特殊相対性理論・電磁気学・数学

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U∂U/∂x+y∂U/∂y=x など変わったラグランジュの偏微分方程式の解法

2021-11-08 14:59:52 | 解析(微分方程式)

1.まえがき

 少し変わったラグランジュの偏微分方程式の解法の問題があったので紹介する。

2.xy∂U/∂x+y²∂U/∂y=x²

 補助方程式は 
   dx/xy=dy/y²=dU/x²
 1,2項から
   dy/y=dx/x → log|y/x|=C → y/x=A・・・・・・①
 2,3項から、①を使って xを消し、積分すると
   dU=(x/y)²dy=dy/A² → U=y/A²+B・・・・・・・②
 となる。①から Aを消して
   U=x²/y+B

 したがって、B=f(A) から、①②で、A,Bを消して
   U=x²/y+f(y/x)
 を得る。

3.U∂U/∂x+y∂U/∂y=x ・・・・・・③

 ここで、U=0 とすると③式を満たさないので、U≠0 としてよい。
 補助方程式は
   dx/U=dy/y=dU/x
 1,3項から
   U²-x²=A・・・・・・・・④
 1,2項と、④の U=±√(x²+A) を使って
   dy/y=dx/U=dx/±√(x²+A) → log|y|=±log|x+√(x²+A)|+C
     → y/{x+√(x²+A)}=B or y{x-√(x²+A)}=B
 ①を使って、Aを消すと(Uの±の順に注意して)
   y/(x+U)=B (U > 0)  or  y(x-U)=B (U < 0)
 となる。

 したがって、A=f(B) から
   U²=x²+f( y/(x+U) ) (U > 0)  ・・・・・・⑤
   U²=x²+f( y(x-U) ) (U < 0) ・・・・・・⑥
 となる。

 この解は非常に複雑なので、⑤が③を満たすことを確認する。⑤をx,yで偏微分して
(偏微分を Ux, Uyとする)

   2UUx=2x+f' {-y/(x+U)²}(1+Ux) → {2U+f'y/(x+U)²}Ux=2x-f'y/(x+U)²
   2UUy=f' {1/(x+U)-yUy/(x+U)² → {2U+f'y/(x+U)²}Uy=f'/(x+U)
 すると
   {2U+f'y/(x+U)²}(UUx+yUy)={2x-f'y/(x+U)²}U+yf'/(x+U)=2xU+xyf'/(x+U)²
              ={2U+yf'/(x+U)²}x
    → UUx+yUy=x (2U+f'y/(x+U)²≠0 のとき)

 つぎに、⑥が③を満たすことを確認する。⑥をx,yで偏微分して
   2UUx=2x+f' y(1-Ux) → (2U+f'y)Ux=2x+f'y
   2UUy=f'{ (x-U)+y(-Uy) } → (2U+f'y)Uy=f' (x-U)
 すると
   (2U+f'y)(UUx+yUy)=(2x+f'y)U+f' y(x-U)=2xU+f' yx=(2U+f'y)x
    → UUx+yUy=x (2U+f'y≠0 のとき)

以上



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