エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

メニエール病、再び

2010年02月26日 | 思ったこと
 はあぁぁっ…… ガッカリしてしまう 半年以上、影をひそめていたメニエール病が活動期に入ってしまった……

 メニエール病とは、内耳が水ぶくれ状になってしまい、平衡機能と聴力がやられてしまう病気で、日本では難病に指定されている。(詳しくはこちら)。代表的な症状は、耳鳴りと強い回転性の目まい。ジェットコースターのスピンのように、世の中すべてがグルグル回り、立っていられなくなる ついで、吐き気が襲ってくる これ以外には、物が揺れて見える感覚、体がふらふらする、などの各種目まいの症状と、平坦なところでつまづくなどの平衡機能障害、そして聴力障害(難聴)がある

 症状が継続する時間と出る頻度は人さまざま。ねむりねこの場合、回転性の目まい・物が揺れて見える目まいは5~10分程度で収まるんだけど、乗り物酔いのような体がふらつく感覚は数時間にわたって続く。体のふらつき感があるときは、階段は手すりを伝わらないと転びそうになるし、加えてあまり速く動くと吐き気を催す(自分の動作で気分が悪くなる)。そして自分で運転してても車酔いをするし、ほぼいつも両側の耳に、色々な種類の音が混ざり合って賑やかな耳鳴りがして、低音・中音域は少し聞きづらい

 メニエール病は、原因がまだ究明されていないので、確実に有効な治療法も確立されていない。症状の出方は人さまざまだし、有効な治療法も人さまざま。一般的には、投薬、生活習慣の管理、食事療法で改善されると言われているが、症状が出たり引っ込んだりするので、治癒したのか見極めは難しい。また一方で慢性化しやすく、そうなると完治は難しい

 残念ながら、はもうこれが慢性化してしまったらしいので、病気とは一生の付き合いになることも覚悟している。幸いなことには、これを見越した主治医の勧めで、病気の非活動期に理学療法士の下で、病気で損なった平衡機能のリハビリを行っていた。結果として機能がかなり回復したので、病気が活動期に入った場合は症状が軽減・緩和されるだろうとのこと。実際、今回はまだ強い回転性の目まい発作には見舞われておらず、ほかの目まい発作と吐き気、平衡機能障害で済んでいる

 他の生活習慣病のように、これで命を落としたり、他の病気と合併症を起こすこともないので、どうってことないと言えばそうなんだけど、充分に鬱陶しいシロモノである。いつ、どこでめまいの発作に襲われるかわからないので、事前に職場や友人に理解してもらう必要があるし、普段の行動半径は狭まり、万事において消極的にならざるを得ないからだ。

 トランピングも、日帰りの誰でも歩けるようなところが中心。つい最近行ったホームヒルウィスキートレイルなど問題外。アクティブに活動できないと障害者になった気分になり(←というか実質的な障害者)、ストレスも溜まり、落ち込みやすくなる

 自由でアクティブなライフスタイルに代わって、睡眠・休息をたっぷり取り、非番の日はボケボケと過ごし、服薬に、低塩・カフェイン抜き・アルコール抜きの食事、という自己管理の日々が始まった それでも、多少救われるのは、今回病気が出た原因は仕事のストレスと分かっており、その忙しさのピークは過ぎつつあることと、前述の繰り返しになるけど、機能回復訓練の成果のお蔭で症状が軽いこと

 しかし。症状が収まる頃は、仕事が落ち着く頃。もうその時期には夏は終わっており、計画したトリップはほぼ取り止めになる可能性大。

 ああ、そんなのって辛すぎる……
 
 

クイーンズタウン・エリアの知る人ぞ知る絶景 ①ホーム・ヒル山(グリーンストーン渓谷)

2010年02月19日 | トレッキング
 先日、自主トレとして、ベン・ロモンドを自己最高タイムで完歩した理由。それは、グリーンストーン渓谷(Greenstone Valley)とケイプルズ渓谷(Caples Valley)の間に鎮座するホーム・ヒルという山(Home Hill, 1608m)を猫かぶりと歩くためであり、さらにホーム・ヒルを歩く理由は、宝石のように美しい高山湖のスリーピー・ホロウ(Sleepy Hollow, 1700m)に行くためのトライアルなのだ。

