エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

アオラキ・マウント・クック国立公園 タスマン氷河に大異変!!

2010年08月29日 | 自然現象(気象、地震、雪崩)
 アオラキ・マウント・クック国立公園にあるニュージーランド最大の氷河、タスマン氷河(全長27km、幅4km)に大異変が起きた。

 1週間ほど前に、氷河終点に近いの巨大な裂け目から、三千万~五千万トンの氷が崩れ落ちて、最低でも20もの見事な氷山がタスマン氷河湖に浮かんでいる。それまでにも充分印象的だった地形が、いっそう劇的で壮観さを増している。

 まずは、氷が崩れ落ちる前の風景を(撮影8月14日)。氷河を正面から見ると、



氷河の拡大



氷河湖の景色

 

 
 氷が崩れ落ちた2~3日後、8月24日の模様。写真は氷河正面、氷河の拡大、氷河湖の景色の順。







「ここは南極の海かしら」と思いたくなるほど、氷山だらけの氷河湖に化していた……













 そして、これが今日(8月29日)の模様。昨晩、かなり冷えたので、湖の水(融氷水)がシャーベット状になっているのが面白い。












アオラキ・マウント・クック国立公園 冬のフッカー谷を歩く

2010年08月22日 | トレッキング
 先週の週末、猫かぶりが258km離れたクイーンズタウンから、赴任先のアオラキ・マウント・クック国立公園に来てくれた。お天気がとてもよかったので、近くのフッカー谷(Holler Valley)を歩きに行った。ホワイト・ホース・ヒル駐車場から3時間程度で往復できる手軽な日帰りウォークの終着点には氷河湖があり、青白い氷河や氷山、ニュージーランド最高峰のクック山(Mt Cook, 3756m)が一望できる。
 
 手軽なのに本格的な氷河・高山風景に出会える理由は、この地が高緯度(南緯43℃)にあることによる。緯度が高いので、この程度の低地(標高800mくらい)でも、低緯度の地域ならかなりの高地に行かなくては見られないような、迫力ある山岳風景や貴重な高山植物を間近に目にすることができるのだ。

 朝霧が濃かったのだが、歩いているうちにみるみる青空が顔を出し、



雲間からこの辺を代表する秀峰のセフトン山(Mount Sefton)が顔を出した。
 


同じ秀峰、ちょっとアングルを変えて完全に雲が切れた状態。



行く手に最高峰クック山の勇姿 夏に比べて雪の量が多い。



 このクック山、標高が富士山より20m低いのだが、高緯度に位置するため、頂上付近は一年を通して万年雪と氷河に閉ざされている。登頂には高度な登山技術を必要とし、毎年、遭難して命を落とす登山者が後を絶たない。気象・氷雪・山岳状況は世界最高峰エベレスト・チョモランマ山(8848m)に似ているので、人類史上初めて登頂に成功した故エドモンド・ヒラリー氏がここで訓練を行ったことはニュージーランドでは有名な話。また、先住民族のマオリにとってこの山が大切な聖地というあたり、日本人の富士山信仰を思わせる。それもそのはず、マオリも、日本人も、アニミズムを文化の起点としているからなのだ。

登山道の途中、休憩所兼悪天候の際の避難所ストッキング・ストリーム小屋(Stocking Stream Shelter)が。谷なので物凄い強風が吹き荒れることがあり、そんな時はこの避難所で風が収まるのを待つ。




終着点、フッカー湖(Hooker Lake)に到着



氷河湖に映る、クック山。




湖には氷河がプカプカ浮かんでいる。



湖岸には、崩れた氷河のかけらが。



氷河のかけらに接近すると……



氷の中にたくさんの空気の泡が。雪が物凄い力で圧縮されてこの氷ができたことがわかる。自然の力ってすごい。




フッカー氷河のクローズアップ。




氷河湖を別のアングルから撮ってみる。



そしてもう一度、氷河に接近。



う~ん、すごい迫力!!きれいだな~


来た道を戻リ、クック山を振り返る。



吊り橋を渡るねむりねこ




彼方にミルキー・ブルーのプカキ湖が見える。




お天気に恵まれ、大満足のウォークだった 

アオラキ・マウント・クック国立公園で暮らす

2010年08月21日 | その他南島

<朝焼けのセフトン山(3157m)ニュージーランドで2番目に高い山だけど、登頂難易度では最高峰クック山を凌ぐ>

 臨時の人事異動でアオラキ・マウント・クックに赴任して2週間が過ぎた。これまでもここに来たことは何度かあるが、いつも夏の時期ばかりだったので冬は初めてだし、もちろん暮らすのも初めてのこと。クイーンズタウンよりずっと寒いんじゃないかと思ってたけど、実際のところ大して差がない気がする。家が寒さを考慮して建てられていて、暖かく過ごせるのは嬉しい限り。これまでで一番寒かったのは-6.8℃、朝歩いて職場に向かう間に、吸い込んだ空気が冷たく乾いていて、鼻の奥や胸がキーンと痛くなった。


