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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語コラム(16)

2006年01月26日 | コラム
文法の解説って、同じことを説明するのでも、言い方がいろいろあります。よく見かける初心者向けの説明に出てくる例としては、以下のようなものがあります。

(1)Who kicked Tom? (誰がトムを蹴っとばしたの?)
(2)Who do you think kicked Tom ? (誰がトムを蹴っとばしたと思う?)

(1)に対して、「~ だと思う?」のような表現を加えたい場合は、(2)のようになりますけど、(1)と(2)を比較すると、ちょうど‘who’と、‘kicked Tom?’の部分に切れ目をつくって、そこに‘do you think’を割り込ませたような感じになっていますね。ここから、(1)を(2)にするための説明方法の1つとして、以下のようなものがあります。

(3)Who (do you think) kicked Tom? (訳同(2))

(3)は、(2)の‘do you think’を、カッコで括っただけなんですけど、このカッコ内の表現‘do you think’が、(1)に、いわゆる「挿入」されたもの、と言って説明するとわかりやすいと思います。そして、こういった説明は、本当によく見かけるものです。

ただ、ここまでの説明で終わってしまうと、あたかも「挿入」が全てである、というような誤解が氾濫する原因となってしまうので、ここら辺は、もっと慎重に考えて説明して欲しいところです。

(4)Who did Mary kick? (〇) (メアリーは、誰を蹴っとばしたの?)
(5)Who (do you think) did Mary kick ? (×) (メアリーは、誰を蹴っとばしたと思う?)

今度は、(4)に、‘do you think’を「挿入」して、(5)をつくってみたんですけど、何とアウトになってしまいました。そこで、どうしてアウト話になるのかという以前に、もちろん、ただ「挿入」とだけ説明していることに誤りがあるだけのことですから、ここで、考えを改めないと仕方ありません。

(6)Who (do you think) Mary kicked? (〇) (訳同(5))

そこで、(6)のようにすると、OKになりますが、(5)の‘did Mary kick’が、(6)では‘Mary kicked’になっているわけですね。そこで、この場合、必要な知識としては、まず、‘did’と‘kick’が合体すると、過去形‘kicked’になる、ということです。そして、この逆を言えば、過去形‘kicked’は、‘did’と‘kick’に、分離可能ということなんですね。

そこで、「主語」以外の要素が、疑問詞になっているような‘do you think’の「挿入」は、‘did’と‘kick’が、合体したままである過去形、‘kicked’にしておかないといけない、ということなんです。ですので、よくある、「挿入」でOK式の説明は、(4)のように、‘kicked’の目的語が、疑問詞‘who’になる場合、つまり、「主語」以外の要素が疑問詞になる文に対しては全く無力で、そのことを補足説明しておかないと、わかりやすい説明どころか誤っている説明になりかねないわけです。

とりあえず、疑問詞 (who、what、when、where、how、など) を用いた疑問文では、‘do you think’を挿入したら、後続する表現は肯定文の姿のままにしておく、くらいの説明はあった方がよいということになります。

あまり難解な文法用語などを使ってゴチャゴチャと説明するのはよくないものですが、逆に、その場限りしか通用しないような過度の簡素化による説明も同罪ということになります。押さえておくべきポイントからは逃げないようにしておかないと、巨視的に見たとき、結局、英語が不得意な人が増える結果になりますから。

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