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エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

石川県の山中温泉にある、樹齢2300年の杉の木

2012年11月11日 | 環境保全(生態系、動植物)
 日本に帰省している間に、ねむりねこはどうしても見たいものがあった。
 
 ある日、興味にかられて世界の古い樹木についてネットでちょこっと調べていたら、日本には縄文杉に並んで古い木があることを知った。それは、石川県の山中温泉にある菅原神社に植えられている「栢野の大杉(かやののおおすぎ)」という。わざわざ屋久島まで行かなくても、古い巨木に会えるなんてスゴい、スゴい 

 元・石川県民の夫、ねこかぶりに知ってるか聞いたら、「そんなの見たことも、聞いたこともないよぉ」との返事。それならぜひ見に行かなくっちゃということで話しがまとまったのだった。

 ねこかぶりの郷里、金沢市に帰省した時に、彼の両親、弟妹、親戚にも「栢野の大杉って知ってますか」と聞いたんだけど、誰も知る人がいなかった 樹齢2300年で国の天然記念物にも指定されているっていうのに、何でこんなに認知度が低いのっ

 よく晴れた日に、ねこかぶりの両親とねむりねこ夫婦で杉を見に出かけた。金沢市内からで約1時間ほどで山中温泉に到着。菅原神社を探したが、途中、どこにも看板や標識はなく、キョロキョロと探しながらを走らせていたら、道路脇にいきなり現れたので、慌てて停める場所を探した 

 神社のお向かいには昔ながらのお茶屋さん「大杉茶屋」があり、ここの薬草茶と草団子は、素朴だけど天然の風味が豊かでとっても美味しかった


 これが入り口。ここまでくればさすがに看板が立っている。


 神社の境内へは、木の根と土壌を保護するために浮橋参道(木道)が設けられている。




 途中には栢野郷の由来に関する案内もあった。



 
 昭和22年に昭和天皇がこの地を訪れ、地元の青年の説明を受けながらご覧になったことから「天覧の大杉」とも呼ばれる。


 栢野の大杉の高さは約55m、周囲は11.5m。とにかく、とにかく、巨大なのだ 2300年もの間、嵐や地震に堪え、よくもこれだけの巨木に成長したものだ 本当に自然ってスゴいよね がっしりとしたしめ縄が張り渡されており、ご神木としての貫禄と威厳もひじょうに際立っている。幹が途中から二股に分かれているが、どちらも立派に育っており、訪れた人達に向かってサインをしているようにも見える。






 木の根元に立って上を見上げたが、枝葉が生い茂っていたので先端を見ることはできなかった。これは境内から見たところ。


 菅原神社にはこの栢野の大杉の他、3本の杉の木があり、うち栢野の大杉を含めた2本(上の写真の左側)が国の天然記念物、残りの2本(右側)は石川県の天然記念物にとそれぞれ指定されている。

 おまけだけど、神社には力石が置いてあった。




 見つけるのにちょっと手間取ったけど、こんなに交通の便の良いロケーションにこんなに素晴らしい木があるなんて 古い巨木たちを大事に、大事に保護されている地元のみなさんに大感謝 石川県にお住まいの方、または訪れる予定のある方は、ぜひ見に行って下さいね。超オススメです 

ニュージーランドでの環境ボランティア体験!

2010年06月07日 | 環境保全(生態系、動植物)
長らくご無沙汰してました。“猫かぶり”です。このところ“ねむりねこ”がなかなか更新をしないので、そのすきにお邪魔することに…。 

 少し古い話になりますが、この3月下旬に1週間、ニュージーランド南島南端から海峡を隔ててさらに南に位置する、スチュワート島の人里離れた秘境「ポート・ペガサス」という入江へ行ってきました。これは環境保全省が主催する、歴史的な鉱山遺跡の保全・整備作業ボランティアのプログラムに参加したもの。今から百数十年前、ニュージーランドの最南端のこの地で錫の鉱脈が発見され、ゴールドラッシュならぬ、NZで唯一の「錫ラッシュ」が起こった場所です。

 ラッシュはわずか数年で終わり、その後放置されて荒廃が進んだ採掘跡を、元に近い状態に戻し、保存しようということで組まれたプログラムでしたが、参加者は環境保全省(DOC)の職員が、船の乗組員を含め計5名(そのうち女性2人)、ボランティアの参加者は、農場主2人、大学講師、看護士、そして自分と、男性ばかりの計5名。計10人です。

