エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

北島キャンピングカーの旅 9日目 トンガリロ・アルパイン・クロッシング

2009年11月13日 | 北島旅行
今朝は曇り空で少々肌寒い。昨日の予報によると、お昼前に晴れるとのことだったので予定を決行。手早く朝食を済ませ、マンガテポポ道路の行き止まりから始まる、トンガリロ・アルパイン・クロッシングの登山口へと向かう



 看板を見ると、トラック(トレッキングコースのこと)の名称を変更した跡がある。以前は、単にThe Tongariro Crossingと呼ばれており、いまだにこの名前を良く耳にする。高山地帯を縦走する全長約18kmのこのコースは、登山道が良く整備されているため技術的に難しくはないのだが、当然のことながら気象条件によっては危険が伴う。そして、数年前に悪天候の中を歩いていた、高山経験のない海外からのハイカーが亡くなるという痛ましい事故が起き、登山者に安全への注意を喚起するために、名称にAlpine(高山)という言葉を補った、という話をこの看板を見た時に思い出した。

 さてさて、曇って肌寒い中を歩き始める。景色はあまり見渡せないが、ひたすらせっせと歩く。上空は雲が少しづつ切れてきて、青空が時々顔をのぞかせる。30分ほどで、マンガテポポ小屋が見えてきた。



 この小屋は、同じ地域にある3~4日の周回コース、トンガリロ・ノーザン・サーキットの登山者が利用する。近くまで来たので休憩がてら見物することに。オフシーズンというのに、何人か泊まり客がいるようで、荷物や食料が置いてある。



 最初の見どころ、ソーダ・スプリングスに向けて歩く。南島の、氷河で削られたり、地殻の隆起で造られた、山・湖・森の風景を見慣れているねむりねこ達にとって、火山特有の黒い土、「鬼押し出し」のような溶岩の跡、岩石の形など、どれ一つをとっても新鮮な驚きにあふれており、踏みしめる一歩ごとに、普段住み慣れた場所とは別の世界にいることを感じる 遠くにナウルホエ山も見える。



 その名から、炭酸水みたいな温泉がシュワ~ッと湧き出ている泉を期待したのだけど、何の変哲もない川がちょろちょろ流れているだけで、そんな泉なんかどこにもありゃしない。そこへドイツ人の3人組がやってきて、「看板に書いてあったから来てみたんだけど、これって何か特別な景色なの?」と首をひねってた。わざわざ足を運ぶことなかったね、と話しながら来た道を戻る。まぁ、こんなこともあるさ…… (後で調べたら、この川が周囲の植物に貴重な水分を供給しているんだって。なるほどね)

 そこからは上り階段が延々と続く。登っても、登っても、なくならない階段を、途中何度か立ち止まりながらせっせと登り続ける。冬に入ってから、ピラティス教室に通う以外は、運動をしていなかったつけがバッチリ回ってきたようで、すぐに呼吸が苦しくなる 「夏が来る前に運動をしなくちゃ、だわ」などと思いながらひたすら登っていると、マンガテポポ・サドルに到着した。左手にトンガリロ山(1967m)、右手にナウルホエ山(2287m)を眺め渡す絶景 あ~頑張って登ってよかったぁ 

 ここから、ナウルホエ山頂まで往復3時間と標識に出ている。まだこの時期、クイーンズタウン周辺のアスパイアリング国立公園やフィヨルドランド国立公園の峰々は、深い雪を抱いて雪崩の危険があるのに、ナウルホエ山は積雪はあるものの雪崩が起きそうな場所は見当たらず、日照で雪が緩んだら、アイゼンやピッケルなしでも行けそうな感じだ。その美しいコニーデ型を間近で眺めていると、



「うううっ、あの頂上に立ってみたい……」

という衝動が起きたが、一応今回は、アルパイン・クロッシングの最高標高地点に立つのが目的なので、次の機会に取っておくことにした

 それからは平坦な登山道になり、広大な雪原に到達する。



日が差して柔らかくなって雪は、足首程度の深さで、歩くのは苦にならないが、時々ズボッとくぼみに落ちて靴がドロドロになる。「あっ、ヤラレタ!」とか言いながら、あっちだ、こっちだと、くぼみのなさそうなところを選んで歩いていると、何だか「黒ひげ危機一髪」のゲームをやっているような感覚になり、可笑しくなってしまった。がだんだん強くなって暑くなり、着ているものを一枚、また一枚と脱ぎ、ついにはTシャツ一枚になる。

