縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

どうする、アイフル?

2006-04-15 23:48:27 | お金の話
 消費者金融大手のアイフルが業務停止処分を受けた。金融庁が、強引な取立てなど法令違反が相次いだアイフルに対し、全1,667店に3~25日間の業務停止処分を出したのである。
 国民生活センターによると、昨年度、アイフルへの苦情は前年度比1割強増の3,200件。貸金業関連の苦情が減少する中、アイフルに関する苦情は増加傾向にあるという。もっとも、これだけでは本件がアイフル固有の問題なのか、それとも業界全体に係わる問題なのかは判断できない。借り換えや債権譲渡により自社の責任を回避しているケースや、苦情すら言えないヤミ金のケースなどがあるのかもしれない。いずれにしろ、これで世間の消費者金融業界を見る目は厳しくなる。一部には、金融庁は消費者金融への規制強化に乗り出すきっかけとするため、敢えて厳しい処分を下したとの見方すらある。

 金融庁は貸金業規制法改正に向け、現在有識者懇談会での検討を行っている。懇談会は“グレーゾーン金利”の解消や、多重債務防止に向け貸出額や件数を制限する“総量規制”導入についても議論している。
 グレーゾーン金利は、利息制限法の上限金利(15~20%)を超える利息を取っても、出資法の上限金利(29.2%)の範囲内で借り手が任意に払うことを証明すれば刑事罰に問われないことに起因する問題だ。借り手の弱みに付け込んで高い金利をとることを認めた、おかしな制度である。一刻も早く見直されることを望む。

 金利はリスクに見合った水準にすべきだ。消費者金融各社の収益水準を見ると、今の20%を越す高い金利が妥当な水準とは到底思えない。高い金利と厳しい取立て、更にはリスクをヤミ金等に転嫁する仕組みとが相俟って、消費者金融に高収益をもたらしているのではないか。
 個人が無担保でお金を借りる先は大きく三つある。金利の低い順に、まず5、6%前後の銀行。次がモビット、アットローンなど銀行系の消費者金融。金利は利息制限法の上限金利内、15~18%である。そして最後が消費者金融専業、金利は勿論グレーゾーン金利。この中で一番利益を上げているのが消費者金融専業である。

 では、グレーゾーン金利が見直されると何が起きるのか。消費者金融各社の収益水準が下がり、正常な姿に近づくと考えられる。又、ただでさえ中途半端な銀行系消費者金融の位置付けが一層曖昧になるだろう。現在、専業に比べ取立てのノウハウに劣り、リスクに慎重な銀行系の貸出残高はあまり伸びていない。派手なCMの割りに業績は芳しくないのである。それが金利まで専業と同じというのでは、まったく存在価値がなくなってしまう。
 一方、専業が貸出を絞る、つまりリスクの高い人への貸出を抑える懸念も指摘されている。が、もともとローン金利の違いを考えれば、わざわざ高い金利を払って専業から借りる人は他で借りるのが難しい人と考えられる。その層を無視して専業各社の事業が成り立つとは思えない。

 不当利益の大きい業界であることが、悪徳業者やヤミ金が蔓延る最大の理由だと思う。金利など条件面の改善とともに、取立てへの規制を強化し、消費者金融がごく普通の、あまり儲からない業界になれば良い。それが業界健全化の早道だと思う。

 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。