Manaboo 電子政府・電子申請コラム 

電子政府コンサルタントの牟田学が、電子政府・電子申請、その他もろもろ、気まぐれにコメントしてます。

政・官の在り方、公務員の情報発信が変わる

2009年10月19日 | 電子政府
「政」と「官」の関係を見直し、政治主導を確立することで、真の民主主義を実現する必要がある。

という一文で始まる「政・官の在り方(PDF:平成21年9月16日 閣僚懇談会申合せ)」には、次のような記述があります。

〔4〕府省の見解を表明する記者会見は、大臣等の「政」が行い、事務次官等の定例記者会見は行わない。ただし、専門性その他の状況に応じ、大臣等が適切と判断した場合は、「官」が行うことがある。

このことをもって、公務員(官僚)が意見を言ったり、情報発信することができず、言論統制だといった主張もあるようですが、これは誤解というか曲解でしょう。

「政・官の在り方」で書いてあることは当たり前のことばかりで、今後は、公務員による情報発信のやり方が変わってくるのだと思います。

一つは、ブログ等を利用した匿名による情報発信があります。

自身が関与する業務に関連して、守秘義務等に反しない範囲で行う、その専門性を生かした情報発信は、国民や関係者にとって役に立つものです。


同じブログ等でも、名前や所属を明らかにした情報発信もあります。

この場合、仕事としてやる時もあれば、個人的な活動としてやる時もあります。個人的な活動でも、NPO等の事業をお手伝いするのであれば、社会性・公共性は高くなります。

もちろん、新聞や雑誌等のメディアを通じた情報発信も可能です。

定例記者会見など無くても、有益な情報があると思えば、メディアは取材に来てくれます。

例えば、電子政府に関しても、ITproなどを通じて、多くの公務員が情報発信や意見表明を行っています。

官僚による政策立案・提案は、悪いことではありません。

官僚自身が国民から信頼され、その内容が、省益ではなく国益を考えたものであれば、時間はかかっても必ずや評価されるはずです。


国家公務員のID管理が進み、組織だけでなく、公務員個人としての説明責任が求められるようになると、「やりっぱなし」の仕事は通じなくなります。

これまで「手柄」とされてきた「制度(天下り先)や事業の創出」「予算取り」といったことが、「手柄」ではなくなることで、別のインセンティブを模索することになります。

国民の支持を得た政策を、少ない予算と限られた人材で、いかに工夫して効率よく実施し、期待される効果を生み出すことができるか。その効果を、政治や国民と共に実感し、自身の仕事の糧とできるかが問われることになるのだと思います。

この変化や流れに抵抗することは、あまり得策とは思えません。

むしろ、この「当たり前のこと」へ早いうちに順応し、新たな「仕事のやりがい」を見つけ、モチベーションを高めていくことが有効でしょう。

公務員改革の担い手は、公務員自身であり、政権交代や政治主導は、そのきっかけでしかないのですね


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