 行きと帰りの船の移動に丸一日づつを費やし、強風の中、大揺れの船内では、船酔いになる人が続出



 ポート・ペガサスは、半径30キロ圏内に人っ子一人住んでいないような遠隔地のため、宿などはどこにもありません。寝泊まりもずっと、DOC所有の船「サザンウインズ(南風)号」内でした。



 周辺は、悪天候の日が多く、よく海が荒れることで悪名高いところ。しかし船長さんがその日の風向きと、複雑に入り組んだ入り江の地形をうまく利用し、最適の場所を選んで毎日移動して停泊してくれましたので、湾内ではあまり船が揺れることもなく、夜もよく眠れましたよ

 船は最大でも14名までしか寝泊まりできない、小さなものでしたが、水洗トイレやシャワーもつき、快適そのもの。合宿感覚で、楽しく滞在できました



 肝心のボランティアの作業は、事前案内で「体力レベル:ハード」とあった通り、なかなかに厳しいものでした 

 まず船から上陸して、現場に辿り着くまでが一苦労。道(と言っても獣道に毛が生えたようなもの)はドロドロのぬかるみで、途中には険しい坂道。もし滑って転びでもしたら、全身泥まみれです… 片道1時間の山道を毎日往復 中にはひどい靴擦れに悩まされた人もいました。

 現場での作業は、主に採掘現場の石積みの上に生い茂った、樹齢100年にもなる木々を切り倒したり、草を引っこ抜いたりといった労働が中心。根っこがはびこって、遺構を破壊するのを防ぐためなのですが、これが大変な重労働。なにしろ初めは遺構がどこにあるのか全く分からないくらい、鬱蒼と木々が生い茂っていましたから、切っても切っても、広い鉱山跡はなかなかその全貌を現してくれません。



 ボランティア仲間からは、思わず「こんなきつい作業をタダ働きで、しかも$350もの大金を払ってまで参加している俺達って、奇特なのかおめでたいのか分からないよな(苦笑)」(そう、このボランティアに参加するために交通費等実費を払うのです)などという無駄口まで出るほど。



 しかし皆やる気満々で、遺跡は徐々にその、「ニシンの骨(Herringbone)」とも形容される、ユニークな姿を現していきました。

 丸2日間そうした作業を続け、皆少し疲れたところで、中日は休憩を兼ねた、自由行動の日になりました。希望者は講師役のウォーリーさんの案内で、周辺の探検に出かけます。鉱石を運び出す目的で造られた、トロッコ用軌道跡を辿り、山深くへと分け入ると、



当時の鉱夫達が住んでいた住居跡や様々な遺跡が現れます。



 途中からは道も途絶え、強風吹きすさぶ中、吹き飛ばされそうになりながら、山の頂を目指して登って行きました。



上から眺めるポート・ペガサスの姿は、過去2日間の疲れを忘れさせる絶景



遠くには奇岩として知られる、Gog & Magogの姿も(クリックで拡大)



 ウォーリーさんが語る昔の話も、その場に身を置いていると、とても100年以上前の事とは思えないほど、身近に感じられました。

 楽しい遠足を終えて船に戻ると、嬉しい驚きが用意されていました



 遠足に参加せず、一日船で過ごしていた仲間たちが、アワビやカキ、ウニや魚などのたくさんの海の幸を捕まえて、夕食を作っていてくれたのです。



 その晩は、新鮮な魚介類のごちそうに舌鼓を打ちながら、いつも以上に話に花が咲きました。(ウニだけはゲテモノ扱いで、喜んだのは自分だけでしたが…)

 残り2日間は、生憎のの中となりましたが、作業は順調に進み、予定通り無事終了。全貌を現した遺跡が、おそらく100年ぶりに人の目に触れるものであろうと思うと、感慨もひとしおです。



 世代もバックグラウンドもまちまちの10人のメンバーの間にも、いつの間にか、不思議な連帯感みたいなものが芽生えていました。数日間の作業は大変でしたが、快適な船での生活や美味しい食事、フレンドリーで熱心な仲間。とても価値ある体験を積むことができたように思います。

 独力ではなかなか訪れることができない場所へ行くことができたり、その道のエキスパートから専門的な話を聞くことができる、DOC主催のボランティア。毎年全国各地で、簡単なものから本格的なものまで、多くのプログラムが組まれていますので、皆さんも気に入ったものを見つけて、参加してみてはいかがでしょうか。(プログラムのリンク先はこちら

ニュージーランド絶滅危惧種・タカへの幼鳥育成体験!!

