D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

‘METAL a Headbanger's Journey’を観て

2006-07-20 00:02:07 | cinema
今日、レイトショーでくだんのドキュメンタリーを拝見してきました。
感想を一言で言わせていただくと‘だから何なの?’でした・・。

これから観る方や観てみようかなと思っておられる方には、こんな感想をいきなり吐いてしまい申し訳ないです。
興味のある方は観てください、でも過剰な期待はせぬように・・。

パブリッシングなどのコピーはご大層な表現をされてます。
確かに、製作者のSam Dannは、話し振りやインタビューの様子などを見る限り、まじめなナイスガイであることに疑いの余地はないでしょう。
取材に応じたアーティストや彼らの提供した情報、数々のニュースソースを交えた衝撃的な映像、はたまたヘヴィー・メタルの系譜図などもかなり史料価値が高いことは否めません。
でも、それだけなんですね。

取材姿勢は一貫して中立の立場・・最初に‘自分の興味を追求する旅を始める’と宣言してるのは分るけど、一切突っ込みなし。
メタルに関するありとあらゆる切り口の提示は見事・・でも深みが一切ないのが気に入らないのです。
メタルファンの傾向を要約すれば、‘同じ嗜好を分かち合い団結して群れることができる音楽愛好家’だって・・冗談じゃない!
‘引きこもりから開放された’‘自分は一人じゃない’‘自分の存在意義が見出せるなら、これも神へ続く道かもしれない’・・何をぬかす!
‘あの夏はスレイヤーが好きだった・・なんてヤツはいるわけない’・・俺がそうだよ!
聴いてて腹がたって仕方がなかったです。

ジャンルなんて基本的にどうでもいいんです。
メタルはその音が象徴するように攻撃的になれる・・自分を鼓舞し得る、いわばドラッグだと思います。
・・音楽自体がドラッグそのものじゃないですか?
その日の気分によって薬の種類を変えてもいいじゃないですか・・むしろ変えて当たり前じゃないですか?

ゴア元副大統領夫人ら反メタル活動家らの攻撃を煙にまいたディー・スナイダーへのインタビューはなかなか面白かったですね。
もし続編ができるのなら、この辺の切り口に絞って展開してほしいなあ。
ブラックメタルの反社会的行動なんてどうでもいいです。
そんな見方もあるんだけど・・で終わらせないで、もっと突っ込んで徹底的に否定して欲しかった。

・・だからヘヴィ・メタルは最高なんだって、それで言い切れたのかいSam!


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