D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

The Things I See('01)/Gary Husband

2006-03-20 23:16:56 | holdsworthian
今夜西遊記(一応?)最終回!
‘世の中で一番偉いヤツは、がんばったヤツだ!’・・悟空の熱い啖呵にまたまたしびれましたよ!

お彼岸ということもあり・・関係ないか(笑)・・今回の肴はちょっと趣向が違ってまして、こいつはDrummerによるピアノソロ作なんですね。
おまけに‘Interpretations of The Music of ALLAN HOLDSWORTH’・・つまりHoldsworth先生の作品を題材にインプロバイズされたピアノ曲集なんですね。
発表当初は先生の側でも勘違いされ自身のHPに参加作としてリストアップされてた記憶があるのですが、先生は本作に関して一切関係してません。
非常にレアなケースですね。

この盤はArt Of Life Recordsというアメリカのインディーズからリリースされており、私の知りうる限り日本での一般販売はされてないようです。
インターネットで購入できます・・実は、恥ずかしながら今回初めて海外通販を試してみました。専用カードと口座作って・・馬鹿ですね。(笑)
‘お急ぎ’でオーダーしたら5日で届きました・・これってすごいですよね。
セキュリティも今のところ問題無さそうですが・・まだちょこっと不安もあります。


#1.The Sixteen Men Of Tain:
‘The Sixteen Men Of Tain('99)’から。
アップテンポで始まり緩急つけたインプロがすばらしいです・・ベストトラックかも。
でも原曲のイメージが無いなあ・・。

#2.Shadows Of:
GONGのGazeuse!('76)から。
私の聞いた限りでは‘VelvetDarkness’という曲の別バージョンのようです。
ちなみにHoldsworth先生は意外とこのタイトルでLive演奏を繰り返してるふしがあります・・なんだかんだ言いながら気に入ってるんでしょうね。
Garyのこのバージョンではテーマのみゆっくりと弾いて終わりですが・・インプロ入れても面白かったのでは?

#3.Temporary Fault:
i,o,u('82)から。
これも原曲をかなり崩しており、ピアノの弦をヒット&スクラッチしてパーカッション的なインプロになってたり・・ちょっとね・・。

#4.Out From Under:
これもi,o,u('82)から。
ちょっとラグタイム風なフレーバーを感じる音使いでおもしろいアレンジです・・MIDIでストリングスをヴォイスのように入れたり・・。
またもや原曲とは別の世界で楽しんでみましたみたいな・・まるでキース・ジャレットのようですね。

#5.Mr.Berwell:
Atavachron('86)から。
テーマのトレースだけで短くまとめてますが、これもキース・ジャレットの曲みたいな感じに聞こえます。

#6.The Things You See:
The Things You See('80)およびi.o.u('82)から・・先生のお気に入りの曲のひとつですね。
歌というか歌詞をつぶやいてるのか・・ピアノの弦でいろんな効果音を加えたインプロがありますが、比較的原曲に近いイメージでしょうか。
結構強気なアレンジなんで、多分‘i.o.u’でのセッションのイメージそのままなんでしょうね・・口笛とか拍手なんかもオーバーダブ入れたり・・。
彼も気に入ってるふしが見受けられますね・・弾きながらかなり熱くなってます。

#7.Wish:
Velvet Darkness('77)から・・私の聞いた限りこの元曲は‘The Things You See’の別バージョンだと思います。
アレンジの妙というか・・別曲に聞こえますね。#6の次に持ってきたというのがミソかな・・Garyも同じじゃんって思ったのかな?

#8.Devil Take The Hindmost:
Metal Fatigue('85)から。
テーマはそのまんま・・幾分アップテンポな感じですが静かに闘志を秘めた・・みたいな・・。

#9.Kinder:
Velvet Darkness('77)から・・この元曲はBelieve Itの‘Fred’の別バージョンです。
こうやって聞くと、確かに元のテーマと同じなんですが・・なんかE.サティみたいに聞こえます。

#10.Looking Glass:
Atavachron('86)から。
とても美しいテーマを短くまとめて・・気持ちの良い余韻が残りますね。

特筆すべき点としては、Holdsworth先生が嫌いじゃと公言してるVelvet Darknesからの選曲でしょうか。
ジャケットにあるGaryが書いたおくづけに‘(Velvet~等を挙げ)・・全部あるいは一部にせよ、彼が書いたすべての曲が僕に新たな(音楽の)世界を示してくれました。もちろん(世の中の)ギタリストたちが彼から受けたすばらしい衝撃と影響は、この場で賞賛するまでもなく明確な事実ですね!’とあります。
・・少なくとも僕は大好きだよって・・。

この盤は決して一般受けする類のものではありません・・ただジャズピアノが好きな方、あるいはコアなジャズファンには理解して頂けそうな気がします。
Holdsworthianでも意見が2分しそうですが、私は気に入ってますよ。


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