「~がある」という意味を表現する構文です。以下、見ましょう。
(1)The book is on the desk. (〇) (その本なら机の上にあるよ。)
(2)There is the book on the desk. (×) (訳同上)
‘there is/are ~’は「~がある」と習っているから、(2)もOKのような気がしますけど、(1)のみが正しいそうです。(2)は何が悪いんでしょうか。(3)~(6)を見ましょう。
(3)There is a book on the desk. (〇) (机の上に本があるよ。)
(4)There are two books on the desk. (〇) (机の上に2冊本があるよ。)
(5)There are some books on the desk. (〇) (机の上に数冊本があるよ。)
(6)There are many books on the desk. (〇) (机の上にたくさん本があるよ。)
(3)~(6)はどれもOKです。つまり本の数は関係ないという事らしいですね。じゃ(2)がダメなのは‘the’があるからという事か?もうちょっと詳しく見ましょう。
(7)There is Tokyo Dome at Korakuen. (×) (後楽園に東京ドームがあるよ。)
うぐぅ~。(7)は‘the’がなくてもアウトです。‘the’は関係ないようです。実は、(2)と(3)~(6)の相異点として言える事は、本が特定されているか否かです。でも、「特定」って何でしょうかね。大雑把に言うと、「唯一的に解釈できる」という事らしいです。
例えば、自動車ですと、トヨタのカローラは世の中たくさん走ってますけど、ナンバーが一致するカローラは一台もないですよね。つまり、「車種」として、クラウンでもない、ヴィッツでもない、マーチでもない、という意味では、「種類」ということになりますね。「種類」として捉えると、カローラという車種は、全国で何万台も走っていて、たくさんある事になります。
しかし、今度は、金井さんのカローラ、山本さんのカローラ、金剛寺さんのカローラというように、「個体」として捉えると、もともと1つしかないものだから、数える事自体に意味がありません。だから、「特定」とは大雑把に言えば、「固体性(あるいは、固有性)を持つ(=唯一的に解釈できる)」と考えられそうです。
「特定されていない」ことを、言い換えると、「不定である」、とも言えます。「種類」を述べているときのカローラは、個別的に特定されていない、という意味で、「不定である」とも言います。「リンゴをたくさん食べたよ。」というときのリンゴは、「ミカンじゃないよ。」、という「種類」に対する言及ですから、「不定」ということになりますが、「花子のリンゴ食べちゃったよ。」というときは、どんなリンゴであるかが、特徴付けられていますので、「特定」されていますね。もう一度、カローラを例にとって、(8)と(9)で比較してみましょう。
(8)There are a lot of Carollas in Japan. (〇)
(日本はカローラが多いよね。)
(9)There is Mr. Yamada's Carolla in the park. (×)
(公園に山田さんのカローラがあるぞ。)
(8)では、もちろん、「車種」、つまり「種類」としてのカローラのことを言っています。だから、「でも、クラウンはそれほどでもないよ。」などと続けることができます。この場合、カローラという車種とクラウンという車種が比較されているわけです。しかし、どのようなカローラかは特徴付けられていませんので、「不定」になります。このような場合に、‘there is/are ~’を使った文はOKです。
(9)では、「伊藤さんのカローラには見えないよね。」などと続けることができます。つまり、カローラという車種の中でも、その一台、一台に見出される差異、特性、個性などを判断することで、特徴付けられていますので、唯一のものとして、「特定」されているわけです。このような場合に、‘there is/are ~’を使った文はアウトになるのです。
というわけで、結論として、「特定される(=唯一的に解釈される)」ものは、‘there is/are ~ ’には使えないようです。(2)がダメなのは、‘the’が付いてしまうと特定物と見なされる事が多いので、‘there is/are~ ’の構文には不向きという事なんですね。でも、そういう場合は(1)のような表現をすれば問題ないので、御安心を。では、(7)と(9)を正しい文にしてみます。
(10)Tokyo Dome is at Korakuen. (〇) (訳同(7))
(11)Mr. Yamada's Carolla is in the park. (〇) (訳同(9))
今回のポイントとしては、ただ単に、「~ がある」という日本語から、即座に‘there is/are~ ’の構文を直接の置き換え公式のように捉えてしまうのは、残念ながら、安直な発想でしかないということです。この構文自体は中学校で習うようなものなので、簡単なものだと、タカをくくってしまう人が多いことから、詳しく見てみることにしましたが、「特定」と「不定」のイメージをしっかり理解していないと、使いこなせないことがわかったと思います。実は「特定」という概念は、冠詞の‘a’、‘an’、‘the’、を理解する上でも、とても重要な概念なので、もちろん、「英語脳」的には重要な概念と見なします。必ずマスターして下さい。
