goo blog サービス終了のお知らせ 

英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(47)

2005年01月19日 | 変形
疑問詞を使った文を扱います。以下、見ましょう。

(1)Tom saw Mary (トムはメアリーを見た。)
(2)Who saw Mary? (誰がメアリーを見たの?)
   
(1)からつくられた疑問文(2)ですが、簡単ですね。ただ、主語の‘Tom’を、‘who’に変えただけです。これで(2)が完成しますので、ただ単に、単語の入れ換えだけで、疑問詞‘who’を使った疑問文が完成します。ところで、(2)と比べると、ちょっとした変化はあるものの、以下も簡単ですね。

(3)Who did Tom see? (トムは誰を見たんだい?)

今度は、目的語の‘Mary’を‘who’に変えて疑問文をつくってみましたが、過去形だった‘saw’「~ を見た」が、原形の‘see’になってしまいました。代わりに、過去の助動詞‘did’が、現れて、‘Tom’の前にきています。これは過去形の動詞‘saw’が、過去を表す要素‘did’と分離をおこして、もとの原形動詞‘see’にもどった(‘saw’ → ‘did’+‘see’)、と考えてよいでしょう。

そして、(2)と同じく、(3)でも文の先頭に‘who’がきています。(3)が、(2)とちょっと違っているところは、目的語の‘Mary’が‘who’になったあとで、文の先頭に移動する、という操作がプラスされているところですね。

このように、ざっと見た感じでは、(1)のように、主語 (Tom) と目的語 (Mary) をもつ文から、それぞれを疑問詞にして、疑問文をつくると、必ず、その疑問詞は文の先頭にこなければならないことがわかります。主語の疑問詞の場合は、そのまま、主語を疑問詞に置き換えれば、疑問文が完成し、一方、目的語の場合は、動詞と助動詞の分離に加えて、わざわざ、その目的語を文の先頭まで移動させることをしなければなりません。

実は、これは、日本語との大きな違いです。日本語はそんな目的語の移動などなくても自然な疑問文はつくれます。(1)の日本語と比較して、(2)の主語疑問詞の日本語をつくる場合でも、(3)の目的語疑問詞の日本語をつくる場合でも、ただ単に、「誰」に置き換えをしただけで、語順に変更はおこっていませんね。ここで、ちょっと発展的に、以下を見ましょう。

(4)John thinks [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは、[ トムはメアリーを見たと ] 思ってるよ。)

(5)John knows [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは、[ トムはメアリーを見たの ] 知ってるよ。)

EG41では、「文を文の中に組み込む」やり方を学びました。(4)と(5)では、カギカッコの表現が、それぞれ、‘I think ~’と、‘I know ~’の中に組み込まれているわけですね。そこで、英語の疑問詞は、文の先頭に常に位置するという現象が本当かどうか見てみたいと思います。

(6) Who does John think [ that Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは、[ トムは誰を見たと ] 思ってるのかな。)

うん、やっぱり、‘Mary’を‘who’に変えた場合、それを文の先頭に移動した(6)がOKですね。ここで注意してほしいのは、英語の場合、文を文の中に組み込むときには、「組み込まれた側」の中では、通常、動詞と助動詞の分離(‘saw’ → ‘did’+‘see’)はおこらないということです。代わりに、「組み込んだ側」で、動詞と助動詞の分離(‘thinks’ → ‘does’+‘think’)がおこります。次を見ましょう。

(7)Who does John know [ that Tom saw _ ] ? (×) 
   (ジョンは、[ トムは誰を見たか] 知ってるのかな。)

ん?‘think’が‘know’に換わったら、今度はダメになってしまいました。これは、なぜなんでしょうかね。ここで、ちょっと、(6)と(7)の疑問文の意味を考えてみたいと思います。(6)に対して答えるときは、どんな答え方になるかと言えば、「メアリーだよ。」というような、‘who’に対して、直接答える感じになると思います。

しかし、一方、(7)の場合は、‘Yes、he does.’「うん、知ってるさ。」や、‘No、he doesn't.’「いや、知らんだろ。」、はOKですが、「メアリーだよ。」、と、‘who’に対して、直接答えるような感じにはならないと思います。このような場合、以下のような疑問文でなければOKになりません。

(8)Does John know [ who Tom saw _ ] ? (〇) (訳同(7))

(8)では、組み込まれた文の中で、‘who’が移動していますね。このとき、疑問詞は、‘that’の位置に割り込むカタチを取りますので、‘that’には消えてもらうことになっています。このように、「はい」か、「いいえ」で答える疑問文では、疑問詞が文の先頭に移動できず、組み込まれた側の文の中で、その先頭に移動するに留まります。逆に、「はい」や、「いいえ」で答えることができない疑問文では、疑問詞が文の先頭(組み込んだ側の先頭)まで移動してこなければなりません。

(9)Does John think [ who Tom saw _ ] ? (×) (訳同(6))

(6)はOKでしたが、やはり、組み込まれた文の中で、‘who’が移動している(9)はダメですね。ポイントはやはり、「はい」か、「いいえ」で答えるのか、それとも、疑問詞に対する直接的な答えになるのかです。ところで、これまで見た例以外に、どちらでもOKな場合もあります。今度は、「組み込む側」の動詞に、‘say’を使ってみましょう。

(10)John says [ that Tom saw Mary ]. 
   (ジョンは [ トムはメアリーを見た ] と言ってるよ。)

(11)Who does John say [ that Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは [ トムは誰を見たと ] 言ってるかい。)

(12)Does John say [ who Tom saw _ ] ? (〇) 
   (ジョンは [ トムは誰を見たか ] 言ってるかい。)

(11)は、「メアリーだよ。」と答えればOKですね。一方、(12)は、「うん、言ってるよ。」か、「いや、言ってない。」というような答え方になると思います。以上、見てきたように、英語の疑問詞は、移動することはするんですけど、その着地点としてどこを選ぶかは、その疑問文の意味によって変わってきますので、十分な注意が必要です。ここで、以下のようなルールが成立します。

(13)英語の場合、疑問詞(who、what、when、where、how、等)を用いた文では、
   「はい」か「いいえ」で答えるような疑問文ならば、疑問詞は、「組み込まれた側」
   の文の先頭にくる。一方、疑問詞に対して直接答えるような疑問文ならば、
   疑問詞は、「組み込んだ側」、つまり、文の最も先頭にくる。

ルール(13)は英語特有の規則で、これが、なかなか難しく感じられるのは、やはり、日本語の疑問詞は、基本的に移動しないということが原因なんですね。上で見てきた日本語訳を見ていただければわかると思いますが、「誰」の移動が全然ありません。

今回のポイントは、英語の疑問詞が、文の先頭に常に位置するかどうかをみたわけですが、文を文の中に組み込むというシステムがコトバにはあるから、「組み込まれた側」まで考慮に入れれば、その範囲内では、文の先頭に移動していると言ってもよいでしょう。つまり、英語の疑問詞は、「組み込む側」と「組み込まれた側」の、どこかの文の中では、常に先頭に位置していなければならないということですね。(これに関する、ちょっとした例外は、EC19を参照して下さい。)

● 関連: EC16EC19EG41

みんなの英会話奮闘記★  ★元祖ブログランキング★  ★英語・人気blogランキング