2010年01月26日 | 環境保全(生態系、動植物)
先月のことになるが、ニュージーランドの絶滅危惧種の鳥の一種、タカへ(Takahe, クイナの一種/学名:Porphyrio hochstetteri)の幼鳥を育成するお手伝いのボランティアを猫かぶりと二人で体験した。

 タカへは飛べない鳥のため、特に生後1年に満たない幼鳥期は、天敵に襲われ幼い命を落とすことが多い。だから人間によって管理育成を行うことで、幼鳥の存命率を高くし、種を絶滅から救おうとするもの。具体的には、

(1) タカへの卵を野生動物保護地区(Wildlife Reserve)に住む、成鳥のつがいの巣から採集
(2) 卵は人工孵化機に入れられ、約28日で孵化する。生まれたヒナは、生後1年まで幼鳥育成センターで育成される。

 タカへセンターに到着すると、検疫所にてセンター内専用のゴム長靴に履き替えなくてはならない。また、一切の食べ物は持ち込み禁止。そして、センター内入ったらしっかりと手を洗う。生まれたばかりで抵抗力の弱いヒナたちを、あらゆる雑菌から守るための配慮である。


<ヒナの育成室棟>

 ねむりねこと猫かぶりが訪れた日は、生後2日()が一羽、生後2週間程度が三羽いて、一羽と三羽は別々の育成室に入れられていた。まずは窓越しに対面。どのコも本当に可愛い 成鳥は、赤いくちばしに青と緑の体という、原色鮮やかな外観なのに、ヒナはまっ黒…… でも、飛べない鳥らしく、脚は生まれた時からとてもよく発達している。



 ヒナに給餌する時は、タカへのくちばしの色形を象った模型を指にはめ、



タカへの体と同じ色の手袋をはめ、その手のひらには給餌の際の親鳥の鳴き声を再生する小さなi-podとイヤホーンを握り、壁越しに行う。壁の上部は、特殊ガラスになっていて、外側から内側は見えるが、ヒナのいる内側から外側の情景は見えない。これによって、実際はヒトにエサを与えられているヒナが、あたかも親鳥に食べさせてもらっていると思いこみ、よって人間としてインプリントされるのを防いでいるのだ。

 給餌する間隔は、生後2日は45分おき、数週間のものは1時間おき。与えるエサの内容は、フダンソウやクローバーの刻んだものに、ビタミン数種類、粉ミルクなどなど。生育過程によって、これらのブレンドの比率は異なり、専門のレンジャーがきっちりと計量して作る。

 
<親鳥をかたどった模型>

 育成室の内部は、親鳥をかたどった模型(この内側で眠る)、エサ、水、下には土色のタオルを敷き詰めてある。タオルや模型は、毎日清潔なものと取り換えられる。  

 ……つまり、タカへのヒナたちは、お抱えシェフの作る特性料理を、ばあやに食べさせてもらい、部屋の清掃もしてもらう、というVIP待遇なのだ。う~ん、さすが絶滅危惧種

 専門のレンジャーのお手本を見せてもらってから、も給餌を体験。模型をはめた不器用な指先で、流動食のようなエサをつまみ上げるのは難しくてなかなかうまくできないんだけど、ヒナは模型の周囲にこびりついたエサをバクバクと食べる。



 生後2日のヒナは甘えん坊だ。エサを食べている途中で、手袋をはめた腕の下に入ってしばらくうずくまったり、給餌を終えて腕を抜こうとすると、ピーピー鳴きながら追いかけてきたり…… 親鳥の愛情も必要な時期なのかもしれないけど、そこまでの演技は要求されない。食事が終わると、親鳥の模型の下に入っておねんね。人間の赤ちゃんさながらだ。

