・・ぼちぼちレギュラーに戻って(笑)・・
Allan Holdsworth先生と‘Gong’というバンドのと関わりについては以前3回程記事に採り上げましたが、今回はそのGongから発生したセッショバンドの1stアルバムです。
タイトルの‘Suffer’とは‘苦しむ’とか‘病む’なんてあまり縁起でもない意味があるんですが、ジャケット・・これがまたなんちゅうセンス!・・の中の銅鑼だけでなく、よく見れば手前の兄ちゃんのシャツや右下の姉ちゃんのイアリングにまで‘苦’の文字が・・。
全く意味不明ですな・・トホホ。
この‘Gongzilla’は、Gongの'78年の作品‘ExpressoⅡ’で先生と共演したメンバー3名、Bon Lozaga(g,E-bow)、Hansford Rowe(b)、Benoit Moerlen(vibe)が中心になり結成されたようです。
多分パーマネントメンバーのBobby Thomas(per)のほか、本作ではゲストとしてAllan Holdsworth(g:#1,2,6,9)、Lionel Cordew(d:#1-4,6-8,11)、Vic Stevens(d:#9,10)、Ben Perowsky(d:#5)、Samuel Rowe(vocalizing:#10)といったメンツが加わってます。
サウンドはGongとはまったく別・・ジャケットのコンセプト通りのハードフュージョンと言って良いのではないでしょうか・・かつてのジャズロックとは全く芸風が変っており、垢抜けた現代風のインストゥルメンタルが展開されています。
#1.Gongzilla:
‘ギャオー’と叫びながら彷徨う怪獣をドラム&ギターで再現しながら、Holdsworth先生の速いパッセージで幕開け・・鳴き声はE-bow使ってるのかな?・・Bonの演奏、作曲も彼です。
バッキングも怪獣も彼の仕業ですね・・暴れる姿をそのままインプロしてます・・おもしろいな。
2バース目に先生がソロ・・ディストーションが効いたバックに意外とはまったクリアトーンのソロです。
#2.Bad Habits:
6/8+9/8で進行する、まさに先生向きの曲かも・・参加2曲目ですが、テーマと短いBenoitによるソロのあと、艶のある伸び伸びしたドライブ気味のソロが拝めます。
あっさりした短い曲ですが、なかなか聞き応えがあります。
#3.Sing:
スローなバラード・・ギターはBon・・昔とかなり変っており、かなりの進化を遂げた感じです。
ペンタ一発だったのが要所でオルタードを効果的に使うなど、かなりJazz寄りのフレージングになっておりトーンにもかなり気を使ってますね。
なかなか気色の良いソフトな雰囲気の曲です。
#4.Gongzilla's Dilemma:
5/4のリズムで、BenoitのヴァイブソロとHansのベースソロが楽しめます。
途中からBonのハードなギターで一変。ドゥームで#1みたいな雰囲気に・・やっぱ腕上げたなあ。
なんか聞き覚えあるなあと思えば、ExpressoⅡの#2‘Golden Dilemma’とテーマや構成が良く似てます・・同じ曲かな・・どちらもHansの曲だしね。
#5.Mr.Sinister Minister:
Hansのグルービーなフレットレスベースに乗ってゆったりファンキーに展開。
ハードロッカーのようなBonのギターソロも秀逸です。
#6.Almost You:
先生参加3曲目・・ゆったり目のバラードです。
イントロからしばらくはBonだけで弾いてるようですが、多分途中のユニゾンフレーズはギター2人で弾いてるようですね。
Benoitのソロに続き、意外にドライブの効いた少々ウネウネ気味の短いソロが聴けます・・実に短く物足りませんが・・。
#7.Mezzanine:
ファンキーなリズムに乗りBonがまるで先生みたいなすごいソロを聴かせてくれます・・これはカッコいいです。
Saxが入れば・・まるでウエザー?
#8.Hip-Hopnosis:
この曲でもテーマなどまるで先生か?って思うくらい激似のニュアンスでBonが頑張ってます。
Hansのベースソロがちょっと冗長的かな・・ミックスが悪いだけなのかな・・。
#9.Allan Qui?:
先生のファーストネームを冠したバラード・・先生参加最後の曲。
テーマなどはBonですが、途中からの先生のソロはさすがって感じです・・ゆったり始まり音を選びながら次第に高速パッセージに転じ、流れるように一気に展開して行きます。
最後ではBonが弾くテーマに先生がかぶせたと思われるギターのハモリがとても美しいです。
少々物悲しい雰囲気が先生の曲想に合ってる(合わせた?)せいか、参加4曲のうちでは一押しの出来だと思います。
#10.Senna:
Hansのサンバ・・ドラムとデュオでHansがベースでコード弾き&複数のベースラインによるハーモニーをシークエンシャルに続けてます。
‘ア゛ーッ’というような短い叫び声?がフェードアウトしながら、フィードバックが掛かったギターのハーモニクス音がゆっくりと徐々に大きくなり、突然オールカット!・・Ayrton Sennaへのオマージュと見ました。
#11.Camel:
1-2-3-4-5と2回叫ぶだけの意味不明なインスタレーション・・多分Benoitの声でしょう。
サーチをかけてみると、日本の方が開いた彼らのファンサイトがありました。
拝見してみると、David Fiuczynskiなどのゲストを迎え結構な枚数の作品をリリースしており、2004年に来日もしてるようです。
もし今度来たらぜひ観にいってみたいです・・Bon Lozaga、恐るべし。
察するに・・ライブご覧になったようですね・・もしかしてFiuczynskiの折でしょうか。
こんどもし来たら、必ずかぶりつきで観てやろうって思ってます。(笑)