本所・竪川に架かる橋で、隅田川から数えて二番目の橋なので、二ツ目橋(現在の呼称は二之橋)。現在は間に二つの橋が加わって、隅田川から四番目の橋です。
二ツ目橋は鬼平犯科帳シリーズ(池波正太郎著、文藝春秋)で度々登場し、特にこの橋の北詰に在ったと推定される軍鶏鍋屋「五鉄」は長谷川平蔵行きつけの店として、「本所・桜屋敷」(鬼平犯科帳(一)に収録)以来、同シリーズには欠かせない存在となっています。
一方、その「五鉄」ですが、作品の枠を超えて、剣客商売シリーズ(池波正太郎著、新潮社)でも、「三冬の乳房」(剣客商売(二)に収録)、長編「浮沈」(剣客商売(十六))、「ないしょないしょ」(剣客商売番外編)に登場しています。
残念ながら、長谷川平蔵と秋山小兵衛が競演する作品は無く、「五鉄」で鬼平と秋山小兵衛が偶然出会うことはありませんでした。しかし、平蔵は小兵衛のことを知っていました。老中・田沼主殿頭意次の下屋敷に於いて催された剣の試合で、勝ち上がった平蔵の立ち合いの審判を務めたのが秋山小兵衛だったからです(「寺尾の治兵衛」(鬼平犯科帳(二十)に収録))。平蔵は小兵衛のことを「当代、まれに見る名人であった」と回想し、「いまも生きておられたなら、ぜひとも一度、お目にかかりたいものだが・・・」と口にします。
二ツ目橋(二ノ橋、二之橋)が登場するその他の作品
- 藤沢周平著「白い骨」、「片割れ」、「影法師」(いずれも愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)に収録、講談社)
- 藤沢周平著「鬼ごっこ」(花のあとに収録、文藝春秋)
- 宮部みゆき著「遺恨の桜」(初ものがたりに収録、新潮社)
二ツ目橋北詰 東京都墨田区両国4-1-12
都営新宿線・大江戸線 森下駅から約500m 徒歩約7分
都営大江戸線 両国駅から約500m 徒歩約7分
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます