ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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スピードスケート女子500メートルを見る

2006-02-15 22:16:37 | スポーツ
女子もメダルには届かなかった。岡崎が4位に終わった過程はそのまま前日の及川の結果を見ているような既視感があった。

岡崎にとって不運だったのは二本目がイン・スタートだったことではないか。
一般に短距離ではバックストレートでインコースの選手を追う形になるアウトスタートのほうが有利だと言われる。
しかも体が出来ている二本目のほうが一本目よりタイムも良くなる傾向があるので、2本目をアウト・コースからスタートできると有利である。

岡崎は日本選手団の主将として風邪を押して開会式に参加した。それがたたったのか発熱を押してのレースとなったようだ。
だから2本目も結局1本目と同じタイムに終わった。
岡崎にしてみれば決して納得のいく滑りではなかったはずである。

しかし岡崎は決してそのことを後悔してはいないような気がする。それによって自らが積み上げてきたものが壊れるものではないことを知っているから。
自らの立ち位置を知ることができる強さを彼女は備えている。
そして岡崎という選手は所与の要件の中で力を発揮することを考える選手ではないか。
ベテランというものはそういうものであろう。

清水がどこか燃えきれないまま終えてしまったのとは対照的に岡崎は与えられた条件の中で精一杯の力を発揮していたように見えた。
どのような環境の中にあってもその中でベストを尽くすことのできる力。
その強さを見たからメダルを取れなかったこと自体は大したことではない、と思えるのだ。

どのような境遇の中でも折れないということに、我々は胸を熱くするのだ。


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