エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

2015年初山行はグレノーキーのある場所で滝見物

2015年01月13日 | トレッキング
 ニュージーランドの南島、クイーンズタウンよりあけましておめでとうございます 今年もどうぞヨロシクお願いします


 仕事が変わり、これに合わせてライフスタイルもガラリと変わってしまい、1年以上アウトドアから遠ざかった生活をして、心の底から山歩きが恋しくなっていた

 急坂登攀に息も絶え絶えになったり、長い下りでヒザが痛くなったり、ひどい靴擦れができて足を引きずるようにして歩いたり、飲み水が足りなくなってフラフラになったり、道に迷ってヘンな所に出てしまったり…… そうそう楽しい思い出ばかりではなかったはずなのに、それでもが忘れられない。やっぱりねむりねこは山好きだったのだと改めて思った。


 また、昨年、その前の年と不完全燃焼の夏が続き、気温が低くパッとしない天気に不満爆発だったが、今回のは違う

 寒が戻り雨も多かった11月が過ぎると、一転して眩しい陽射しがあふれ気温もグングンと上がり素晴らしい夏が到来した。例年、寒波が襲来し天候が荒れるクリスマス前後の時期でさえもカラッと暑い陽気が続き、Tシャツと短パンで過ごすクリスマスはクイーンズタウンで暮らす17年間で初めての体験だった

 これだけ好天に恵まれる夏はいつ以来のことだろう…… だから山、森、渓流への恋しさがいっそう募るのだった。


 先週ねこかぶりが帰宅し、共通の休みに日帰りで山へ行こうと話しがまとまった。行き先はグレイシャー・バーン・トラック(Glacier Burn Track)というトランピング・トラック。クイーンズタウンから車で45分のグレノーキー(Glenorchy)からさらに先のキンロック(Kinloch)に向かう途中に登山口があり、ブナの森の中を登って森林限界に出ると氷河盆(Glacier Basin)になっている。標高地図で確認したら氷河盆の先にあるボンプラント山(Mt Bonplant、2343m)の山頂付近にブライアント氷河(Bryant Glacier)があることになっているが、地形上、目視できるポイントは限られているようだ。

 このグレイシャー・バーン・トラックは、10年ぐらい前に友達と3人で歩いた思い出のある場所だ。前回に来た時は真冬で、森林限界を出たら一面雪景色。きれいだったけどとにかく寒かったのを覚えている。




 まずはいきなり徒渉から始まるのだけど、この徒渉、まったく記憶にない…… 冬で水位が低かったので何も苦労もせずに渡ったのだろう。夏の間はわりと水量があるので浅瀬を探して渡った。

 そして、シダの生い茂るブナの森へと分け入る。



 ブナの森の中を森林限界めざしてひたすら登った記憶があるんだけど、実際はわりと起伏に富んでいた。倒木が何カ所も登山道を塞いでおり、トランパー達に踏み固められた迂回路ができていた。また登山道の何カ所かは伸び放題の下草に覆われ、うっかりしていると道を誤りそうになる。グレイシャー・バーン・トラックは経験者向けのトランピング・トラックに分類されており、登山道の整備も数年に1回しか行われないからだ。

 何となく渓流沿いに登ったような気がするんだけど、登山道はグレイシャー「バーン(ゲール語で川の意)」 から離れた所を通っており、実際に川を見るのは森林限界を超えてからだった。う~ん、記憶って結構アテにならないのね


 登山口から2時間ほど歩いて森林限界に出たら、素晴らしい眺望が広がっていた ブナの森の向こうにリチャードソン山脈(Richardson Mountains)がでーんと構えている。



 ちなみにこれが冬の景色。冬に良く起きる逆転層のためグレノーキーの集落は雲の下。




 渓流沿いの木陰でお昼ご飯。ねこかぶりのアイディアで、キャンプ用コンロ持参で簡単な調理をした。



 昼食メニューは、日本から来た友達にもらったアルファ化米にレトルトの牛丼の具や親子丼の具をかけた……ああっ、肝心の食べ物の写真を撮り忘れた 

 お湯を注いで15分で、炊きたてのご飯とあまり遜色のない味と歯ざわりが再現される、アルファ化米は日本の生み出した素晴らしい技術だ。簡単で美味しく、お腹がいっぱいになった。ニュージーランドにもインスタントの調理済み米(Uncle ●●●'s)を売ってるけど、パサパサのポロポロで、紙くずを食べているようで全くいただけない。日本の技術者、エライ

 後かたずけをする猫かぶりの図。ありがとう。




 残雪をまとったボンプラント山の方を見上げると、山頂よりかなり手前の崖から流れ落ちる滝が見えた(写真中央のやや左)。昼食場所からそう遠くはなさそうだったので見に行くことに。




 ちなみに冬はこんな景色。夏は雪がないのはもちろん、太陽の位置が高いので山の斜面すべてに日が当たって明るい。




 昼食場所から少し登って見下ろすと、リーズ川、ダート川とグレノーキーの集落までが見える……いいぞ、いいぞ






 意外だったのは、見た目以上に距離があったこと。1時間程度で滝に行き着きそうな感じだったので気楽に歩き始めたのだけど、だだっ広い氷河盆では正確な距離感が掴めなかった。

 緩やかな登りを歩けども、歩けども、滝がなかなか近づいて来ない。森林限界から上の場所には登山道がなく、タソックの生い茂る草地を藪こぎし、ガレ場や岩場を登り、渓流を渡り…… 週に二回ジムに通っているので運動不足じゃないはずだけど、山歩きはジムでのワークアウトとはまたキツさの種類が違う。






 息を切らせながら2時間近く歩いて滝に到着。






 やった~ 2段になっていて結構壮観な滝だったので苦労もじゅうぶん報われた




 滝に到着したのが午後4時過ぎで、軽く休憩してから下り始めた。高緯度のニュージーランドで、この時期はまだ夜9時過ぎまで明るいし、日本の山岳地で起きる夕立ちもないので、こんな時間でもあわてずに下山できるのが嬉しい

 あとはひたすら下るだけ






 昼食を取った場所の近くに流れる渓流の水をゴクリ…… 渇いた喉に冷たい雪解け水が沁みわたってすっごくおいしい




 

 道のりの半分は登山道がなかったのであまり時間が稼げなかったけど、7時半前に下り終えて駐車場に到着。きれいな景色だったのでパチリ。




 懐かしのトラックでのトランピングは、予定外の滝見物まで加わり大満足の一日、今年もまた良い1年になるに違いない