キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

ヤロブアムの罪-列王記Ⅰ11~16-

2008-11-16 02:01:29 | 聖書読解
彼は主の目に悪とされることを行なって、ヤロブアムの道を歩み、
イスラエルに罪を犯させたヤロブアムの罪を繰り返した。(列王記Ⅰ16-34)



聖書に度々言及されるヤロブアムの罪。

神が特別に忌み嫌い給うたこの罪とは、一体何なのだろうか?


ダビデによって固められ、ソロモンによって繁栄を築いたイスラエル王国は、

わずか二代にして衰退の坂道を転げ落ちることになる。

ソロモンは確かに知性の人であったが、多くの異邦出身の妻妾を蓄え、

彼女らが外国から持ってきた偶像崇拝に染められてしまった。
(列王記Ⅰ11-3・4)

それゆえ、神はソロモンの子レハブアムの時代に、ヤロブアムを選び給い、

彼をもって王国を分裂させることを許し給うた。

「ダビデのように神の戒めを守るなら」という条件つきで。
(列王記Ⅰ11-26以下)

こうして、繁栄を誇ったイスラエル王国は、北のイスラエルと南のユダに分かれ、

北をヤロブアムが、南をレハブアムが統治することになった。


しかし、ヤロブアムには政治的不安があった。

宗教的聖地であるエルサレムは南のユダにある、

人々がエルサレムに出入りすれば、いずれ王国は再びダビデの家の者の手に渡るかもしれない。

そこでヤロブアムは、自身の政治的地位を確かなものにするため、

金の子牛を二つ造り、自国のベテルとダンに置き、民に偶像崇拝を奨励した。
(列王記Ⅰ12-28~31)

すなわち、自身の政治的欲求のために、偶像を造って真の神を捨て、

民にもそれを奨励して、神の民を迷わせたということである。


儒教では、親への背信が最大の不徳である。

自由・独立の風が浸透した現代の我々からすれば、

古臭い道徳のように聞こえるが、ある意味で一面の真理である。

人は自分の親を裏切って、最も重い罪を犯す。

なぜなら、親は普通、子を無条件に愛してくれる存在である。

無条件に愛してくれる存在を、忘れ、蔑ろにし、裏切り、踏み躙る時、

人間は落ちるところまで落ちる。

不完全なるこの世の親にしてそうである、

霊魂の父なる神に対してはもっとそうである。

人を造り、育て、守り、救おうとする父を裏切る罪。

父以外のものを愛して、父を忘れる背信の罪。

これが偶像崇拝であり、神が最も忌み嫌い給うものである。

偶像崇拝が道徳的に、政治的に、経済的に、心理的に、

いかなる結果を招くかは別次元の問題であって、

霊魂を有する人間にとって最も恐ろしい罪は背信の罪である。

そして事実、偶像崇拝を犯すことによって、

人間内部は徐々に蝕まれ、心は乱れ、道徳は鈍磨し、教育は生命力を失い、

政治は混乱する。これ、歴史的国家が辿ってきた衰退の常道である。


ヤロブアム以降の北国イスラエルでは、ナダブ・バシャ・オムリ・アハブと、

ヤロブアムの道(偶像崇拝)を歩む悪王が次々と登場した。

国民に偶像崇拝が蔓延って、国民の良心は鈍くなり、

イスラエルの如き狭小なる国家では、急速に衰退の一途をたどる。

しかも、アハブという王は、ヤロブアムの罪を犯すどころか、

進んで異郷の神バアルにひれ伏し、ヤロブアム以上の罪を犯した。
(列王記Ⅰ16-30~33)

神に選ばれたイスラエル民族の心は、今や偶像に心を惑わされ、

正義は沈黙し、アブラハム以来の国民的信仰は絶えてしまうかに思われた。


ここで、戦う預言者エリヤが登場する。



人気blogランキングへ

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ば韓国)
2009-03-12 21:39:16
主の平安 ホットする解き明かしが 主からですね。真実はキリストなる神だけですよね。今の時 ただ キリストの命を喜びとして日々 歩み 御ことばに聞き 祈るのみ。が最善かなと。魂は痛がってますが 祈ります。主を求め、正義をもとめ 謙遜を求めます。今からもヨロシクです。ありがとう。
返信する
親ねえ (あか)
2017-12-19 15:08:04
返信する

コメントを投稿