エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

ニュージーランドでの生活に欠けているもの

2010年03月31日 | 思ったこと
 メニエール病の発作が出るようになって以来、トランピングに行こうという気は失せてしまい、過去の山の話の整理がてらブログを書こうと思っても、何となくそういう気力も萎えてしまっていた。ブログに限らず、万事に対して無気力になりがちの毎日。

 病気を快方に向かわせるには、ねむりねこの場合は気分転換が必要。それも、仕事のストレスをスカッとすっ飛ばしてくれるような 以前はこんな時はジムに行ってパンプアップをやっていたのだけど、運動中に頚を痛めてからは足が遠のいてしまった

 他に何かいい方法はないかしら…… と思っていたところに、最近親しくなった友人が「テレビを見るよりYoutubeをやる方が楽しいよ」と言っていたのを思い出し、「そんじゃあ真似してみっか」と思ってYoutubeを開いてみた。
 
 Yahoo!ニュースでフィギュアスケートの世界選手権のことが載ってたから、ではそれ関係の映像を、と検索したのが運のつきだった 

 なぜなら、これこそが、12年のニュージーランド生活で欠けていたものとの出合いだったからだ

 ラグビー王国・ニュージーランドでテレビ中継されるスポーツと言えば、まずラグビー。つぎにクリケット、ホッケー、女子のネット・ボール(バスケットボールを簡易化したような球技。旧英国連邦で盛ん)。そしてサッカーが時々。以上、である。日本で人気のある、野球、バレーボール、陸上競技等々をテレビでお目にかかることはない。

 子供のころバレエを習っていたり、学生時代はデンマーク体操をしていたり等、「踊り」や「美と技を競い合うスポーツ」を観るのが大好きなだが、ニュージーランドに来て以来、この手のものは、オリンピック中継を除いて、観る機会を全く失っていた。

 だから、Youtubeで高橋大ちゃんとか、浅田真央ちゃんの演技を目にした時の感激といったら 

 ……息をするのも忘れるほど熱中して観てしまった。

 加えて、ロシアのエフゲニー・プルシェンコとか、昔の伊藤みどりとか見始めたら、もう止まるのは不可能。

 パソコンの電源を切っても、音楽が耳元を離れず、演技者の姿が脳裏に次々と浮かび、眠りにつけば夢の中にプルシェンコが現れる

 う~ん、これほどにこの手のスポーツ観戦に餓えていたとは 自分でも物凄い驚きである。ニュージーランドに暮らすのが好きで、これと言った不自由は感じていない、と思っていたのに。人って分からないものね

日本に先がけて「アリス・イン・ワンダーランド」を観た

2010年03月17日 | 思ったこと
 アリス・イン・ワンダーランドを観に行った まだ周囲で誰も観てなかったので、一番乗りになった

 画像がリアルできれいだし、ストーリー展開もOK。衣装がとてもきれいだし、俳優さん達の好演も見逃せない。

 特にジョニー・デップ(マッド・ハッター)とヘレナ・ボナム=カーター(赤の女王)の怪演ぶりは、それだけでかなりの見物だった。CGの各種キャラクター、チェシャ猫、白ウサギ、芋虫のアブソレム等々、どれも可愛くてリアル。

 ティム・バートンの描く不思議の国の話だから、「チャーリーとチョコレート工場」を凌ぐクレイジーでナンセンスな世界を覚悟してたんだけど、あそこまでかっ飛んでなくて、かなりヘンながらも安心して楽しめた。

 ねむりねこが住むクイーンズタウンにはまだ3D映画館がないから、普通の映画館で観たんだけど、それでも充分に面白かったから、あれが3D画像だったらもっと凄かったろうな。

 はインターネット・ブラウザはFirefoxを愛用してて、アドオンでアリス・イン・ワンダーランドのテーマを見つけたので、早速ダウンロードして使ってみた。うん、結構いいね

映画の公式ウェブサイトにアクセスして、チェシャ猫の画像をPCの壁紙に貼り付けた。ちょっと気味悪いけど、これも可愛くて気に入った

 今日はMao's Last Dancerを観に行こうっと。この映画、日本では公開されないらしい。


クイーンズタウンの日帰りウォーク (3)ベン・クレーシャン山

2010年03月04日 | トレッキング
 このタイトルを見て「あれ、ベン・ロモンドの間違いじゃ?」と思った方、わりと普通の反応です でも、こういう素晴らしい山もあるのよね、リマーカブルズ連峰(The Remarkables)のすぐ近くに…… ベン・クレーシャン山(Ben Cruachan, 1895m)へのトラックはDoC発行の日帰りウォークのパンフレットには載っていないが、地形図(Queenstown and Cromwell Terralink 1:50,000)にはしっかり刻まれている。 

 (↑この一文を読んで、頭の中がはてなマークだらけになった方、ここはかなりローカルな山の話をブログなので、悪しからずご容赦のほどを 一応、どなたにも楽しんでいただけるよう、それなりに配慮はしてるつもりですが。)