 雪原の次は岩場の登り。それまで穏やかだった風が、一転して強くなったので、脱いだ衣類をまた着る。時間的にもそろそろお弁当を食べたかったので、風の来ない大きな岩陰を求めて登り続ける。雪原をわたってくる風はとても冷たく、登りだというのに体がだんだん冷えてきて、ウィンドブレーカーを着て手袋をはめ、帽子の上からフリースとウィンドブレーカーのフードを二重にかぶる。

 いい感じの岩場を見つけ、その陰に隠れるようにしてお昼ごはんにする。昨晩のうちに残りご飯で握っておいた、ツナをワサビで和えたものを具にしたおむすびをほお張る。海苔がなくって塩をしただけなのに、山で食べるおむすびって、どうしてこんなにおいしいんだろう…… 

 イギリス人風の先客がいて「風を避けて理想的な場所だね」などと話す。洋の東西を問わないけど、山を歩くときは、こうしてできるだけ他の登山客と会話を交わすのが賢い。山は人を開放的にして、見知らぬ人同士でも会話が弾み、思いがけない楽しい思いをすることがあるし、お互いの安全確認にもなる。もし、だれかが行方不明になって遭難救助隊が出動した場合、同じ日に山にいた人の証言は有力だ。「その人ならあのあたりで会って、この先どこそこに向かうって言ってた」という一言で、捜索の時間が短縮され、場合によっては遭難者の生存率にも大きく関わる。 

 冷たい風に煽られながら、岩場を登り続け、このコース最高地点のある尾根、レッドクレータの頂上に到達(1886m)。わあっ 火山特有の地形に、ナウルホエ山を後方に臨み、平原を見渡す壮絶な眺め!! 

レッドクレーター自体が活火山なので、少しイオウのにおいが漂い、地面から所々煙が上がっている。



足下には色鮮やかなブルーレイクやエメラルドレイクがあるのだけど、ブルーレイクは完全に凍っていて真っ白け、



エメラルドレイクは半分雪に覆われていた。



しばし感激に浸り、記念撮影。





 適当な斜面に腰をおろして休憩していると…… おおおっ、おシリがぬくぬくと暖かいではないか さっきまで寒風に晒されていた身には、何とありがたいことか。「ここはシリぬく峠だね」と言ったら、猫かぶりが笑い転げる。

 休憩後は、来た道をひたすら戻る。コース自体は、シリぬく峠の反対側を下ってケテハイが終着点なのだけど、そうすると始発点のマンガテポポまでバスで戻らなくてはならず、それは面倒なので、もと来た道をスタコラ戻ることにしたのだった。帰り道は下りということもあって、結構速く歩けた。





 に戻り、冷たい飲み物とアイスクリームを口にして、再びエネルギーが湧いてくる。 今晩は、そこから車で2時間ほど南に行ったタイハペという小さな町のホリデーパークに滞在。ホリデーパークのマネージャーのお兄ちゃんはフレンドリーな人、川べりの静かでいいところだ。

 タイハペは自称「ニュージーランドの長靴の中心地」で、毎年長靴飛ばし競争をするとか。街中には巨大な長靴のオブジェがあるのが微笑ましい。



 明日はどこへ向かおうかな……
 

エコ菜園 実は、あれは……

2009年11月09日 | エコ
 

「ソラマメ」だばかりと思ってたこの双葉は、カボチャだったことが猫かぶりの指摘で判明した。何でも、種をまく前に菜園の土を耕したとき、以前住んでいた人が捨てた(埋めた?)と思われるカボチャの種がたくさん出てきたらしい。その時は、まさかこんなに簡単に芽が出るとは思わなかったから、そのまま埋めておいたとか。

 カボチャはあまり育てたいとは思わないので、可哀想だけど引っこ抜くことにした。そしたら案の定、カボチャの種の殻が根っこにくっついてて一目瞭然だった

 昨日、わが家で一緒にお昼を食べた友人から、ネクタリンの幼木と、オレガノ、カレーの木(葉っぱがカレーの香りがする)を分けてもらうことになった。さあ、どこに植えようかな……