 ブログ読者(クイーンズタウン在住の読者も含む)の99.99%は、「それなぁに」という反応だと思うけど、分からないのが普通、分かる人は尋常じゃない山好き=ねむりねこの同類項。「ニュージーランドって、どんなところだろう……」と思ってこのブログを開いたアナタは超ラッキー これを知っておけば「自称・ニュージーランドの山博士」としてワーホリ仲間に自慢できます(周囲をドン引きさせる覚悟・要)。

 さて、ホーム・ヒルは、クライミングやロープワークなどの登山技術は不要だが、トラックや標識が全くなく、地形図やコンパスを頼りに己のいく方向を確認しながら道なき道を歩く技術(ルートファインディング・スキル)が求められるので、上級者向きのトランピングである。
 
 もし位置を確認するのなら、ニュージーランドで市販されている地形図(Topographical Map、通称 Topo Map)の次のいずれかが必要。

Terralink Recreation Mapの"Greenstone and Routeburn"
Parkmapの"Greenstone and Routeburn"
旧地形図1:50,000のE41Queenstown"
新地形図1:50,000のCB09HollyfordとCB10Glenorchy

 グリーンストーン小屋を朝7時半ごろ出発。トラックをグリーンストーン駐車場に向けて歩き、スリップ・フラットの小川(Slip Stream、上流に雨天用の橋あり)を渡って少し行った草地を、北へ向けてずんずん登っていく。登山道なんかない本当のバックカントリーだから、地形図と太陽の向きをたよりに草地から森へと入っていく。途中、シカのこさえた獣道があれば、それをたどった方が歩きやすいのでそうする。



 森を抜けて尾根に出る。ここから先は、頂上を目指して稜線の緩やかそうなところを見定め、草地を藪こぎしたり、岩場やガレ場をトラバースしながら、ガンガン辿っていく。




<ワカティプ湖(Lake Wakatipu, 奥)とレレ湖(Lake Rere, 手前)。このアングルのショットは珍しい>

 幸か不幸か、この日は快晴。眺めがよいのは嬉しいことだが、日差しを遮る物がない稜線上はとにかく暑い。すぐに水がほしくなる。「こりゃ今日は暑さとの闘いだな」と思っていたら、ある地点から心地よい涼風が吹き始め、一気に楽になる。昼食を取った地点で、近くに小川を発見。たらふく水を飲んだ上で、水筒とハイドレーションパックを満タンにする。この先、他に給水できる場所があるか分からないからだ。

 頂上付近はガレ場、岩場のオンパレード。メニエール病でやられた平衡感覚が、リハビリの成果でほぼ元通りになったおかげで、こんな足場の不安定な場所でも恐怖を感じることなく、積極的に登り続けることができる。健康であることって、何て素晴らしいのだろう。



 やった、頂上に立った これまでの苦労が報われる一瞬。




 この達成感と爽快感は、何度経験しても本当にサイコーだ。頂上は標高1608mとそう高い方ではないんだけど、他の高い峰々から離れたところにあるので、結構な絶景である。手当たり次第に周囲の写真を撮りまくる。


<ピジョン島 (Pigeon Island)、ピッグ島 (Pig Island) とリチャードソン山脈 (Richardson Mountains)>


<トゥース峰(Tooth Peak, 2061m>


<ケイプルズ谷 (Caples Valley) >


<エイルサ山脈 (Ailsa Mountains) >


<たぶん、これもエイルサ山脈>


<ボンプランド山(Mt Bonmpland, 2348m)とボールド峰(Bold Peak, 2128m)スリーピー・ホロウのあるあたり>


<アーンズロー山 (Mt Earnslaw, 2820/2830m) >

 登ったら、あとは下るだけ…… 





 ……なんだけど、この下りが登り以上に曲者だった。この時点で日が傾き始めており、うす暗くなる前に森から出るために、登りとは違うルートを辿ることになった。つまり、稜線に出ずに草地や灌木の生い茂る斜面を延々とトラバースしたのだが、まぁ、これがスゴかった。

