ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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女子モーグル決勝を見る

2006-02-12 15:35:02 | スポーツ
スキー女子モーグルの決勝を見る。
予選から見ていたが、決勝は真夜中ということでさすがに見れなかったので、朝の中継録画を見る。
結果を知らずに見たのでライブで見るのと同じ興奮が味わえた。

漆黒の闇に照らされる真っ白な一本の道。スタートラインの向こうには丸い月がぽっかりと浮かんでいる。なんと美しい光景だろう。
テレビでさえ美しいと思ったのだから現地で見られた人は本当に幸運でしょうね。

冬の競技は曲芸のようなものが多い。このモーグルもそうだし、スノーボードやフィギア・スケートなどもとりあえずは誰でもがすぐにできるといった類の競技ではない。
それゆえにウィンター・スポーツの多くはやることはもちろん見ることも難しい。

モーグルは3つのパートの総合的な技とスピードを審査する競技である。
まず滑降のタイム、次にこぶを滑降するときの姿勢やスピードなどの技術を競う「ターン」、
そして2箇所に設けられた踏み切り台からジャンプして空中での演技を競う「エア」である。

ターンを着実にきれいにこなそうとするとスピードが遅くなる。
そしてエアであるが、これも最近縦回転を伴った難易度の高い技ができるようにルールが改正されたが、回転系の大技は当然失敗のリスクが高くなる。
しかし大技は成功すればその分採点も高くなる。
スピードと演技の質を破綻しないように維持し続けるということがこの競技の本質的な面白さであろう。

上村愛子は早くから3Dといわれるひねりを入れた縦回転の大技に取り組み、3Dに関して言えば世界の第一人者といわれていた。
そしてその上でターンの美しさを保ちながらスピードを上げていければ、メダルにも手が届いていたに違いない。
実際、決勝での見事なエアが評価され、彼女は一時メダル圏内につけていた。
しかし、彼女の後から演技した選手たちの多くがタイムで彼女を上回った。
そして的確なターンとスピード、確実なエアを演じた選手たちが結局はメダルを手にしたのだ。
モーグルの採点基準はターンのウエイトが高い。
つまり基本的なターンの技術とスピードを確立することは大きなアドバンテージになるのである。

モーグルのことをよくは知らない私でも、
おそらく上村にはなにがあっても破綻しないターンをもうひとつの武器としてブラッシュアップすることが課題として残ったということが分かった。
世界と伍していけるだけの滑降のスピードとターンの技術。

5位入賞は立派な記録だが、彼女が表彰台に立つために今一歩足りなかったものが4年後に彼女を向かわせるのではないか。
なぜかきっと彼女はまだ納得していないような気がするのである。


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2 コメント

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Unknown (さたん)
2006-02-12 18:25:27
TBありがとうございます。

スピードの重要性を改めて知った試合でしたね。

速くてバランスが後傾してた選手も高得点でした。

大技の滞空時間という部分の考慮を、もう少し欲しいところです。

試合は、オリンピックだけではないけど、

4年後、年齢的なものもあるかもですが、ぜひ挑戦して欲しいです。
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TBありがとうございます (りえこ)
2006-02-13 07:02:40
モーグルは予選も本選もLIVEで観ましたが、

昼と夜とで景色が変わって素敵でしたね。

特に夜は書かれていらっしゃるとおり

一本の白い道が浮かび上がって

本当にキレイでした。



そんな中で今回は本当に残念な結果でした。。

エアだけでは点が取れないんですね。

でもきっと自分に何が足りないのか学んだはず。

次は一段と成長した姿が見れますように。
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