縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

鳥インフルエンザの影響拡大

2006-04-06 23:57:00 | 海外で今
 今朝の日経に「鳥インフル、世界損失拡大。世銀予想、GDPの2%」という記事が出ていた。アジアに続きヨーロッパでも鳥インフルエンザの被害が拡大しており、鶏肉の需要減だけでなく雇用や観光への影響など、世界全体のGDPが2%減少すると世界銀行が予測したというのである。
 北半球が春を迎えたことから、取り敢えず鳥インフルの蔓延は落ち着くと思われるが、未だ抜本的な解決策がない中、深刻な状況であることに変わりはない。1918年のスペイン風邪流行の際は全世界で20百万人以上の死者が出たと言われるが、各国の経済的な繋がりが強くなっている現在、万が一鳥インフルエンザが流行した場合の被害は、それを上回る可能性が大きい。

 幸いなことに、鳥インフルエンザ、H5N1型ウィルスはまだ人から人への感染は確認されていない。既に世界で100人近い死者が出ているが、いずれも直接鳥から感染したものである。このままであれば、鳥や鳥の糞などとの接触を避けることにより大方は予防できる。
 ヨーロッパで鶏肉の消費量が減少しているとの話を聞くが、今の状態であれば、それよりも鶏肉でも何でも食べ、体の抵抗力を高めた方が良いと思う。牛肉はBSEでだめ、それに鶏肉もだめというのでは、食べるものが無くなってしまう。因みに、このためヨーロッパでは魚の消費が増えているらしいが。

 しかし、恐いのはH5N1が変異し、人から人に感染するウィルスに変化したときである。ウィルスが感染した人の中で変異したり、鳥からブタに感染しウィルスがブタの中で変異する可能性が指摘されている。地域としては、タイやベトナム(元々鳥インフルエンザはこの辺りで発生したと考えられている)、それに中国あたりが危ないと見られる。
 特に中国が恐い。人口密度が高く人が密集しており、又、家畜と一つ屋根の下で暮らすなど鳥・ブタ等と人間の距離が極めて近い。更に恐ろしいのは情報が統制されている点である。中国で発生が確認された鳥インフルエンザの問題が、国内外問わず、すべて公開されているか疑問である。以前のSARSの時のように自国で情報を囲い込み、対応が遅れる懸念がある。
 それに一般の国民が鳥インフルエンザに対して正しい知識を持っているかも疑問である。これはAIDSや麻薬の問題にしても然りであるが、その恐ろしさを知らなければ予防などしないし、予防する方法を知らなければ対策を講じることはできない。

 中国はエネルギーや食料を世界各地で買い漁っており、需給や市況の大きな撹乱要因になっているが、加えて健康面でも世界の撹乱要因にならないよう、鳥インフルエンザには断固たる対応を採って欲しい。
 おそらく中国は2008年の北京オリンピックを成功裡に終えるまで、自国のマイナス材料にはすべて蓋をしてしまうと考えられる。国内は力で抑え込めば良いし、海外には情報を公開しなければ良いだけである。彼らにとって難しいことではない。 しかし、長期的に見て何が中国に取って一番良いかを考えれば、もうそうした選択肢はないはずだ。既に“中国リスク”が囁かれ、外資の中国からの撤退や、インド・ベトナム等へのシフトが起きつつある中、真の国際社会の一員としての行動が中国に望まれる。

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