 この草地といったら、植物が密生してて地面がまったく見えやしないのだ。で、適当に灌木を踏みつけて歩いていると、いきなりズボッと落ちたり、ズルッとずっこけたり。これを越えれば森なのだが、その森はまだ遥か彼方、だんだんと参ってくる気分を紛らせるのは、これまた楽じゃなかったりする。

 そのうち、手当て済みの靴ずれが酷くなりだし、つま先が痛み始め、いつの間にか涼風が止み照りつける日差しになす術もなかったが、もうそんなことは構っちゃいられない。一刻も早く、快適な小屋に帰りついてほっと一息吐くまでは……




 やっとこさの思いで森に辿り着く。ここから先は、脚の痛みと疲労と暑さで体力を消耗していたねむりねこは、猫かぶりの跡をついて行くのが精いっぱいだった。時折、気分転換に猫かぶりが話しかけてくれるのだが、返事を返す余裕も段々となくなってきた。最後までペースを落とさずに歩こうと、行動食を胃に押し込み、水を飲み続けて、歩く、歩く、歩く……

 森が切れて、元来たトラックが見えた時には、全身の力が抜けてヘナヘナと座り込みそうだったが、小屋までは、ここからさらに1時間弱歩かなくてはならなかったので、とにかく頑張り続けた。それにしても、トラックを歩くのは本当に快適でいい。何にも考えずに、ただ歩くだけでいいんだから。 

 小屋に辿り着いたのは夜の8時過ぎ。途中の休憩も入れて、約13時間の長~い一日がやっと終わった。猫かぶりは、がここまで頑張れたことに対して、心から喜んでくれた。彼に言わせると、今回のでのレベルがランクアップしたとのことで、スリーピー・ホロウを始め、この夏に計画しているトリップはどこもほぼ問題ないだろうとのこと。

 うん、褒めてもらってとても嬉しいんだけどね、疲れちゃって、あいにくと今はどこへも行く気になれないな……

クイーンズタウンの日帰りウォーク ②アルタ湖とシャドウ・ベイスン展望所

2010年02月18日 | トレッキング
 先月下旬のある日のこと。以前の仕事仲間が、ひょっこりとクイーンズタウンを訪ねてきて、そう言えば、まだリマーカブルズは歩いたことがないと言ったので、それじゃあぜひ、と行くことにした。抜けるような青空に、黒々と切り立った稜線が美しいリマーカブルズ連峰(The Remarkables, 最高標高地点2319m)はクイーンズタウンのシンボル。スキー場があるので、頂上付近まで車で登れるので、もの凄く手軽に本格的な高山風景を楽しめてしまう、お得な場所である。

 まずは、アルタ湖(Lake Alta)。カール壁に囲まれた圏谷(Cirque Valley/詳しくはこちら)にちょこんと可愛らしくおさまっている、この氷河湖までは、目印の黄色い案内柱をたどって往復1時間半程度で歩ける。

 途中の景色はこんな感じ。森林限界ははるか下(標高1000mくらい)なので木は一本もなく、草地と岩場が広がる、典型的な高山地帯だ。遠くに転々と見えているリフト塔が、冬場はスキー場だということを物語っている。




 そして、これがアルタ湖。


 その水の色の美しさと言ったら……

 
 大気汚染のない地域の雪解け水100%、真夏でも冷たくておいしい水だ。

 次は、シャドウ・ベイスン・トラック(Shadow Basin Track)。スキー場のスタッフが造ったトラックで、DoCが管理するものではなく安全性が確かではないから、DoC発行の日帰りウォークのパンフレットには載っていない。

 ワカティプ湖とサザンアルプス連峰を一望できる展望所まで、標識や案内板の類は一切ないが、ある程度山歩きをする人なら、トラックは比較的容易に見分けられる。険しいガレ場や岩場を登ること30分ほど、柵をめぐらした展望所に辿り着くと…… どうだ、この絶景