エコガーデン 芽が出始めました

2009年11月08日 | エコ
 仕事は夏モードになり、5連勤明けの休日。たった5日しか働いてなかったのに、昨日は仕事から帰ってきたらゲッソリ、グッタリ

 この時期ならではの臨時の仕事や、新人の面倒を見たりなど、日々の仕事密度が濃かったし、頭も身体も、まだゆったり冬モードから抜けきってないんだろうね。今日から3連休なんだけど、明日から四輪駆動車の運転研修が入ったので、今日だけが休みで、それから実質8連勤。明日は一週間ぶりに猫かぶりが山から戻ってくるんだけど、彼の休日は私の出勤期間にバッチリ重なる。すれ違い生活の夏の日々のスタートだ

 さてさて、そんなこんなしてるうちに、庭の家庭菜園、続々と芽が出てきた お隣のにもお気に入りのこの場所、時々掘り返されていたのを元に戻したりしているうちに、種を植えた位置が移動したと見え、な~んだか妙なところから双葉が生えてるゾ

 これはサヤエンドウで、



この葉っぱはソラマメだと思うけど、



これでは何が何だか分からない



雑草も交じってそうだけど、もう少し大きくなって判別できるようになるまでは、間違って野菜の方をひっこ抜いちゃいそうなので、このままにしておこう。

 苗で買ったものたちは何とか根付いたようで、なかでもは一番元気が良い。友人の話によると、繁殖力が強いのでどんどん増えるとか。ノーム(小人の形をした土の精)が畑を守ってくれてるのも心強い。



 花壇では、名前は知らないが、きれいな紫色の花が咲いてる。



モミジの赤い色もきれい。お隣の巨木はキャベツ・ツリー。ニュージーランドの固有種で食べられるらしいが、葉っぱはものすごい繊維質でおいしそうじゃない。



 現在、北島旅行の続き、ハイライトのトンガリロ・アルパイン・クロッシングのトレッキングを執筆中。あれあからまだ2ヶ月も経ってないのに、はるか昔の出来事のような気がする。
 記憶が色あせてしまう前に書きあげようっと 

ニュージーランドの家探し事情、エコな家でエコライフ

2009年11月02日 | エコ
 しばらく振りの、ちゃんとした(?)ブログ投稿。何から書き始めようかと考えてたら、一番身近なの話がしたくなった。なんてったって、このを探すのに3年もかかったのだもの…… なぜそんな年月を要したのか、理由は条件にあった。

 冬場の日当たりが良く、敷地面積に対して建坪が小さい、2LDKか3LDKの一戸建て。

 ごくありきたりの条件に聞こえるが、この中で「冬場の日当たり」がネックだった。ここクイーンズタウンは山で囲まれているため、冬の日当たりが良い地域は限られているからだ。寒さの厳しいこの地に長く住む人にとって、日当たりはとても重要な問題なので、日当たりのいい場所は人気が高く、なかなか売り物件も出ない。

 そして、人気リゾート地・クイーンズタウンの不動産価格は、最大の都市オークランドのそれと並び、国内で一番高い。ただでさえ高い家が、人気が高い場所だとさらに高くって、ねむりねこ達のおサイフにはなかなか見合わないことも一因だ。

 また、ニュージーランドのDIY(Do It Yourself)文化にはちと困った。日本でもDYIは流行ってるようだけど、ニュージーランドのそれは半端じゃない。まず、フルタイムで普通の仕事に就いている人で、大工顔負けの技術を有している人の割合が多い。そして、DYIショップに行けば、ペンキやノコギリはもちろん、風呂桶や、台所の流し台、水道の蛇口、配管、便器などといったものが、どどっと陳列されている。そんなわけで、ニュージーランドの不動産市場原理はこうなる。

手直しの必要な物件(=壁の塗り替え、居間の絨毯や、台所・お風呂場のタイルやビニール床を張り替えたりする必要がある物件)が市場に出回る
 ↓ ↓ ↓
こうした家を安く買い、時間のあるときに手を入れて、見違えるように立派な家に作り変え、高値で売ることでおカネを儲ける(多くの場合、本業よりずっと実入りが良い)

ということが一般化しているのだ。「手ごろな価格の家」=「手直し必要の可能性大」とあってはDIY能力が限りなくゼロに近く、おサイフの中身も豊かじゃない夫婦は溜め息をつきまくるしかなかった。それでも、希望を持ち続け、探しに探した3年だった。


 粘りに粘って、やっと巡り合ったわが家は、あらゆる意味で期待していた以上のシロモノだった。日当たり、3LDKの間取り、建物の程度、建物の造りと内装、庭の雰囲気、すべて二重丸。