 一方で、生後数週間のヒナたちは逞しい。エサもほぼ自分で食べられるし、ふざけ合ったり、走りまわったりしてとても活発だ。人間だと2~3歳に相当するのだろうか。エサを差し出しても興味を見せないので、満腹なのかと思って腕を抜こうとすると、いきなり食べ始めるし、食べている最中にヒナ同士で遊び始めたりと、無邪気でやんちゃなヒナたちだ。

 ヒナたちがすっかり気にったは給餌を担当。指にはめた模型の操作にも慣れ、時計とにらめっこで二つの育成室を行ったり、来たりする。猫かぶりは給餌を一回経験した後、他のレンジャーと一緒に屋外作業を担当した。

 せっかく来てくれたから、と野生動物保護地区の中も見学させてもらい、成鳥のタカへを間近で見るチャンスも得た。ニュージーランド国内で、いや世界中で400羽程度しか棲息しないこの鳥(注・ニュージーランドの国鳥キーウィよりずっと少ない)を野生で観察したのはこれが3度目だが、こんなに間近で見たのは初めてのことで、とっても、とっても感激した



 さらにおまけで、タカへの卵の孵化室の見学もさせてもらえた。ニワトリのものに比べると細長く、象牙色で黒い斑点がある卵が、孵化機の中に静かに横たわる。



 センター長が、あと2日で孵化する予定の卵を取り出してチェックしたあと、

「もう、鳴き声が聞こえるんだよ」

ねむりねこ達の耳元に卵を近づけた…… 



本当だ 殻の内側からピーピー言うのが聞こえる 

「でね、これを下に置くと、動くんだよ。ほら」

机の上に卵を置くと、ひとりでに左右に揺れ始めた 卵の中で息づくちいさな命。その初めての出会いに、言葉には尽くせないほど感動した。

 夕方近くまでエサやりを手伝い、センター長と育成係のレンジャー達にお礼とお別れを告げて、施設をあとにした。センター長のロス、育成係のリズ、本当にどうもありがとう……

ニュージーランド環境保全週間

2009年09月13日 | 環境保全(生態系、動植物)
 現在、ニュージーランドの各地では、環境保全週間(Conservation Week)の各種イベントが環境保全省(Department of Conservation, 通称DoC)によって取り行われている。クイーンズタウンのあるオタゴ地区では、おもにダニーデンや沿岸地域が中心となり、植林や、歴史散策、海洋生物講座、雑草の駆除などが、日替わりで行われる模様。

 クイーンズタウンの周辺地域では、地域の環境保護グループや、環境保護地を利用したアクティビティ会社を招待した集会が計画されており、この地域で行われている環境保全活動に関する展示や、関係者による講演などが催されるらしい。

 このConservationという概念は、日本語には本来存在しないため、「自然環境保護」とか「環境保全」など、翻訳する人によってさまざまに訳されているのを見かける。実は、英語圏でもその時代の流れに合わせて解釈が変化してきた言葉で、現代でもその使い手によって意味合いが異なってくることもある。ちなみに、ねむりねこのブログでは、用語は「環境保全」に統一し、概念はニュージーランドの環境保全法に基づいた解釈を用いているのでご参考まで。(原文出典:Conservation Act 1987, New Zealand)。

「環境保全とは、自然環境・歴史的遺産の持つ固有の価値を維持し、その正しい理解とレクリエーションの機会を国民に与え、かつ将来の世代に残すために守ることを目的とした、自然環境および歴史的遺産の保存と保護を指す」

なーんか、今回は理屈っぽくなってしまった。おまけに字ばっかりだし。環境管理の通信教育の最終試験が2日後に迫り、頭の中が「お勉強モード」になってるせいだわね、これは。ブログのテーマが「エコ」なんだし、まぁ時にはこういう真面目なのがあっても良しとするかにゃあ
 

あれはフィヨルドランド・クレステッド・ペンギン(タワキ)だった

2009年08月26日 | 環境保全(生態系、動植物)
 少し前に「キンメペンギンの連続写真」を投稿したけど、一部訂正。
羽が生え換わっていたのは、タワキ(フィヨルドランド・クレステッド・ペンギンのマオリ語名)だった↓↓↓





南島の東海岸にあるオタゴ半島には、キンメペンギン(Yellow Eyed Penguin/Hoiho)の生息地が多数確認されてて、西海岸にあるフィヨルドランドに生息するタワキがこんなところにいるはずない、と思いこんでいた。けど、これはどう見てもタワキにしか見えないし…… もし、そうだとしたらどうして? ひょっとしたら、「ねむりねこ」の名が歴史に残る大発見として、後世に語り継がれちゃったりするのか(ドキドキ)?