 こ~んな手軽に、これだけスゴイ景色を拝めちゃう…… どう考えても、クイーンズタウンを離れるのは、ねむりねこにとって至難の業だぁ


クイーンズタウンの日帰りウォーク ①ベン・ロモンド

2010年02月18日 | トレッキング
 昨年の夏の間ずっと患っていたメニエール病の回転性めまい発作が出なくなり、病気のせいで健常時の三分の一まで低下した平衡感覚を元に戻すためのリハビリを始めて、まぁまぁの状態にまで快復したこの夏。

 困ったことに、ひと夏以上の間、ピラティスのクラスに通う以外、運動らしい運動をしていなかったので、体力も足腰も随分と弱ってしまった。これじゃあ、せっかく病気がよくなっても大好きな山歩きを楽しめじゃないの、ってことで、トレーニング代わりに地元・クイーンズタウンの人気トラック、ベン・ロモンド(Ben Lomond, 1748m)を歩いてみた。



 トラック高低差は約1400m、標準歩行時間は往復で6時間から8時間。チンタラ歩いてもトレーニングにならないので、せっせと歩いてみることにした。

 登山道はこんな感じ。はっきりとして分かりやすく、要所には標識が立っているのでまず迷わない。登山の専門技術は必要なく、ある程度の体力があれば誰でも歩ける。



 登山道から振り返った風景(ワカティプ湖とセシル・ピーク)。もう随分と登ってきた。



 サドル(鞍部)からの風景。ここまではなだらかな登りだが、この先頂上までは一気に傾斜が険しくなり、岩場が増えて足元に気をつける必要がある。






 頂上付近は雲がかかっていたけど、まずまずの眺めが得られた。





 前回このベン・ロモンドを歩いたのは、ニュージーランドに来た最初の年だったので実に10年以上前。頂上まで長い道のりだったのを覚えているが、今回はそう長いとは感じなかった。最短の標準時間をさらに下回ること1時間30分の、4時間30分で往復できた 前回、一日がかりでウィスキー・トレイルを歩いたことで、着実に体力が快復しつつあるのだろう。頑張った結果に大満足のトレーニングだった

冬季五輪にくぎ付け

2010年02月17日 | 思ったこと
 バンクーバー冬季五輪が始まった。ニュージーランドに暮らして12年、物の考え方やライフスタイルがかなり「ニュージーランド化」しても、オリンピックの時期には、普段あまり意識することのない「日本人の血」が、ここぞとばかりに騒ぎ立つ

 元来がテレビなんかあまり見ないのに、昨日、今日と二日連続でテレビにくぎ付けになってしまった。アウトドアは3時間程度近場をハイクした程度、普段忙しさにかまけて最低限しか行っていない庭仕事や家の中のことを中心に、かなり「家虫」の非番の日々である
 種目ではフィギュアスケートが大好き 伊藤みどりの全盛期に感銘を受けた世代なので。日本では観るスポーツとして大人気のフィギュアだけど、ここニュージーランドでは、世界レベルの選手がいないためか、人気・認知度とも高くないのだ。普段お目にかかれない、高レベルの演技をたっぷり観られるのはこの上ない楽しみだけど、やっぱり日本勢の活躍を大いに期待してしまう。

 もちろん、もちろん、スピードスケートの長嶋の銀、加藤の銅メダルはとっても嬉しかった 初めからちゃんと見てなかったから、感動がイマイチだったのが残念 ペアでは日本チームは出場してなかったけど、金メダルを獲ったアラサー夫婦の申 雪・趙 宏博の演技に泣かされたし、銀メダルの龐 清・佟 健の演技に鳥肌が立った。やはり、いいものはいいよね。

 そして、今日の男子フィギュアの日本勢の活躍は凄かった 大舞台のプレッシャーもなんのその、各人がそれぞれの持てる力を出し切って、会心の演技を披露。ぶっ座って観てるだけで、自分で何をした訳でもないのに、嬉しさと感動のあまりテレビの前で小躍りしたねむりねこだった。

 特に高橋大輔の演技には鳥肌が立った。技術も凄いけど、全身からあふれる情熱…… COBAの情感豊かなアコーディオンと演技がピッタリ合ってた。彼のグループの演技が終わった後、こちらのTVスタジオのコメンテーターの総括が入って、開口一番に「いやぁ、タカハシの演技は本当に素晴らしかったですね」と絶賛してた。