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(1)The book is on the desk. (〇) (その本なら机の上にあるよ。)
(2)There is the book on the desk. (×) (訳同上)
‘there is/are ~’は「~がある」と習っているから、(2)もOKのような気がしますけど、(1)のみが正しいそうです。(2)は何が悪いんでしょうか。(3)~(6)を見ましょう。
(3)There is a book on the desk. (〇) (机の上に本があるよ。)
(4)There are two books on the desk. (〇) (机の上に2冊本があるよ。)
(5)There are some books on the desk. (〇) (机の上に数冊本があるよ。)
(6)There are many books on the desk. (〇) (机の上にたくさん本があるよ。)
(3)~(6)はどれもOKです。つまり本の数は関係ないという事らしいですね。じゃ(2)がダメなのは‘the’があるからという事か?もうちょっと詳しく見ましょう。
(7)There is Tokyo Dome at Korakuen. (×) (後楽園に東京ドームがあるよ。)
うぐぅ~。(7)は‘the’がなくてもアウトです。‘the’は関係ないようです。実は、(2)と(3)~(6)の相異点として言える事は、本が特定されているか否かです。でも、「特定」って何でしょうかね。大雑把に言うと、「唯一的に解釈できる」という事らしいです。
例えば、自動車ですと、トヨタのカローラは世の中たくさん走ってますけど、ナンバーが一致するカローラは一台もないですよね。つまり、「車種」として、クラウンでもない、ヴィッツでもない、マーチでもない、という意味では、「種類」ということになりますね。「種類」として捉えると、カローラという車種は、全国で何万台も走っていて、たくさんある事になります。
しかし、今度は、金井さんのカローラ、山本さんのカローラ、金剛寺さんのカローラというように、「個体」として捉えると、もともと1つしかないものだから、数える事自体に意味がありません。だから、「特定」とは大雑把に言えば、「固体性(あるいは、固有性)を持つ(=唯一的に解釈できる)」と考えられそうです。
「特定されていない」ことを、言い換えると、「不定である」、とも言えます。「種類」を述べているときのカローラは、個別的に特定されていない、という意味で、「不定である」とも言います。「リンゴをたくさん食べたよ。」というときのリンゴは、「ミカンじゃないよ。」、という「種類」に対する言及ですから、「不定」ということになりますが、「花子のリンゴ食べちゃったよ。」というときは、どんなリンゴであるかが、特徴付けられていますので、「特定」されていますね。もう一度、カローラを例にとって、(8)と(9)で比較してみましょう。
(8)There are a lot of Carollas in Japan. (〇)
(日本はカローラが多いよね。)
(9)There is Mr. Yamada's Carolla in the park. (×)
(公園に山田さんのカローラがあるぞ。)
(8)では、もちろん、「車種」、つまり「種類」としてのカローラのことを言っています。だから、「でも、クラウンはそれほどでもないよ。」などと続けることができます。この場合、カローラという車種とクラウンという車種が比較されているわけです。しかし、どのようなカローラかは特徴付けられていませんので、「不定」になります。このような場合に、‘there is/are ~’を使った文はOKです。
(9)では、「伊藤さんのカローラには見えないよね。」などと続けることができます。つまり、カローラという車種の中でも、その一台、一台に見出される差異、特性、個性などを判断することで、特徴付けられていますので、唯一のものとして、「特定」されているわけです。このような場合に、‘there is/are ~’を使った文はアウトになるのです。
というわけで、結論として、「特定される(=唯一的に解釈される)」ものは、‘there is/are ~ ’には使えないようです。(2)がダメなのは、‘the’が付いてしまうと特定物と見なされる事が多いので、‘there is/are~ ’の構文には不向きという事なんですね。でも、そういう場合は(1)のような表現をすれば問題ないので、御安心を。では、(7)と(9)を正しい文にしてみます。
(10)Tokyo Dome is at Korakuen. (〇) (訳同(7))
(11)Mr. Yamada's Carolla is in the park. (〇) (訳同(9))
今回のポイントとしては、ただ単に、「~ がある」という日本語から、即座に‘there is/are~ ’の構文を直接の置き換え公式のように捉えてしまうのは、残念ながら、安直な発想でしかないということです。この構文自体は中学校で習うようなものなので、簡単なものだと、タカをくくってしまう人が多いことから、詳しく見てみることにしましたが、「特定」と「不定」のイメージをしっかり理解していないと、使いこなせないことがわかったと思います。実は「特定」という概念は、冠詞の‘a’、‘an’、‘the’、を理解する上でも、とても重要な概念なので、もちろん、「英語脳」的には重要な概念と見なします。必ずマスターして下さい。
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