 で、職場の生物多様性担当に訊いたら、鳥類に詳しい彼も知らなかったようで、わざわざオタゴ半島を管轄しているレンジャーに訊いてくれた。その人曰く、

「普段はフィヨルドランドに生息しているんだけど、羽の生え換わりの時期だけ、フラフラッとこっちまで遠征することがあるんだよねぇ」

それにしても、タワキにそんな放浪癖があったなんてね 現地では周知の事実だったようで、世紀の大発見にはならなかったけど、これでひとつ謎が解けたゾ 野生動物って不思議で面白いなー

 

キンメペンギンの写真!!

2009年08月01日 | 環境保全(生態系、動植物)
 ねむりねこです。前回の投稿、『ニュージーランドの環境ボランティア』でキンメペンギン(Yellow Eyed Penguin/Hoiho)の写真を載せるのを忘れたので、遅ればせながら追加しようっと。今年の3月の下旬、ねむりねこの誕生祝い旅行で訪れた、ダニーデン(Dunedin)郊外のサンドフライ・ベイ(Sandfly Bay)にあるキンメペンギンの生息地で撮影。ボランティアの『キンメペンギン・プログラム』の会場にもなっいてる。崖をよちよち降りて海に飛び込むまでを連続写真でどうぞ(撮影者・猫かぶり)。 

右見て、左見て…



胸を開いて深呼吸




ぼちぼち、行こうか


せーのっ!


ザッブーーン!!


ほっ……(^.^)


 そして、羽が生え換わってる最中のキンメペンギンもいた このペンギンは、海岸の遊歩道からわずか50cmくらい離れたところに、じいっとたたずんでたので、思わず手を触れたくなり…… なんとかこらえた! 



 さあ、勉強に戻ろうかな……

ニュージーランドの環境ボランティア

2009年07月31日 | 環境保全(生態系、動植物)
 <写真>対面の山、セシル・ピークの朝焼け

 ねむりねこです。試験勉強の息抜きにこれを書いています。えっ? 息抜きばっかしてるんじゃないかって? まぁまぁ、その辺は……

 今日は、環境ボランティアについて。

 毎年、この時期になると「環境保全ボランティア・プロジェクト」の地域版の小冊子が発行される。内容はいかにも主催者の環境保全省らしく、指定保護地区にある歴史的建物の修復や、国立公園内のウォーキング・トラック(トレッキングコースのこと)の手入れ、トラック上の山小屋の清掃、キンメペンギン(Yellow Eyed Penguin)の生息地調査、タカへの幼鳥飼育センターの補修作業、などなど。エコ&アウトドア好きなら、読んでいるだけでわくわくしてしまう内容。

 プロジェクトによっては、関係者以外の立入りが禁止されている保護地区や、船やヘリコプターをチャーターしないと行かれない辺鄙な場所など、普段、個人ではなかなか訪れる機会のない場所で行われるものも多い。ニュージーランド人の、アウトドアや環境への関心が高い国民性もあって、交通費や食事代は参加者負担でも、あっという間に定員になってしまう。

 昨年、うちの猫かぶりはその中の一つ、スチュワート島のペガサス湾(船をチャーターしないと行かれない無人の保護地区)のトラック整備のボランティアに10月ごろ応募した。実際のボランティア時期は、公募開始の時期から数えて半年以上も先というのに、予約は既にいっぱい、キャンセル待ちのリストには何と募集人数の倍以上の人数が登録されていた 今年は、パンフレットが配布された翌日に申込んだので、何とか参加できることを願う猫かぶりである。

 も今年こそは、と思っているのだけど、たいがい興味のあるプロジェクトの時期が、仕事を抜けられない時期に重なっていたり、休暇を取って日本に帰ろうかなと考えている時期と重なっていたり。う~ん、難しいところだわぁ。 

参考:環境保全省(Deparment of Conservation)ウェブサイト(まだ最新の情報にはなっていないようです)

今朝も氷点下、試験勉強とディディモ

2009年07月27日 | 環境保全(生態系、動植物)
 寒くて暗い朝は苦手のねむりねこです。冬は空気が澄んでいるから、星空はとってもきれいで好きなんだけどね。朝起きて窓の外を見たら、庭に下りた霜がきれいだったのでパシャリ。

