縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

わが国の医療はどうなる?

2006-04-16 23:58:00 | 最近思うこと
 2ヶ月程前から猫を飼っている。ちょうどこのブログを始めた頃だ。もう19歳近く、人間でいうと90歳を越す、おばあちゃん猫である。妻の実家の猫を引き取ったものだ。
 この猫の調子が悪くなり、今日、生まれて初めて動物病院に行った。義母から、猫に保険はないので病院代はただでさえ高いし、一見さんだとぼられることがあるから注意するようにとのアドバイスを受け、心して病院に行った。

 確かに高い。注射と薬に血液検査を行い、〆て1万5千円近い金額だ。やはり、日本の医療保険制度、国民皆保険は凄いと改めて認識した。猫と人間を一緒にするな、と思われる方もいるだろうがご容赦願いたい。国民皆保険というのは世界的に極めて珍しい制度なのである。
 わが国では、赤ちゃんであろうとお年寄りであろうと、皆、当たり前のように健康保険に入っている。しかし、例えばアメリカはどうか。アメリカの公的医療保険は、高齢者向けのメディケアと低所得者向けのメディケイドしかない。多くのアメリカ人は民間の保険、HMO(Health Maintenance Organization)に加入するか無保険かのどちらかである。企業の補助などによりHMOに加入できる人間は恵まれている。
 元々アメリカの医療費は概して日本より高い。したがって無保険の者は病院に行けないし、行くとしても教会など慈善団体の医療施設かERということになる。ERは来た患者への治療を拒むことができないからである。

 さて、今日動物病院に行って知ったのだが、民間の動物(犬、猫、鳥、うさぎ、フェレット)向け健康保険が2000年に発足したそうである。感じとしては健康保険とがん保険を合わせたような制度である。つまり、毎月保険料を支払う代わりに病院代の50%を負担してもらえる仕組みである。民間の保険なので、加入に当たって獣医による審査が必要なケースもあるし、年齢制限もある。勿論、うちのような老猫は加入できない。犬や猫の新規の加入は8歳11ヶ月までとある。19歳など、てんでお呼びではない。
 おそらく、この保険に入っている人(ペット?)はまだまだ少ないと思うのだが、動物病院は結構混んでいた。そもそも“病院”といいつつ、日曜日にやっていること自体凄い。公的保険に基づくサービスか、まったくの自由診療ないし民間の保険に基づくサービスかの違いなのだろう。

 話は飛躍するが、この人間と動物向けの医療機関のサービスの違い、元はと言えば日本医師会にその原因があるのだと思う。かつての日本医師会はその集票力を武器に、政治に対し強い影響力を持っていた。医師会は、開業医の既得権確保のために医療を聖域として政治の介入を防ぎ、その結果、今の費用負担のわりに満足度の低い、わが国の医療制度を作り上げたといえる。
 さすがの小泉首相も本格的な医療制度改革に手を付けなかったが、診療報酬見直しといった小手先の対策ではなく、その抜本的な改革を期待したい。負担に見合ったサービスでなければ、わが国の優れた国民皆保険の制度も年金同様、保険料不払いの事態に為りかねない。


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