英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(24)

2004年12月11日 | 関係節
関係代名詞を扱います。以下、見ましょう。

(1)太郎がパンを食べた。
(2)[ 太郎が食べた ] パン

(1)と(2)は、何か関係がありそうです。(2)は「太郎が食べた」、の部分が「パン」にかかっています。この「太郎が食べた」は、該当する、「パン」に対しての付加情報です。だから、パンはパンでも、花子の食べたパンではない、太郎という人物が食べたパンなのだ、という情報付きの「パン」という事です。

こうすることで、世の中にたくさんあるパンの中から、どういったパンなのか、範囲をグッと狭め、限定することができるようになります。ところで、(1)では、「パンを」が、目的語になっています。しかし、(2)は、(3)から分かるように、カギカッコ内を(1)と比較すると、目的語がありません。

(3)[ 太郎が _ 食べた ] パン

(3)は、カギカッコ内に「空家」があります。つまり、目的語の位置にポッカリ穴が空いている、ということです。この空家ができるかわりに、カギカッコの表現は、その外にある、もう1つの「パン」にかかることができるのです。「かかる」、というのは、意味上の限定を加える、という意味です。この、「空家をつくる」、ということが、文法上の交換条件となって、限定能力を与えられるというわけです。英語も語順に注意しておけば、大体は同じ内容です。

(4)Taro ate bread. (太郎がパンを食べた。)
(5)bread [ Taro ate ]. ([ 太郎が食べた ] パン)

(5)から分かるのは、英語と日本語は、限定する側のものと、その限定を受ける側のもので、語順が左右逆です。つまり、カギカッコ内の表現である、[ Taro ate ]-[ 太郎が食べた ] と、‘bread’-「パン」が、左右逆語順だということです。それと、(3)で確認したような、「空家の条件」も英語には同様に存在します。(6)を見ましょう。

(6)bread [ Taro ate _ ]. ([ 太郎が _ 食べた ] パン)

ここで、‘ate’「食べた」 (‘eat’の過去形) は、他動詞 (目的語を取る動詞) の扱いを受けているので、本来は目的語を必要としますが、「空家の条件」によって、一見、自動詞 (目的語を取らない動詞) であるかのように見えています。でも、全く正しい英語です。これは、別に、‘ate’「食べた」が、他動詞から自動詞に変わってしまったというわけではありません。他の例で、それを確認しましょう。

(7)a. Taro talked about bread. (〇) (太郎がパンを話題にした。)
   b. Taro talked bread. (×) (訳同上)

(7a)は、「自動詞 (talked)+前置詞 (about)」を使った文です。自動詞は、前置詞の助けがあれば、目的語を取ることができるようになります。しかし、逆を言えば、前置詞の助けがなければ、目的語を取れないということです。‘talk about ~’「~ について話をする、~ を話題にする」という表現は、これ全体で、一種の他動詞としての扱いを受けることができます。自動詞‘talk’「話す」のみを用いた、(7b)が、アウトであることからも、それがわかると思います。では、これらの表現を使った関係節をつくってみます。

(8)a. bread [ Taro talked about _ ]. (〇) ([ 太郎が _ 話題にした ] パン)
   b. bread [ Taro talked _ ]. (×) (訳同上)

(8a)はOKですが、(8b)はアウトになってしまいました。(8a)において、注目すべきは、本来ならば、目的語が必要とされる、前置詞‘about ~’が、その直後に目的語を取っていないのに、OKであるということです。つまり、これは、本来、目的語を取るべきものが、目的語を取らない、ということが、この表現の特徴である、と言えそうです。

これは、逆に、(8b)のような、目的語が要らない、自動詞‘talk’「話す」のみを用いた表現がアウトであることからも支持されると思います。ここから、さらに、(5)の‘ate’「~ を食べた」も、やはり、他動詞としての性質を、(6)のように、そのまま保っている( 目的語が空家状態になっている) ことがわかります。

今回のポイントは、日本語と英語の関係節には、語順的に、左右対称ではあるものの、かなりの共通点がある、ということです。問題は、肝心の、‘who’とか‘which’とかの「関係代名詞」が、今回出てこなかったことですが、それは、またの機会に、ということで。(EG26に続く。)

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