 今日は非番なのでお勉強の日。環境管理学(Environmental Management)を専門学校(Polytechnic)の通信教育で学んで2年近くになる。このコースは、学校にフルタイムで通えば、期間は一学期分、5単位を取得すると修了証明書(Certificate)をもらえる。でも、仕事を持っていると、なかなかまとまった時間がとれないので、は一学期につき1単位のペースで学んでいる。

 始めたきっかけは、仕事でそっち方面の知識が役に立つこと、個人的に興味もあるのと、ニュージーランド永住権所有者は学費がゼロなので(^.^) 履修科目は、生態系と環境保全(Ecology and Conservation)、海洋生態系(Marine Ecology)、天然資源管理と環境法(Resource Management and Environment Law)、環境問題(Environmental Issues)、環境保全管理(Conservation Management)。ポイントをきっちり押さえたコース内容なので、ニュージーランドの環境保全について知りたい人にはとってもお勧め。現在、は最後の環境保全管理を履修中。

 レポートや試験に追われて、学生時代のようにヒイヒイ言っている自分に笑ってしまう (^_^;) けど、自分の思い違いが修正されたり、これまでいろんな場面で聞きかじって、頭の中にゴチャゴチャと詰めこんできた雑事が整理整頓されたり、疑問に思ったけど調べることもなく放ったらかしにしてた事柄のナゾが解けたりと、嬉しいこともちらほら……

 今学んでいるのはディディモ(Didymo、Didymosphenia geminataの略称)について。日本ではほとんど知られていないけど、ニュージーランドでは深刻な問題になっているこの生物。淡水に生息する水カビの一種で、形状は初期はヘドロ状のものが成長して水藻状になり、見た目は「キモチワルイ」の一言に尽きる。長いものは数十メートルにも及ぶことがあり、これにより河川や湖の水質や流れが変化して、水中の生態系を破壊する危険性がある。元来は北米の生物で、釣り具に付着したディディモが、それを使う釣り師によって北米のあちこちの河川にばら撒かれ、そしてニュージーランドに来た釣り師の釣り具についたディディモが繁殖している、というのがおよその経緯。

 ニュージーランドは、およそ8000万年前に古代超大陸のゴンドワナランドから一番初めに切り離された土地で、その自然環境は古代大陸の一部だった頃の様相をいまだに残しているため、きわめて特殊で貴重といわれている。その間、他の大陸では様々な生物の進化や競争があって、哺乳類などが誕生したんだけど、ニュージーランドの生物にはこの手の生存競争経験が乏しいから、外来種にはとてつもなく弱いのよね。

 ニュージーランドでは、Bio Security New Zealand(有害生物管理局)や各地方政府、そして環境保全省が中心になって河川・湖水利用者に注意を呼び掛けている。駆除方法は比較的手軽で、釣りに行く前に、専用の洗浄液または食器洗い用洗剤を希釈したもので、釣り具を洗浄するだけ。フィヨルドランド国立公園など、場所によっては釣り具の洗浄証明書がないと釣りができない河川もある。

ディディモ写真(Bio Security New Zealandのウェブサイト)
釣り具の洗浄について(同上、日本語パンフレット)

 そろそろ勉強する時間になったので、この辺で……

1080を使った害獣駆除

2009年07月23日 | 環境保全(生態系、動植物)
 こんにちは、試験勉強に追われて眠る暇もない?ねむりねこに代わり、猫かぶりが投稿します。

 本来、コウモリ以外に陸上に哺乳動物がいなかった、「鳥の天国」ニュージーランドでは、人間が持ち込んだネズミやポッサムなどの外来哺乳動物が、生態系に大きな被害を及ぼしています。木登りが上手なこれらの動物が、巣穴で卵を抱いているメス鳥やヒナ、卵を襲い、鳥類の急激な減少につながっているのです。



