼。

 環境問題についてブログを書いているのに、恥ずかしながら、FSCについては知らなかった。帰って、早速インターネットで検索してみた。
 「FSC (Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、世界中全ての森林を対象とし、環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的とし、一定の評価基準により適切な管理がなされている森林を認証する。また、このような森林から産出された木材・木材製品に独自のロゴマークを付け、認証を受けた森林から来ていることを保証する。」とあった。
 現在の認証の状況は、全世界で72カ国、839カ所、認証面積76,538,363ha、内日本は25カ所、認証面積277,436haだそうである。森林の認証とともに、COC認証という紙製品に対する認証、FSCのロゴマークもある。これは、その製品の原材料である木材やチップが、森林から生産・加工・流通過程を経て最終消費者の手元に届くすべての段階で、確かにFSC認証材料を使っていると証明するものである。日本では336件、今話題の紙パルプ・メーカーや、印刷、住宅関連の企業が取得している。

 わが国は世界最大の木材輸入国である。木材自給率は2割弱に過ぎない。また、紙や段ボール等の原材料を見ると、6割は古紙(これは世界的にも極めて高い水準であり、リサイクルの優等生である)、3割は輸入(木材チップや製品パルプの輸入)、1割が国産であるが、元々の古紙の由来というか原料まで考えれば、8割強が輸入、裏を返せば自給率は同じく2割弱である。わが国は木材輸入大国としての責任において、FSCの活動に真摯に取り組むことが世界から求められている。

 こうした中、紙パ・メーカーは単にチップを輸入するだけでなく、海外で自ら植林することにも力を入れている。既に海外9カ国で39万haの植林を行ったという。FSCの認証を受けた植林も多い。いずれ伐採しチップとするための植林ではあるが、CO2 吸収に一定の効果はあるだろうし、なにより自然林を伐採するよりは良い。
 ただ、一つ気になる点が。それは植林する木がほとんどユーカリである点だ。ユーカリはオーストラリア原生で、極めて早生、7、8年で成木となる。これが好んで植林に使われる理由だが、ちょっと待って。オーストラリア以外の国、南米や中国に持って行っても問題はないのだろうか。早く育つということは養分の吸収力が強いということだろうし、他の動植物、生態系に対し影響はないのだろうか。コアラは喜ぶかもしれないが(これぞコアラの生き残り戦略?)、ちょっと心配である。
(因みに、気候風土が合わないのか、日本ではユーカリはあまり育ちません。)

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