<セフトン山とマウント・クック村>

 国立公園内の暮らしのいいところは、この国を代表する、素晴らしい山岳風景を毎日眺められること 朝焼け、日中、夕焼け、一日の中で表情を刻一刻と変える山々の眺めの美しさと言ったら…… 毎日がシャッターチャンスの連続だ。窓のすぐ外は、ニュージーランドを代表する高山植物、固有種や絶滅危惧種に指定されている植物・鳥類が身近に生息する、とっても繊細な生物多様性の世界。そんな特別なところに住んでいるんだと、考えるだけでドキドキしてしまう


<家の前の残雪につけられた足跡>

 反対に不便なところは、国立公園内の集落には食料品や日用品を買える店がないので、ここに住む人は、大きな町に繰り出してまとめ買いをしなくてはならないこと。

 これを聞きつけたねむりねこは、地元クイーンズタウンのスーパーで、出発前に4週間の食料・日用品を予め買い込んだ。4週間分って、いったい何を、どのくらい買えばいいのか見当もつかなかったけど、「寒いので煮込み料理を中心に、時々パスタや炒め物を」と思い立ち、それに合わせて食材を揃えた。

 野菜と果物は保存の利くものを中心に、緑黄色野菜や根菜のバランスも考えて。生肉は持って行く前に冷凍して、冷蔵でも日持ちのするベーコンやソーセージも。冷凍の魚介類はあまり好きじゃないから、ツナ缶とオイルサーディンでいいや…… いや待てよ、4週間の間には、休みの日にクイーンズタウンに帰ることもあるだろうし、猫かぶりが遊びに来ることもあるだろうから、仮に何かが不足したってへ一ちゃらだわ、と思い至り、多少加減して買い揃えたつもりだった。

 しかし、実際に生活してみたら、こりゃどう見ても買い過ぎたどうやり繰りすれば食料が悪くなる前に食べ切れるか、賞味期限や鮮度とにらめっこしながら計画・工夫の毎日は、その日の気分で「あー、今夜はこれが食べたい」と献立を決めてきたにとって、結構な試練である


<近所で見つけたクマの雪だるま。ここに滞在中のアーティストが作った>

 平日は、情報提供や環境教育の仕事に励み、週末は付近をハイキング。職場の人たちは暖かくて親しみやすい人ばかりなので、毎日とても楽しく働いている。環境教育の内容も、さすが国立公園内らしく、野生動物、気象、地形、人々の歴史など、題材には事欠かない。

 この前の週末は、猫かぶりとフッカー谷を歩いた。その様子と写真はまた次回。

約1ヶ月ほど、お休みします

2010年08月06日 | 思ったこと
 飼い猫のとらの外出訓練はとっても順調 猫ドアの使い方をマスターしたし、ここが自分の家だとちゃんと認識しているようで、名前を呼ばれなくても、自分から家に帰ることを覚えた。



 外出訓練の初日は、ねむりねこと一緒に1時間ほど庭を散策した。とらは、にゃあにゃあ鳴きながら少し歩いては、の足下にすり寄ることを繰り返した。久し振りの外歩きに、嬉しくて、嬉しくて仕方なかったんだろうね。そのうち、木に登ったり、塀を越えてお隣の庭に行ったりしたけど、「とらちゃ~ん」と呼ぶと「ニャン!」と鳴いて駆け寄ってくる くっきりした黒トラ模様がワイルドな印象を与えるが、性格はとても従順で人によく馴れるのだ。

 二日目は、お天気がよかったので、夫婦とフラットメイトの三人で外でお昼を食べたり、本を読んだりして過ごした。とらはその間、自由に庭や隣の家を探索しては、時折達のところに戻ってくる。みんなの顔を見ると安心するのか、「お外って楽しいね」と報告しにきてるのか。裏の家の犬に吠えられて怖い思いをしたり、わが家の庭に遊びにくる近所の猫たちと対面したけど、温和な性格ゆえ相手を威嚇しない。日中、結構長い時間を外で過ごして疲れたのか、夜は室内飼いしていた頃よりもよく眠っていた。

 三日目は、朝からとらの好きなようにさせた。夫婦がお昼頃外出した頃には、とらはどこか外にいたのだが、午後3時過ぎに帰宅すると、既に自分で部屋に入っていて、フラットメイトの一人とその友人達と楽しそうに遊んでいた。これならもう安心だ