 持病のメニエール病が活動期に入り、耳の平衡機能がまともに働かなかなくなってしまったねむりねこには、オフ・トラック・トランピング(off track tramping, 登山道がついてない山でのトレッキング)はムリ。かといって、クイーンズタウン・ヒル(Queenstown Hill)など、日帰りウォークのパンフレットに載っているトラックは、とうの昔に歩きつくしていて、今更わざわざ行く気になれないし、

「ああ、どこかよさげなところないかなぁ」
と地形図を眺めてたら、
「おおっ、これだぁっ!!」
と見つけたのがこのだった。

 クイーンズタウンからギブストン・バレー(Gibbston Valley)方面に車で走り、コール・ピット・ロード(Coal Pit Road)を入り、さらにその先の4WD道路を登りきったところにある、コール・ピット峠(Coal Pit Saddle)が始点。



 峠からは、単に古い牧場道をたどって、稜線伝いにベン・クレーシャンの頂上まで歩いて行くだけ。藪こぎもルートファインディングもないなので、技術的には難しくない。距離にして往復20km程度、標高差も800m程度と緩やかなので体力的にも全くOK。

 この手合いなら、軽いめまいの発作に襲われたとしても、まぁ何とかなるかな…… というか、多少のことを押してでも行きたい気持ちが強いのだ 万一、途中で具合が悪くなったら引き返しゃあいい、家の中でウジウジしてるよりよっぽどましだ。きれいな山の景色を見たら、いい気分転換になって、病気も楽になるかもしれないしね。

 でもさすがに一人で行くのはちょっと心配だったので、非番の日が重なった猫かぶりに話したら、
「それ、いいね。俺も実は狙ってたんだ」 
と大いに乗り気

 愛車のRAV4を駆っていそいそと出発。峠へ登る4WD道路は所々浸食がひどく、4WD車としては車高が高くないRAV4で、うまく乗り越えられるか少し心配…… 



 安全のため、峠の手前1kmあたりに車を置いて歩き始めた。ここでもう標高1000m近く、すでになかなかの眺めじゃないの。



 あたりは、歴史保護地区(Historic Reserve)に指定されており、かつては炭鉱があったところ。去りし日を偲ばせる器具を見つけた。



 緩やかなアップダウンがある、眺めの良い稜線歩きはとても気持ち良い。ああ、思い切って来て良かったなぁ(←今のところは)





 これが目的地のベン・クレーシャン。山というより大きな丘といった感じ。



 途中にカッコイイ岩があった。このあたりから、風が結構強くなる。風速50km/h近くあるだろうか。



 頂上に到達。これまで登った山に比べて、頂上部分が広く開けている。



 風の来ないところを選んで腰を下ろし、まずは昼食。そして風景写真をパチリ。まずは、リマーカブルズ連峰の最高峰シングルコーン(2307m)とダブルコーン(2319m)。いつもは遠く見上げている岳々をこんなアップで見られるなんて、ちょっと感激。



 赤ワインのピノ・ノワール種のふるさと、ギブストン・バレー。ここのピノはたいへんに高品質。国際ワインコンテストでも上位入賞してて、高いけどとても美味しい(写真をクリックすると拡大)。連なる山々の向こう、ワナカ湖(Lake Wanaka)も写真に入れたハズなんだけど、うまく映らなかった。



 クイーンズタウンからカードローナ谷(Cardrona Valley)経由でワナカへ抜ける道路、クラウン・レンジ道路(Crown Range Road)が通る、クラウン台地(Crown Terrace)。普段は車で通るだけなので、上から眺めたのは初めてのこと。



 ヘイズ湖(Lake Hayes)のあるあたりの盆地。



遠くにグレノーキー最高峰のアーンズロー山(Mt Earnslaw)と



国立公園の名前にもなってるアスパイアリング山(Mt Aspiring)が見えた。



 また、フィヨルドランド最高峰のトゥトコ山(Mt Tutoko)も見えたんだけど、写真撮影に失敗…… ちと悔いが残る。

 来た道を戻り、帰りがけに本道から外れたところにある稜線の最高峰2008m峰に登ってみたくなった。



「でもさ、この峰へはトラックがなくて、ガレ場や岩場を歩かなくちゃいけないよ。目まいがするのに大丈夫?」

心配する猫かぶり。確かに理屈だけど、すぐそこに見えている山に登らない手はないよね。自分の病気のことはすっかり棚に上げて、

「そんなに長い距離じゃないし、傾斜も大したことないから、登ってみたい」

と強気の発言のだったが、ガレ場を少し歩いただけで後悔した。

 つい最近、1548峰ホームヒルを歩いた時と比べると、全く信じられないほど足元が不安定で、何度か転びそうになる。ところどころ、猫かぶりに支えてもらう羽目になったけど、あきらめなかった。頂上に近づくにつれ、足場が悪く、風がかなり強くなった。この時点で、かなりフラフラになっていたは、登頂をあきらめ頂上すぐ下の岩場で休憩することにした。



