縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

「ものづくり」の里、宮崎県綾町

2008-05-10 20:38:11 | もう一度行きたい
 この連休、九州に、大分と宮崎に行った。

 大分では長湯、別府と温泉に浸かり、夜はふぐを食べた。この長湯温泉とふぐの話は以前書いたので繰り返さない(2007.2.17『長湯で長湯?』、2006.5.17『大分でふぐ肝を食す』)。今日は宮崎のことを書きたい。

 僕は宮崎は2度目、妻は初めてだった。が、僕にしても前回は仕事で、それも日帰りであり、まったく観光はしていない。今回は4連休、時間はある。そこで大分から宮崎へと、車で南下することにしたのである。
 大分と宮崎は距離にして230キロ程度だが、高速道路はなく、又、その間山道が多いことから、思いのほか時間が掛かる。別府を午後2時頃出たが、途中、道の駅などに立ち寄ったこともあり、宮崎に着いたのは夜の7時過ぎだった。宮崎といえば、地鶏と冷や汁。東京ではお目に掛からない、レアなもも焼きが美味しかった。

 翌日、天気が良ければ車で日南海岸を走ろうと思っていたが、あいにくの曇り空。青い空と青い海、とは行かない。では、どこへ行こう。パラパラとガイドブックをめくり、ふと目に入ったのが「綾」だった。深緑に抱かれた「ものづくり」の里、とある。野菜の有機栽培が盛んで、町ぐるみで地産地消、スローフードに取り組んでいる、とも書いてあった。よし、これは行かねば、もとい、これは食べねば、ということになった。

 宮崎市内から綾へは車で30分。僕達は綾で自転車を借りた。さすがに町を歩いて回るのはしんどいが、自転車なら楽だ。曇りとはいえ、初夏を思わせる陽気。川沿いの道を自転車で風を切って走るのは心地良かった。そして、まずはお目当てのレストラン、『綾の食卓』へと向かった。
 『綾の食卓』は、東京やヨーロッパで修行された香川シェフが9年前に開いたフレンチ・レストランである。綾の豊かな自然の中で、地元の新鮮な野菜、地鶏、川魚を食べて楽しんでもらいたい、と作ったお店だという。
 テーブルは室内のほか、オープンテラスにもある。僕らは少し待って、外の席で食事した。広い庭は川原へと繋がっている。川のせせらぎを聞き、爽やかな風を感じながら食事した。料理は、オードブルの盛り合わせ、サラダ、それとパエリア。野菜の味は濃いし、オードブルは、豚肉のリエット、自家製の生ハムやきびなごの燻製、お隣の小林市で作られたチーズなど、どれをとっても美味しかった。
 近くに他の店はないし、車の音も聞こえない。綾の自然に包まれ、ただのんびりとした時間が過ぎて行く。日々忙しく、あくせくと働く身にとっては縁のない世界、非日常の世界である。緊張感が解け、いつもより少しやさしい気持ちが持てる、そんな心のゆとりが生まれた気がした。妻は「ここ、絶対、また来る。」と宣言した。

 綾はわが国最大の照葉樹林でも有名である。照葉樹とはカシ、シイ、クスなど一年中緑の葉をつけている広葉樹で、その葉が厚く光沢のあることから照葉樹と言われる。綾は、その豊かな自然の恩恵を受け、染織や木・竹工が盛んである。又、そうした「ものづくり」の土壌のおかげか、最近は陶芸やガラス工芸も行われている。
 周りの町は過疎が進んでいるのだろうが、綾の人口は僅かではあるが増えている。外から移り住む者が多いのである。実際、あるお店ではアメリカ人のデザイナーというか職人さんに会った。
 今回はランチを優雅に食べたせいであまり町を見て回る時間がなかったが、綾、一度ゆっくり訪れて見たい町である。ここには、我々日本人の原風景というか、我々の失った何か、温かさ、やさしさといったものがある。

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