 南島南部のダート渓谷周辺でも、上の写真のモフア(英語名イエローヘッド)という、稀少種の鳥が生息しているんですが、ネズミの増加により、生息数の減少が心配されています。美しい鳴き声から「NZの森のカナリア」の異名を取り、100ドル札紙幣にも描かれる、この国を代表する鳥の一種。そこでネズミ駆除の為、今週と来週にかけ、ヘリコプターを使って、広大な範囲に上空から毒入りのエサをまく、大規模な作戦が行われることになりました。名付けて「ノアの方舟活動(Operation Arc)」。旧約聖書でノアが地球上の生物を方舟に乗せて大洪水から救ったように、絶滅危惧種の生き物が存続できるように、との願いが込められています。

 この毒というのが、日本ではあまり馴染みのない薬品、モノフルオロ酢酸ナトリウム、通称1080(テン・エイティ)。この毒は、約50種類の植物にも含まれる天然成分で、土中の微生物によって水分と酢に分解されるため、土壌汚染の可能性は全くなし。毒エサの形状はペレット状で、鳥が認識しにくい色(緑色)に着色され、鳥の嫌うにおいをつけてあるので、鳥が間違って食べる可能性はほぼ0。ポッサムやネズミなどの動物にとっては一粒で致死量の毒が含まれています。



 1080の空中散布に際しては、その必要性、散布範囲、散布量などについて、生物多様性(Bio Diversity)の研究者や専門のレンジャーが綿密な調査と研究を行って決定されます。詳しい説明は以下のウェブサイトをどうぞ(英語のみ)

環境保全省(Department of Conservation) わかりやすい英語で詳しい解説
森林鳥類保護協会(Royal Forest and Bird Protection Society) マンガで面白く、わかりやすく解説

 この作戦が功を奏して、鳥のがさえずり声が、たくさん聞こえる森が戻ってくることを祈りつつ……

ラカトゥ湿原へ

2009年02月28日 | 環境保全(生態系、動植物)
 明日から始まる三日間の非番の初日に何をして過ごそうか……

 色々考えるうちに、気になっているけどまだ訪れてない場所の一つ、サウスランドにあるラカトゥ湿原へ行くことに決めた。場所は、テアナウの南にあるマナポウリからまた少し南。南島南部の名所、カトリンズ・コースト(Catlin Coast)などを巡る、観光ドライブコース、サザン・シーニック・ルート(Southern Scenic Route)上にある、観光ガイドにはまだ載っていない場所である。なぜそんなマイナーな場所に興味を持ったのか。それはこの国の環境保護のある一面を見ることができるから。

 マナポウリには世界で初めて作られた、地下の水力発電所がある。従来、水力発電所は川を堰き止めてダムを築き、その水力を利用してタービンを回すシステムだが、テアナウほど近いマナポウリ湖にダムの建設計画が持ち上がった時、環境の劣化につながると地元住民から反対を受けた。様々な協議の結果、パイプで地下に引いた水の力を利用してタービンを回す方式に変更され、マナポウリ地下水力発電所が1970年に建造された。

 マナポウリ湖から水が発電所に送られるようになった結果、地域を潤す本流ワイアウ川の水量は減り、湿原が減少してしまった。これを受け、地元の住民団体で組織されるワーキング・グループと電力会社によって、失われた湿原を元の姿に戻すプロジェクトが1990年にスタート。そして、2006年3月18日に、270ヘクタールのラカトゥ湿原が誕生した。



 ニュージーランドに来て初めての年に、ダウトフル・サウンドの日帰りクルーズに参加し、そのときにマナポウリ湖の水力発電所の存在とそこに至る背景を知り、この国の人々の環境保護に対する意識の高さに驚いた。その後、色々と調べるうちに、ニュージーランドの環境保護は、1900年代初頭より民間主導で進められてきた経緯があることを知った。

 ラカトゥ湿原は、広大な牧場地の真ん中に位置している。家畜が入ってこないよう、湿原の周囲は柵が張り巡らされ、また湿原の姿を間近に観察できるよう、その周囲には遊歩道が整備されている。入り口と、遊歩道の途中、小高い丘の上に展望台の2カ所に、写真入りの分かりやすい説明版が展示されており、それによって湿原に関して色々なことを知ることができる。


 
 砂利を敷き詰め、歩きやすく整備された遊歩道に、プケコを象った可愛らしい道しるべ。訪れた日は雲が低く垂れ込めていたので、残念ながら写真映えは今ひとつ。しかし、これを手掛けた地元の人々の「この地に水鳥や川魚が群れるのを再び見たい」という、熱い思いが伝わってくるようだった。