 王者・プルシェンコ(貫禄たっぷり、観る者を圧倒するよね。さすが)とライサチェク(は高橋の方が上だと思ったけど)と僅差の3位は、日本人として誇りに感じる フリープログラムを大いに期待しましょう、みなさん。

 時代が時代ならお殿様の織田信成も安定してて、流れがスムーズで凄く良かった…… これだけの技術を持つスケーターなのに、振り付けがちょっと地味だったのが残念。フリーではハデに決めてね 小塚崇彦も独自性が光る曲と振り付けで大健闘…… 結果を待つ間、佐藤コーチと二人並んでニッコニコしてたのが微笑ましい。今後の活躍が楽しみだなぁ。

 がんばれニッポン (←このアツイ感じ、たまらない

 という訳で、この前撮った山の写真はまだカメラの中、しようと思ってた山の話しは、これでまた先延ばしになるのであった

とんと御無沙汰してしまいました

2010年02月10日 | 思ったこと
 最後に投稿してから約2週間が経ってしまった。この期間、投稿しなかった第一の理由はズバリ、トランピングシーズンの夏が来たからである 

 素晴らしい夏の晴天が続く毎日、活動的なねむりねこにとって、室内にいることは不可能に近い。つい先日も、猫かぶりにつれられてあるを探索してきて、すんごい絶景を目にしてしまった…… 

 それに加えて、初めてお会いするお客さんや、久しく会っていなかった友人が突然わが家に訪ねて来たりなど、楽しいサプライズの連続だったこともあるし、庭仕事、特にエコ菜園が大賑わいで、レタス、サヤエンドウ、ミント、ブロッコリーなどが毎日食べられないほど収穫でき、知り合いに配る始末だったり

 まだある。猫かぶりが『水滸伝(すいこでん。中国四大奇書のひとつ)』を何となく読み始めたのだが、「ムチャクチャ面白いから読んでみ」とのことで、それじゃあと、ベッドサイドストーリー代わりに読み始めた

 本に取りかかると、まわりっくどくって大仰な表現(←こういうの苦手 ドストエフスキーもこれで降参した)や、ディープな中国カルチャーに目が点になることしばし。

「ああ、こういう暑苦しい話にはついていけそうにない……」

とか思いながらもさらに読み続けたら、小気味良いストーリー展開と、次々と登場する破天荒な好漢たちが繰り広げる無節操な世界に、あっという間に入り込んでしまって、気が付いたら四巻めの後半 

 ストーリー展開の無茶苦茶さから言ったら、全然タイプは違うが『海辺のカフカ』なんてかなりスゴイと思ってたけど(結構好きな本ですよ)、『水滸伝』はさらにそのはるか上を行ってる…… いやはや、とてつもない想像力、構成力、文筆力である

 のひいきキャラは林冲と花栄。義理に厚く、強い人は好きです 巴御前風の扈三娘も、カッコ良くて好きなんだけど、何であんな王英なんかと…… 捕虜になってる身だし、義理だからとか、そんな物分かりの良い女性になることないじゃ~ん 「お気持ちは光栄至極なんだけど、私、自分より弱い人って、男に見えないのよねぇ」とか言って、晃蓋以下を困らせてほしかった 王矮虎にしたって夫婦喧嘩しても勝ち目はゼロ、一丈青の言いなりになって一生を終えるんだろうね(くふふっ)。李逵が想像してたように、宋江が自分の伴侶にしたらよかったのに…… あ、でも過去の経験から再婚って気にはなれないのかな(←だとしたら、壮士というキャラに似合わず、傷つきやすい心の持ち主なのね)。

 しかし、『水滸伝』の中で女性はロクな描かれ方をしてないのよねぇ 「女=男を誘って貶めるもの」という図式、まるで、旧約聖書にある「アダムに禁断の実を食べさせたイブ」みたいじゃない。洋の東西を問わず、古代の男女の価値観ってこんなんだったのかしら

 さてさて、が最近感動したの風景や、探検の話はいかほどだったのか。それは次回で。(このくだり、水滸伝ファンにしか分かんない~)