エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

ねむりねこよりみなさんへ

エコ・ニュージーランドへようこそ!! その時の気分で、過去の旅行の話になったり、庭、環境保全、トレッキング等々、話が飛んでいます。ジャンル別にお読みになりたい方は、左のカテゴリーからどうぞ!! また、本文中のトレッキング(トランピング)関連の用語の説明は、同じくカテゴリー欄から「ニュージーランドのトランピング用語集」をご参照ください (^o^)

鉱山跡をたどる絶景トレッキングコース

2009年12月28日 | トレッキング


 低山歩きの魅力を楽しめるグリーンストーン・トラックに続いて、夏の泊まり掛けトレッキング第二弾は地元の歴史がテーマ。クイーンズタウンの奥座敷とでもいうべき、グレノーキーという村の近郊では、かつて灰重石(Sheelite, 鉄を強化するタングステンの材料)の発掘でにぎわった場所がある。2008年1月20日に公式オープンしたばかりの、DoCの新しい保護地区ファカーリ(Whakaari Conservation Area)の、2つのトラックからは灰重石鉱山遺跡を眺められる。

 一つは所要時間6~8時間の「ヘザージョック・トラック(Heather Jock Track)」、もう一つは所要時間8~10時間強の周回トラック「マウント・マッキントッシュ・ループトラック(Mt. McIntosh Loop Track」。前者は普通の体力があればほぼ誰でも楽しめる日帰りコース、後者は日帰りまたは1泊2日で、途中渡渉があり、藪こぎをしながら急な斜面を下る箇所があるので経験者向け。ねむりねこ達は、ヘザージョックを以前歩いたので、今回はマウント・マッキントッシュの方に行くことにした。朝早く出発すれば日帰りもできそうだけど、二人揃ってクリスマス・イブとクリスマスが休みになったので、途中の山小屋に1泊して2日で歩くことにした。

 この保護地区は、もともと国有地(Crown Land)で、期限付きで牧場地として貸していたのだが、期限が切れた時に土地保有権の見直し(tenure review)があり、歴史保護地区に指定変更された、という経緯がある。保護を必要とする貴重な動植物の生息地ではないためか、この国では比較的珍しい多目的トラックで、トレッキングのほか、マウンテンバイクや乗馬も楽しめる。

 駐車場から、マッキントッシュ・トラックへの分岐点までは元牧場道なので、大変歩きやすいが、結構な登りがずうっと続き、時々立ち止まりながら歩く。トラック沿いには、使用されていた灰重石発掘の器具が放置されており、往年の面影を偲ばせている。











 分岐点から左手に進み、谷底へ下るとバックラー・バーン(Buckler Burn)が流れている。川幅はそんなに広くなく深さは膝上程度だけど、場所によってはかなり深く、流れがかなり早いから、安全に渡渉するには知識と経験が必要だ。ここ2~3日雨が降ってないのにこの状態だから、雨の日や降雨後は川が増水するので、経験者でも渡渉は危険だろう。



 川を渡って小一時間ほど歩くと、マッキンタイヤー小屋(McIntyre Hut)に到着。





 この小屋は1年ほど前に新築され、平素から利用者も少ないため、まだ真新しく、どこもかしこもピッカピカ。







 備え付けてあるビジターブックを見ると、小屋を建てたのは、二人のDoCレンジャーで年齢の合計が122歳 そのうち一人は、クイーンズタウン周囲の歴史的建造物の補修作業が専門の大ベテラン。ベッド数が5つの小さな山小屋の窓からは、トンプソン山脈が一望でき、こじんまりと居心地がいい こんないい小屋に一人一泊たったの5ドルで泊まれるのだから、プロの仕事に感謝して、大切に使わせてもわなくちゃ、という気持ちが起きる。

 その晩は、牛ヒレステーキと夏野菜のカポナータに茹でた新じゃがのバター添えという、アウトドアとは思えない豪華な夕食 参考にしたレシピは、キャンプ用コンロで手早く作れる、グルメ料理を紹介した本「グルメ・トランピング・イン・ニュージーランド」の中の一品。ねむりねこお気に入りのこの本については、また後日ご紹介したい。ディナーは文句なく美味しかったけど、赤ワインを持ってこなかったのがちょっと痛かった、なんて言ったら贅沢でバチが当たっちゃうかな

 翌朝は10時頃山小屋を出発。ベーコン・エッグの朝食でさらにエネルギーを補充したねむりねこ達は、そこから1時間半ほど登ったところにあるマッキントッシュ小屋(McIntosh Huts)を目指した。この日は朝から風が強く、時々立ち止まらなくてはならないほど。曇り空のため眺めも今一つで、黙々と目的地を目指す。



 小高い山の上にあるマッキントッシュ小屋は、牧場の人たちに使われていたと思われる、今にも壊れそうな粗末な小屋なんだけど、眺めがバツグンだし、内部が面白い造りになっているので、妙に愛着が湧いてしまう。









 ニュージーランドには個性的な山小屋が多く、変わった山小屋目当てにトランピングする人(Hut Hunter)がおり、山小屋の写真を集めたポスターまで市販されている。少し休憩した後、ロング・ガリー峠(Long Gully Saddle)を経由して下山。

 マッキントッシュ小屋からの眺めも良かったけど、ロング・ガリー峠からの眺めはこの周辺のハイライトを一望できるまさに絶景 氷河を抱くアーンズロー山、ハンボルト山脈、トンプソン山脈、ワカティプ湖、グレノーキーの村、リーズ川、網目状のダート川を一望できる眺めは、この辺のトラックでも1、2位じゃないかと思う。絶景に言葉もなく眺めると猫かぶりだった。残念ながら、曇り空で写真映えがしなかったので写真は撮らなかった。

