英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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向学心と家庭環境

2013年04月20日 | 子育て
3月に『「固有名詞」子育て』を読了していたので、その感想を・・・。
筆者の息子さんのヒロ君は、メディアにも頻繁に出られている小学生(この4月から中学生)ですので、ご覧になった方も多いかと思います。

小学生でTOEIC900点とか、ミニカー3000台やモック携帯600台を眼隠してすべて言い当てるなど、いわゆる“天才少年”としてメディアでは紹介されていますが、私は本著を読んで、それはすべて、子育て、つまり家庭環境の結果であり、然るべくして今のヒロ君が存在している、と冷静に受け止めることができました。

本著で一貫されているのが、「子どもの好きな世界、子どもが興味を持っていることを大切にし、全力で応援してあげること。そして、何より子供の可能性を否定しないこと」です。

子どもが生まれて間もない頃、すべての親が良い意味で“親ばか”だと思います。何か少しできただけでも「○○ちゃん、すごーい!天才だね!」と言い、子どもは、その親の喜ぶ顔を覚えます。だから、喜んでもらおう、褒めてもらおうと、いろいろなことを覚えていくと思うんです。しかし、不思議なことに、時が経つにつれ、親が子に抱いていた期待は薄れていき、子どもに現実の世界を重ね合わせてしまいます。そして、「まだそんなこと言ってんの!お前にはムリだよ!」といった類の発言が親から出てきて、子どもの可能性の芽を摘んでしまっているような気がしてなりません。

その一方で、可愛さのあまり、または子どもに嫌われたくないからという理由で、子どもが言うがままにゲーム類を買い与え、好きなだけやらせているご家庭も多く見かけます。家族でファミレスに来ているのに、せっかくみんなでキャンプに来ているのに、DSを手放せない子を見かけたことがありませんか?
(ゲームを否定している訳ではありません。買い与える時にゲームの中毒性を説明し、子どもと話し合って「一日30分にしようね」などの約束が出来ていないご家庭が非常に多いのです)

親子の中で何かしらのバランスが崩れてしまい、それが修正されないまま思春期を迎えた時、特に中学生になった時、親がいきなり「勉強しなさい」と言っても、子どもは「何を突然言い出すの?」となるのです。幼少時からの親の子への関わり方、つまり、家庭環境が、子供の勉強習慣を形成していくことは、塾の現場や自分の子育て経験からも、明らかです。

本著を記された加藤さんのやり方も、子どもとの関わり方、向学心を育む家庭環境の作り方の一つです。少なからず私が実践してきたことに近いので、とても共感できました。エピソードの一つとして、ヒロ君がNHKのクローズアップ現代でのテロップの間違いを指摘されたお話があります。実は我が子にも同じようなことがありました。

長男が3歳4カ月で、一緒に本屋さんに繰り出し、子供の本のコーナーに立ち寄った時のことです。平積みされていた『にっぽん探検大図鑑』の表紙に47都道府県の県旗がデザインされていたのですが、それを見た長男が突然、「これは埼玉県、これは岩手県、これは鳥取県」と言い出したのです。

「本当?」と私は言いながら中を調べてみると、何と、全部彼の言うとおり。あまりにも驚いたので、妻を呼んで、再度、違う県旗を指して彼に答えさせると、「これは高知県、これは山形県、これは福島県」と答え始めました。確認のため本の中を調べると、これまた全部正解。気がつくと、周りには人だかりが出来ていて、「すごいな~」「どうやって教えているの」と質問攻めになりました。中には目を丸くしている人も。

息子はパズルを使って、既に都道府県の形と位置、そして漢字の読みまで完璧に覚えていましたが、県旗まで憶えているとは思いもしませんでした。その頃、彼の朝食後の日課は『GLOBAL ACCESS 世界・日本地図帳』(昭文社)の「世界の国旗」と「日本の県旗・県章」のページを開いて古今東西ゲームをやることでした。大人の我々からしてみると、ただのゲーム感覚でやっていただけなのですが、彼は自然と全ての旗を覚えてしまっていたようです。

さらに『にっぽん探検大図鑑』の佐賀県のページで、紹介されていた県旗が滋賀県の県旗と同じになっているという誤植を発見し、小学館さんに電話して訂正用に佐賀県の県旗シールを送ってもらったのでした。その後、地理好きが高じて飛び地にはまり、小2の時にテレビの特番に出演させていただいたこともありました。


こう考えてくると、子どもが好きなことを親がバックアップしてあげて、家庭内で自然とアカデミックな環境を作り上げることが大事だということが分かります。本著以外にも、向学心を育む家庭環境を紹介した本や雑誌の特集記事は枚挙に暇がありません。『「固有名詞」子育て』を参考に、我が家のやり方を微調整し、これからも子育てを楽しんでいきたいと思います。


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