 2008m峰の頂上に立った猫かぶり曰く、標高はこちらの峰の方が高いけど、間近にさらに高い峰々が迫っていいるので、眺めはベン・クレーシャン山の方がずっと良かったとのこと。頂点に立てなかった悔しさが和らいだ。

 それから、元のトラックに戻ったのだけど、平衡機能がまともに働かない体では、緩やかなガレ場の斜面を下りるのがかなりの難業だった。ある程度、予測してたこととは言え、いやぁ、まいった、まいった。

は、世界一頑張り屋のメニエール病患者だね」

とは、猫かぶりの弁。頑張り屋かどうかはちょいと怪しいけど、好奇心と負けん気は人一倍強いかもね……

 あとは稜線をなだらかに下るだけだから、超楽勝、と思いきや……

 たぶん、地形的なものだと思うけど、風が来た時より格段に強くなってる。谷からごうごうと吹き上げる風が、体感で時速70~80kmぐらいだろうか。場所によっては、おそらく時速120~130kmもの突風が吹きすさび、渡渉する時みたいに、二人で支え合いながら歩かないことには吹っ飛ばされそうになった。これは全くの予想外。そんな訳で、帰り道は写真撮影をするどころの騒ぎじゃなかった。

 何はともあれ、無事に駐車場まで帰りついてひと安心。色んな意味で、山あり谷ありの、充実した日帰りウォークだった

ニュージーランドでグルメ・トレッキング

2010年03月01日 | トレッキング
 泊まり掛けのトランピング(=トレッキング)の食事と言えば、フリーズドライ食品、インスタント食品、レトルト食品などが代表的。アウトドアショップに行けば、さまざまな携行用食品を売っており、少々割高でもその手軽さは絶大な人気を誇る。

 しかし、である。

 頑張って歩いた「ご褒美」ともいうべき夕食が、インスタント食品とは味気ない、と思ったことはないだろうか…… 

 もし、新鮮な食材で作った料理になんか添えて、気の合う仲間と一日を締めくくったら、いっそう思い出深い一夜が過ごせるのではないか、と。

 そんなことを考えた、あるニュージーランド人トランパーが書いた本が「ニュージーランドでグルメトランピング(Gourmet Tramping in New Zealand)」。



 キャンプ用ガスコンロを使って、30分程度で作れる「本格ディナー」のレシピを、写真入りでわかりやすく説明し、料理に合うワインのチョイスつき。



 レシピの種類は実にバラエティ豊かで、ヨーロッパ風、地中海風、アジア風など。どのレシピも「アウトドア料理」の域を越え、急な来客があった時にも使えそうだ。



 「でも、肉とか野菜にまで担いだら、長時間歩くのはしんどいんじゃないの

 という心配は無用 この本では、3時間ほど歩けば山小屋に到達でき、しかも眺めの素晴らしいトランピング・トラックをニュージーランド全土から厳選し、その土地にピッタリの料理を紹介しているからだ。



 加えて、各トランピング・トラックへの行き方や、見どころ、付近で買い物できる場所の紹介、山歩きに必要な準備などがわかりやすく解説されている。

 それだけじゃない。(細かいことだけど)ねむりねこが「さっすが」と思ったのは、で使われている植物の写真には通称と学名が明記されていること。これは、著者のジョン・ソイヤーさんがDoCに勤務する植物学者だからなんだけど、数あるトランピングのガイドブックで、植物の学名まで載せているのはこの本以外には見たことない
   
 料理のレシピ、トラック、自然、景観の紹介…… このの凄いところは、山を楽しむことへの徹底したこだわりにある。ジョン・ソイヤーさんは、本当にトランピングを愛する人なのね。訪れた山小屋でこういう人と出会ったら、すっごく楽しいだろうな~ ちなみに、ジョン・ソイヤーさんが実際に山小屋で料理を作る動画もある(こちらのリンクから)。

 夫婦お気に入りのレシピは、「牛のリブロース・ステーキのカポナータ添え」。色どりも鮮やかなカポナータ(イタリア風野菜ソテー)と、ミディアム・レアに焼いたステーキ。



見た目と味の良さはもちろん、適度なボリュームにお腹も大満足の一品で、二人でクリスマス・イブに山小屋で食べたメニュー(詳しくはこちら)だ。

 という訳で、超お勧めの一冊 ニュージーランドに来たら、本屋さんを覗いてみよう。


<データ(貼り付け元情報 )>

タイトル: Gourmet Tramping in New Zealand
著者: John Sawyer & Liz Baker
出版年: March 2007
価格: NZ$29.50
装丁: Paperback, 350 g, 240x170 mm, 120 pp, 全カラー
ISBN 978-877257-50-6