英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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宅建合格体験記

2016年08月26日 | 閑話
今年も宅地建物取引士資格試験が近づいてきましたが、大学生からアドバイスを求められました。私が合格した1999年に週刊住宅新聞社に寄せた合格体験記がFDにありましたので、以下に記します。17年前のものですが、試験内容などは現在も変わっていないので、参考になると思います。


1.受験の動機
銀行入行2年目のある日、私は先輩に融資業務の最初の取組み課題として、取引先の担保再評価を任せられた。これは、根抵当権設定契約を締結している取引先の土地・建物の現在評価額を算出し、契約締結当時の評価額と洗替えるものだ。

それまで預金の窓口係であった私は、意気込んで取組んでは見たものの、制定の抵当不動産評価表を目の前にして愕然とした。

そこには、国土利用計画法・都市計画法・建築基準法・農地法・借地借家法の法律用語が並んでおり、当時の私には何がどうなっているのか皆目見当がつかず、太刀打ちできるシロモノではなかったのである。銀行入行以来、初めて味わう挫折感と自信喪失。銀行を辞めたいと思うほどであった(実際、転職を考え他社の面接に行ったこともあった)。

それから2年後の今年の4月、転勤と同時に個人向けローン(住宅ローン・住宅金融公庫・オートローンなど)の受付窓口担当とり、住宅関連融資の件で不動産業者と面談する機会が多くなった。しかし、生半可な知識では海千山千の業者とはわたりあえず、しかも、宅建主任者でない業者の担当者にきつく言われることもしばしばで、「何故そこまで言われなければいけないんだ?」と思うようになり、何としても、業者と対等に応対できる不動産関連知識を身につけたくなった。

以上の様に、融資業務に対する自分のコンプレックスの払拭と、不動産業者と対等にわたりあえる知識会得のため、私の宅建試験への挑戦が始まった。


2.使用した教材と勉強方法など
実は去年が初受験であり、テキストを購入し、通信講座も申し込んだが、全く勉強しなかった。試験会場の高校が母校であったため、「久しぶりに来たな」などと思っているうちに試験終了。自己採点13点。

【2月~6月】
今年の2月に 『パーフェクト宅建』(住宅新報社)を購入、6月末を目標に通読を開始。しかし、2月に結婚・新婚旅行、4月に転勤・引越と慌ただしい日々を送っていたため、このままでは去年の二の舞いになると思い、5月・6月の正味2ヶ月で読破。これで一応の輪郭はつかめた。1日平均勉強時間30分。

【7月~9月】
7月から実際に過去問 『宅建合格一直線』(ビジネス教育出版社・去年申込んであった通信講座の付録)を解き始めたが全く解けず、今まで何をやってきたのかと自問自答し、焦る日々が続いた。結局のところ、知識のインプットは出来ていても、記憶の定着とそれらのアウトプットが首尾よく出来ないと合格はおぼつかないと悟り、過去問演習と同時にその該当部分を 『まる覚え宅建塾’99』(週刊住宅新聞社)を用いて暗記し始めた。結果として、この方法が最も効率よく身につくと実感。9月末までに税法を除く全分野の過去問約400問を解き、該当箇所の一応の暗記を終了した。この時 「今年は受かるかな」という自信がふつふつと沸いてきた。

また、9月末には、今年の法改正や税法改正に対応するため、当行人事部主催の宅建直前自主参加研修に参加。これは、1日かけて法律・税制の改正点の講習や出題予想、模試を行うものであったが、同じ行員と肩を並べての講習は非常に良い刺激となった(模試32点)。1日平均勉強時間2時間。

【10月~】
あやふやな知識の徹底暗記と、カンを鈍らせないために1日に5問でもいいから問題を解くことを心がけた。10月3日に日建学院の模試を受験。32点であったが、合格確実のお墨付きをもらえたので自信につながった。また、同学院の自宅模試も受験 (37点)し、復習に徹した。1日平均勉強時間2~3時間。

以上が私の採った勉強方法である。極めてオーソドックスだが、問題演習と自分でこれと決めた一冊の暗記用基本テキストがあれば、満点は無理でもボーダーラインまで得点できる力は充分つく。

私は、基本テキストとして 『まる覚え宅建塾’99』 のみ使用し、徒歩通勤の際も片手に持つほど常に肌身離さないことを心がけ、知識の血肉化に励んだ。


3.試験当日と採点結果
当日は12時前に会場へ到着。使い古した 『まる覚え宅建塾’99』 を机上に置き、周囲の人たちの様子をうかがう余裕すらあった。しかし試験開始時間が近づくにつれ、気合いが入りすぎて緊張してきたため、腹式呼吸で気持ちを落ち着けるとともに、今まで融資の件でお世話になった取引先の方々の顔を思い浮かべ、問題と向き合った。いつもの様に、得意分野順に宅建業法・その他の分野・法令上の制限・税法・権利関係と解いていった。業法・ その他の分野は傾向・難易度とも例年通りであったが、法令上の制限から過去問と違う問われ方がされていると感じ、権利関係でパニックに陥った。何とか時間内に解き終わり、マークミスのチェックまで終えたが、試験直後「出来た」という手応えはなかった。

帰宅後、インターネットで解答速報をとりよせ自己採点を行った。問2から5問連続不正解し顔面蒼白となったが、その後もち直し権利関係8/15、法令上の制限7/10、宅建業法13/16、税法その他4/9、合計32点で何とかボーダーラインに残った。


4.試験翌日から合格発表まで
ボーダーラインについて様々な情報が錯綜していたが、31点±1が最有力で、一応合格を確信して12月1日の合格発表を待った。

合格発表当日は仕事の関係で見に行けないため、妻にお願いし県庁まで行ってもらった。10時に妻の携帯へTEL、「今夜は飲みに行くよ!」 という妻の声。嬉しさのあまり職場の上司や同僚に合格を吹聴してまわった。その夜、深酒したことは言うまでもない。


5.受験勉強で心がけたいこと
参考書やテキストの知識のみに頼るのではなく、その知識を少しでも実際に活かそうと心がけることが重要です。私の場合、現在の銀行での担務がローン受付窓口であるため、融資案件のために法務局へ出かけて不動産登記簿謄本をとったり、土地区画整理事業の仮換地における住宅建築資金融資など、実務が直接宅建試験と関連しており、勉強していることが具体的イメージとなり、役立つ点が多々あったことも合格に寄与したと思う。


6.いま悔やまれること
昨年の10月、取引先の方から 「遊休農地の宅地化有効活用と相続税対策のため、賃貸住宅建築と土地売却をしたい」 という相談を受けた。総投資額80百万円、土地売却資金は90百万円程にのぼるプロジェクトであった。初めての大型案件に右往左往しながら取組み、何とか70百万円の融資にたどりついたが、今思うと、宅建並みの知識をそのとき持ちあわせていれば、また違ったアドバイスやプロジェクトの進め方が出来たのではないかと悔やまれる。その案件では私が勉強させてもらったが、宅地建物取引主任者資格試験に合格したこれからは、私がお客様を満足させる番である。


コメント
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