これだけいいお天気
が続くとガツーンと外遊びがしたくなる。新年初
歩きに選んだ場所は、クイーンズタウンのシンボル・リマーカブルズ連峰の最高峰、シングルコーンとダブルコーンの頂上付近の周囲をぐるっと巡る「クイーンズドライブ」。
アップダウンはあまりないから体力的にはキツくないんだけど、ガレと岩場の連続で足下は崖、というところをトラバースする。もちろん、登山道とかトラックという有り難いものは一切なし、何となく山肌に残った他人の踏み跡をたどったり、道なき道を行くワイルドなトランピングだ。
その代わり、標高2000m超からの眺望は素晴らしく良い
普段住んでいる地域を足下に見下ろし、遠くはグレノーキーの秀峰アーンズロー山、国立公園の名前にもなっているアスパイアリング山、そしてフィヨルドランド国立公園の秀峰の数々、ツトコ山やクリスティーナ山などが一望できてしまうのだ
数年前の同時期にも歩いたことがあるのだが、あのゴージャスな景色にまた会いたくて決行したのであった
まずは、リマーカブルズの駐車場から、右手のリフト沿いに登りシャドウ・ベイスン展望所を目指す。傾斜はキツいが、トラックがついているので辿るのは簡単。
30分ほど登ると展望所に到着。ここに来るだけでもかなりの絶景が楽しめる
残念ながら、クイーンズダウンの人気ウォーク、ベン・ロモンド山頂(1748m)はまだ雲の中。
近くの崖ではロッククライマーが。
クイーンズドライブはこの展望台を始点に、反時計回りで歩くのが普通。逆回りすると、崩れやすいガレの急斜面を下ることになるので、避ける方が無難だろう。まずは、先ほどのロッククライマー達のいる崖下の急斜面を登って行く。写真が小さくて分かりにくいけど、左下のちっこい人影がねむりねこ
で、そこからまっすぐ上に辿ると崖にクライマーたちの姿がある。
歩き始めはひたすらガレが続く。すぐ右手は急勾配の斜面なので視界からカットして、遠くの景色、足下、行く手を見据えていれば大丈夫
この日は晴天だったけど、気温があまり上がらなくて、南風が吹いていたのでちょっと肌寒かったのは予想外。斜面の陰を歩いていたら、ブルブルッ
長袖を羽織ることに。
途中の岩場で休憩と記念撮影
す~っごくいい眺め
これが見たくてここに来たんだもんね
リマーカブルズ連峰はNZ最高峰ではないんだけど、この景色には、富士山の歌の「頭を雲の上に出し周囲の山を見下ろして」
がピッタリはまる。行動食兼昼ご飯として持参した、自家製そら豆ご飯
のおいしいこと
しっとりとしたご飯に豊かな豆の風味、いくらでも食べられてしまう。
見た目は結構スゴそうだけど、実際歩いてみると、足下が脆く崩れやすい箇所は限られていた。途中、ところどころ残雪があったけど、行く手を阻まれるほどではなくてラッキー
ガレ場が終わると、果てしない岩場が広がる。場所によっては人ほどもある巨岩がゴロゴロしてて、岩場が大の苦手な
ねむりねこは、猫かぶりの励ましを受けながら大奮闘
「しまった! やっぱり来るんじゃなかった」
とは後の祭り。前回もかなり苦戦したはずなのに、きっと人間って、苦しい記憶はあまり残らないようにできてるのね
特に今回は「大丈夫か?」との「猫かぶりの心配をよそに、自分から「行きたい」って言ったんだから、何があろうと、死ぬ気で頑張るっきゃないねむりねこである
適当な岩場で昼食。残りのそら豆
と、自家製レタスのBLTサンドイッチ。雑穀入りパンにバター(マーガリンは×)を塗って、その上からマスタードを薄く塗り、カリッカリに焼いたベーコンをダブルで挟み、トマトは水気が出ないよう種を抜いて、レタスにはマヨネーズたっぷりの「
レシピ」は文句なくおいしい
岩場に苦戦する
に天の救いか、雪渓が現れ、初のグリセーディングは大成功
そうそうないことなので、動画を撮っておけば良かったなぁ。
そして、また岩場が延々と続き、雪渓が出現し、またまた岩場と、「人生山あり、谷あり」の言葉が実感として身にしみる……
元トレッキングガイド・猫かぶりに言わせると、多くの人は岩場よりガレ場を苦手とするらしい。
はその真逆で、神経が一、二本切れてんのか、はたまた普通の人とは神経回路が逆向きなのか、ガレ場は怖いと思わなくて、足を取られてズリ下がりながらも平気で歩く。だけど大きな岩が重なり合って下が見えるような所だと足がすくんでしまい、岩が足下で音を立てて揺れようものなら冷や汗が出そうになる
学生時代は体操をやってたからひどい高所恐怖症ではないハズなんだけど、
「ああ、足下の岩が動いて、隙間に足を挟んで捻挫したり、骨折したら、どうしよう」
ってな考えが頭に浮かんでしまう。これまでに岩場で怪我をしたことはなく、いつも何とかなってんだから、こんな取り越し苦労を「そんなバカな
」と一笑できればいいんけど、一旦、不安のスイッチがオンになると理性が働かなくなり、足が動かなくなっちゃうんだから困ったもんだ
これを乗り越えるには、きっと「岩場リハビリ」が必要なんだろうね
ゴツゴツ岩場を過ぎると、大きな池塘と平原を見渡すポイントがあり、小休止。
氷河の浸食作用でできた一帯は、このような美しい氷河地形が散在している。どんなに辛くても、自分の足で一歩づつ踏みしめることを繰り返すことで、息をも呑む景観に出会えるから、山は止められないのだ
この日の難所の一つ、大岩越えを過ぎればゴールも近い。
行く手に見えるのはワイサドル(按部)。
サドルの向こうには、美しい圏谷に佇むエメラルドグリーンのアルタ湖が
高品質の天然ミネラルウォーターの湖水を、わが家のネコ、
トラのために汲みに行く。
水にウルサいトラは水道水をあまり好まないので、湯冷ましか、水道水の場合はしばらく蛇口から水を流してカルキ臭を少し薄めてから与えている。そして、天然水だと明らかに飲みっぷりが異なるところから「わが家の水ソムリエ」と呼ばれている
トラのお土産を無事ゲットして本日の山歩きが終了
苦あれば楽あり、外遊びの長~い一日だった