 庭に、ニュージーランドの山小屋風の離れが付いているのが、ねむりねこ達みたいな山好きには楽しい。





 そして、築二十年(十年前に改築しているけど)の物件としては画期的(?)なエコな仕掛けまでついていた……


仕掛け①ウェット・バック(Wet Back)と呼ばれる給湯装置
ニュージーランド家屋で、給湯は電気による温水タンクが主流。水温が下がる冬場は、お湯の使用量によっては電気料金が夏場の倍近くになる。ウチの温水タンクからは、薪ストーブ内部に配水管が巡っているので、スイッチで切り替えると、電気ではなく、ストーブの高熱(火)でお湯が沸かせる仕組みになっている。

<ストーブの背面と温水タンクが収納されている戸棚の壁の間の配水管>


<戸棚に収納されている温水タンク>


 屋根にはストーブの煙突と、蒸気を排出する管が出ている。



 俗にウェット・バックと呼ばれるこの装置は、寒い地域に暮らす人々ならではの知恵で、同じニュージーランド人でも暖かいところに暮らす人は知らないことがある。


仕掛け②暖気循環装置
薪ストーブの煙突の近くの壁に、排気口のようなものとダイヤルがある(写真をクリックすると拡大)。



 これは、ダイヤルで温度を設定しておくと、室内の温度が設定温度に達した時に、暖気を家のそのほかの部分に循環させることができる。ウチの場合は、暖気の排出口が寝室に続く廊下にある(写真をクリックすると拡大)。



 暖かい空気が上昇する性質をうまく利用し、家の中をムダなく暖める仕掛けだ。


仕掛け③花壇のスプリンクラー
庭にある6か所の花壇にはスプリンクラーがそれぞれ埋めてあり、夏場の水撒きが効率良く行われる。これはひとえに効率の問題かもしれないけど、効率良く水撒きができれば、その分水資源の節約にもなるので
エコ、ということに。


仕掛け④家庭菜園
庭の一部に二畳分くらいの家庭菜園があり、前の住人がよぉく手入れをしていたとみえて、いい土がたっぷり。ちょっと掘り返したら、ミミズがたくさん出てきたのがその証拠。日当たりが良いので、ここで自家製無農薬野菜が作り放題なのだ。


 仕掛け①と②は冬に使う装置なのでまだ試していないが、スプリンクラーを試してみたら、場所によって水量の多少はあるけど、まあまあうまいこと散水してくれたのでマル。家庭菜園用の苗と種は、近所の園芸屋さんにのアドバイスを得て、初心者も育てやすいものを買ってきた。



 現在植えてあるのは、サヤエンドウ(棒の立っているあたり)、芽が出ちゃったので植えてみたタマネギ、知り合いの日本人からもらったシソ、大根、ゴボウ、苗で買ったサラダ用ホウレンソウ、青梗菜、レタス、イチゴ、ミント、ルッコラ。お化けのように育ったパセリは前の住人の置き土産。その他、後方の花壇に植えてあるローズマリーの近くにアーティチョークも植えた。


 庭仕事をすると、芝を刈った後の芝くずや、引っこ抜いた雑草、剪定した木の小枝などのゴミが大量に出る。このゴミはコンポストに入れて堆肥を作り、一挙両得をしようと考え付いた。230リットルのコンポスト容器を二つ買い、説明書きに従って、庭ゴミを庭の土、肥料と層にして入れていったら、あっという間に2つがいっぱいになった。



 後はこれを2週間おきにかき混ぜることを繰り返し、約3カ月で完成するという。


 また、町役場がコンポストを始める家庭に補助制度を始め、希望者には、ぼかし用容器2つとEM菌のセットを通常の半額で買えるようになったので早速購入。



 このセットはとても使いやすくできていて、食べ物のクズを入れ、その上からEM菌をパラパラと振り入れ、上からギュッと押さえつけて空気を抜いて、重石をしておくだけというもの。



 食べ物のクズが出たらその上にどんどん追加して、容器が一杯になったら10日から2週間そのまま置いておけばできあがり。(放置している間は、もう一つのぼかし容器を使って、断続的に作り続けられる。)できたぼかしは庭の土に混ぜると4~5日ほどで完全に土と同化してしまうとのこと。夫婦プラスフラットメイト(同居人)の小所帯ではなかなか一杯になりそうにないけど、完成するのが今から楽しみ。

 石の上にも三年、やっと見つけたマイホームは、エコな仕掛けのある家で、そこにはエコライフを実践できる場が備わっていた。このブログへのネタが限りなく広がる、何ともステキな偶然の巡り合わせにかんぱ~い