D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Circus of Sound('08)/ Ohm:

2008-11-16 09:57:17 | holdsworthian
久々に、新作いってみます。

Chris Poland(クリス・ポーランド)率いるOhm:(オーム)の新作“Circus of Sound”。
ヤンギ12月号のリリース・ファイルに載ってた煽り文句“アラン・ホールズワースのファンは是非一聴を”が妙に気になって、つい・・。
タワレコ覘くのも1ヶ月半ぶりくらいかな。
まるで“聴け!”と言わんばかりに、ちゃんと置いてましたがな。(笑)

最初この方の事を元Limp BizkitのWes Borlandと勘違いしてたんです。
なんせ、このジャケだもんで。
フタを開けてみれば、やっぱ違って、元Megadeth!
で、この方'57年12月1日NY州ダンカーク出身とのことで・・来月早々50歳ですか。
私、メガデスはマーチー在籍時以降しか聴いてなかったためか、この方のことは全く知りませんでした。


【Chris Poland】

この作品は“オーム”として3rdに当たるようで、邦盤としては国内初リリースのようです。
音の面では、意外にスラッシュの匂いは皆無です。
・・変態臭も期待していた程ではございません。
ルックスも、妙に地味ですな。
そんな面子はこんな感じ。

personnel:
Chris Poland(g)
Robertino“Pag”Pagliari(b)
Joel Taylor(d on#1-3)
Frank Briggs(d on#4-7)
Kofi Baker(d on#8-14)

長年の相棒であるロビー“パグ”パグリアリはフレットレス・ベーシストです。
結構手数も多く、スラップなんかも平気でこなすし、エフェクトマニアぽい感じ。
・・あのPercy Jonesをも彷彿させるような、筋金入りの変態ですわ。(笑)
ギタートリオだけに、サウンド面でのその貢献度の高さには、目を見張るものがあります。


【Robertino Pagliari】

ドラマーは今回3名。
前作までは、パーマネント・ドラマーとしてあのGinger Bakerの息子コフィが名を連ねていましたが、今回はサポートなんでしょうか?
ちょっと面白いのが、ジョエル・テイラーの参加。
3曲のみですが、ホールズワース先生の時よりもずっとハマっている様に感じられます。
やっぱ無理してたんじゃないのかな・・違和感感じまくりのタイコだったもんね。
こんなストレート系ハードフュージョンの方が、手数の多い彼の持ち味を生かせるんでしょうね。
ただ、今回の3名の中では、個人的にはフランク・ブリッグスのプレイが一番いい感じだとは思っています。

tracks:
1.Fun House
2.System of a Clown
3.Photograph
4.Circus of Sound
5.Point Omega
6.Abracadabra
7.The Shortest Straw
8.The Black Hand
9.You Don't Know
10.Steps From Home
11.Mr.Brown(for James Brown)
12.DD214
13.Leap of Faith
14.Pan's Plan

なるほど、こういう弾き方してれば、ホールズワーシアンと思われても仕方ないでしょうね。
ただ、ドライヴしまくりのギターサウンドは先生と対極をなすものであって、全く異質です。
おそらく、アームの使い方とか、あのウネウネ系(笑)フレージングの多用なんかに、かなりの影響を感じさせるんですね。

一方、そのフレージング面では、先生が多用するオルタードなんかもほとんど使わず、もっぱらブルーズ・ペンタとアプローチノート中心で攻めてます。
そのせいか、曲の構成などが随分分り易く聞こえます。
変拍子の切り替えなども実に明快・・メロディ重視なのかな。
ほんでもって、めっちゃフラッシー!
例えるのも何ですが、Alex Machacekが“静”とすれば、ポーランドは“動”くらいのニュアンス差をも感じますね。
しかしながら、そのプレイは知的で実に熱く、私が10歳若ければ(爆)先生とかマクヘイサックよりポーランドに傾いていたかもです。

ライナーによれば、John MclaughlinやJeff Beck御大から多大な影響を受けたとのこと。
音を聴く限り、Steve MorseやJohn Petrucci、はたまたGary Mooreなんて名前も出てきそうですね。
まさに私の守備範囲じゃないですか。(笑)

曲の流れも、変拍子を多用しつつもかなりストレートで、随分キャッチーじゃないでしょうか。
トリオであって、シンセ類は多分味付け程度しか使用していないと思われます。
ギターとベースが交代でエフェクトによるサウンドの拡張を図っていますが、どうしても単調さは否めません。
多分、ライヴ向きのサウンドじゃないでしょうかね。

いきなり一押しですが、アルバムタイトルの#4“Circus of Sound”でしょうね。
各パートのサウンド面での工夫が尋常でありません。
プログレ風の構成も光り、実に多彩で重厚なリズムとメロディが紡がれています。
バッキングなんかではモーズ師匠のようなトーンも出てきますしネ。
アコギの効果もバッチリです。

次点は結構沢山あります。
キャッチーな#1“Fun House”、同じく#3“Photograph”、ペトルーチぽい#5“Point Omega”、ベースが光る#7“The Shortest Straw”などです。

ちなみに“Photograph”は、今年のグラミー賞でBest Rock Instrumental Performance部門にノミネートされてる曲のようです。
また“Point Omega”でも、ポーランドとブリッグスが同演奏部門で候補にあがってるとのこと。
・・意外と凄い連中だったんですな。(驚)

また、エモーショナルなドラムが光る#6“Abracadabra”や、James Brownに捧げた#11“Mr.Brown”なんて曲も面白いですね。

ライヴ画像もちょこっとありましたので下記にリンクさせておきます。
System of a Clown
The Shortest Straw
The Black Hand
DD214

以上、クリス・ポーランド氏を隠れホールズワーシアンに認定!
・・“先生好きです”って白状しろ、コノ野郎!(笑)
あとは、是非来日のうえ来阪して頂けることを祈願するばかりです。

*画像はポーランド氏のウェブから拝借しました。


最新の画像もっと見る