 ここ2~3日、とらと一緒に外で過ごしてみて、とらがよく懐いていることを実感、ますます可愛くなった これまで、さまざまな猫と接してきたけど、こんなに気だてのよい猫には初めて会った。とらと引き合わせて下さった、神様、仏さま、ご先祖さま、どうも有難うございマス。



 仕事の関係で、マウント・クックの部署で4週間配置換えになった。兼ねてから興味があり、希望を出しておいた職種なので、今回わざわざ声をかけてくれたマウント・クックのマネージャーには感謝、感謝 嬉しいこと夢のようなのだけど、その間とらに会えなくなるのが今から寂しい 週末に1回か2回はクイーンズタウンに帰ってくるつもりだし、家の住人の誰にも、分け隔てなく懐いているから心配はないんだけどね…… あちらではインターネットが使える場所が限られており、ブログの更新もあまりできそうにないんで、ひとまずお休み宣言。

 もし、もし、機会があればマウント・クック便りをアップしようかな。
 

寅年に「とら」がやってきた

2010年08月03日 | ネコ
 たまが忽然と姿を消して4週間近くになる。懸命の努力にも関わらず、その行方は杳として知れず。一体、どこに姿を消しちゃったんだろう。だれか優しい人に飼われているのならいいんだけど。逃げる前の晩、おそるおそる、ねむりねこにすり寄ってきたたまを思うと不憫でならない。ああ……

 「帰ってきてほしい」と思う反面、元来が野良猫だったことを考えると家に戻ってくる可能性は低いので、いつまでもとらわれない方がいいのか、迷い始めた頃のこと。たまを紹介してくれた、Queenstown Cat Rescueという地元のネコ保護組織から、飼い主の見つからないネコがいるという情報を得た。

 写真を見ると、きりっとした顔立ちのまだ若そうな黒トラ。見つけた人によるととても人なつこいとのこと。このネコに会ってみたくなり、早速連絡した。

 会ってみると、初対面とは思えないほどなつっこくて、どうやらこのネコは「人見知り」とは全く無縁らしい。多分、野良猫というより地域ネコのような感じで、いろいろな人に食べ物をもらって生きながらえてきたんだろう。それが証拠に野良とは思えない毛づやのよさ!! 

 とても気に入ってしまって、このネコを家に迎えたいと猫かぶりに話した。もし、たまが忘れた頃に戻ってきたら二匹一緒に飼うことも含めて。猫かぶり曰く「ねむりねこが気に入ったんならいいよ」じゃあ決まり。あのネコをもらおうっと。

 会った翌日、ネコを引取りに行き「とら」と名付けた。正式には「虎乃助」なんだけど、「とら」の方が日本語を話さない人にも呼びやすいし、ネコも覚えやすそう。ちなみに、ニュージーランド先住民族のマオリの言葉では「(炎が)燃える」「燃えた(状態)」という意味があるそうな。家につれてきたその晩、とらは戸惑う様子もなく、にゃあにゃあと住人に愛想を振りまき、ソファに飛び乗って毛繕いを始めた。

 その翌日、獣医さんに連れて行って健康診断と予防接種を受けた。

「とっても健康そうですね~ 年齢? う~ん、2、3歳ぐらいかしら。去勢手術の跡があるから、以前は飼い猫だったんでしょうね」

とのことでほっとした。



 とらのいいところは、誰とでもすぐ仲良くなれることと、お利口でお行儀がいいこと。

 食卓や台所の調理台には絶対に乗らない。人間が食事中に食べ物をねだらないし、人間の食べ物をネコババしない。名前に2~3日で反応するようになった。爪とぎ用に絨毯の切れ端を与えたら、必ずそこで爪を研いでいる。いろいろな声色を使い、まるでおしゃべりしているような鳴き声で意思を伝えようとする。

 一方で、元野良猫(外ネコ?)ゆえの難しさもある。

 新しい家に慣れさせるために、最初の3週間ほどは完全な室内飼いにするんだけど、とにかく外に行きたがる。現在、家には空き部屋がないので、リビングをとらの部屋にしており、リビングには玄関のドアや庭に出る勝手口がある。だから、誰かが家を出入りする時は、他の人が室内でとらの気を逸らしていなくちゃならない。とらのトイレは、リビングから近い人間のトイレの中に設置して、何度も教えたがなかなか自分から使おうとしない。トイレは外でする習慣がついているのだろう、便意を催すと、勝手口の近くをウロウロ始める。その度にトイレに連れて行ってその上に座らせることを何度か繰り返して、やっと使うようになった。

 そんなこんなあっても、とらはわが家の人気者。ねむりねこ夫婦と3人のフラットメイト、家を訪れる友人達に猫可愛がりされている。明日は、とらの外出デビュー予定。うまく行くといいんだけど。