 アップダウンを繰り返した後は、牧場のフェンスにつけられたトラックマーカーを目印に道なき道をひたすら歩く。



 ガレ場をトラバースした後は、急な下りがスタート。前半は下草を藪こぎしてタソックに足を滑らせながら下り続け、後半は身の丈ほどあるエニシダの生い茂る藪をかき分けながら、なおもひたすら下りまくる。だんだん膝が疲れてきて、開けた場所に出るたびにジグザグを切って歩く、ねむりねこのことなんかお構いなしの非常な世界だ。こりゃ、明日は筋肉痛だな……



 標識によると、標準歩行時間は3時間程度とあるが、かなりの強健者でなければこの時間で歩くのは難しいし(標準的トランパーのペースで5時間かかった)、雨でも降ろうものならさらに滑りやすくて危険だ。したがって、この下りの部分は「荒行」を求める人以外にはお勧めできない。ロング・ガリー峠で絶景を楽しんだ後は、もと来た道をスタコラ戻る方がずうぅっと快適。

 「行きはよいよい、帰りはコワイ」を経験した今回のトランピング。ケガをせずに楽しめたのは本当に何より。トレッキングをしてていつも不思議に思うのは、歩いてる最中に「こんなのもうたくさんだぁ」てなツライ思いをしても、歩き終るなりそんな苦労はどこへやら、「今度はどこへ行こうかな……」という気持ちになること。何故なのかなぁ…… やっぱり、これってが楽天家で懲りない性質だから

クイーンズタウンよりメリークリスマス

2009年12月25日 | クイーンズタウン
 今日はクリスマスの日。ニュージーランドでクリスマスは、ちょうど日本のお正月のように、普段離れて住んでいる家族が集まって団欒を楽しむ日。

 ねむりねこと猫かぶりは昨日、今日と泊まり掛けでトレッキングに行った。ラッキーなことに山小屋は二人だけだったので、ゆったりと過ごすことができた。この話はまた次回。

 クリスマスツリーのないわが家は、薪ストーブの煙突をツリーに見立てて電飾し、友人や家族からもらったクリスマスカードを一緒に飾っている。



 そうそう。ハウス・ウォーミング・パーティで友人にもらったクリスマス・リリーが、今日花を咲かせ、居間はユリの甘い香りが漂っている。





クイーンズタウン名物の「クリスマス電飾」

2009年12月23日 | クイーンズタウン
 クリスマスまであと2日。どこもかしこも、クリスマスの雰囲気にあふれているのは、ここクイーンズタウンも例外ではない。この時期になると、毎年ローカル紙の一面を飾るあるお宅がある。

 その家はクリスマスの電飾が有名で、過去に何度か町役所主催の装飾コンテストで大賞を受賞したことがある。以前住んでいたところの近所なので、毎年、飾りっぷりを見物しに行くんだけど、見るたびにアップグレードしている。「これでもか!」と言わんばかりの電飾の数々と細部へのこだわりは、もう執念としか言いようがない。本当にお見事、脱帽なのです。

 百聞は一見に如かずなので写真をご披露(このページの写真は全部、クリックすると拡大されます)。まずは通りから見たところ。



 家の正面はこんな感じ。



 車寄せのあたりもとっても賑やか。



 通りに面した部分。電飾の陰に隠れてるけど、庭もとってもきれいに手入れがされている。



 熱気球にぶら下がるサンタ。トナカイはどこ行っちゃったの?
 


 夕闇が濃くなってきたのでもう一枚。濃紺の空と山々を背景に、電飾が一層映えている。



 ワイルドさん、今年もどうも有り難う。また来年、夢のある電飾で楽しませて下さいね……

ニュージーランドで初体験 新居のお披露目パーティ主催

2009年12月08日 | クイーンズタウン
 昨日、ハウス・ウォーミング・パーティを行った。誰に来てもらうか決めたり、提供する食べ物や飲み物の買い出し、お料理、家の中の掃除と整理整頓、庭の芝刈りなど手入れ…… 前準備には1週間ほどかかった。ねむりねこは前日まで仕事で、あまり家の中のことができなかったけど、休日にあたっていた猫かぶりが、手際良く準備を進めてくれたのでとても助かった

 わが家では、家事は手が空いている者が何でもする。どちらかというと、力仕事は猫かぶりの、細かい部分の掃除などはの役割になるけれど、相手に任せっきりにせず、お互いに気をつけるようにして、相手のしてくれたことには「ありがとう」の一言を絶やさないのが家流なのだ。

 さてさて、一番時間を要したのがもてなし料理。おしゃべりしながら簡単につまめるものを何品か作ったが、フラットメイトを加えて三人、ほとんど休む間もなく働き続け、すべて準備が整ったのは招待時刻ギリギリだった。それにしても、米八合分の巻き寿司を作ったのは圧巻だったぁ

 友人たちが、手作りの一品料理や贈り物を手に、続々とお祝いに来てくれたのが本当に嬉しかった ツアー形式で家の中を見てもらい、さまざまなコメントをもらった。

 年配の友人や、大工をしているという友人のダンナさんは、さすがに目の付けどころが異なり、達が気がつかなかった、家の造りの細部に関するところまで鋭くチェックして「いい買い物をしたね」と褒めてくれる。庭に詳しい友人たちは、バラの手入れの仕方や、名も知らなかった草木のことなど、事細かに教えてくれたり、楽しいばかりでなく色々とためにもなる時間だった。本当に古典落語の「牛ほめ」の世界を実体験…… 与太郎のような、おとぼけ訪問者はいなかったけどね

 大人たちが話に花を咲かせている間、一緒についてきた子供たちは、離れの中や庭をかけずり回って、楽しそうに遊んでいるのが微笑ましい。料理もお蔭さまで大好評、
「おいしいね~」
「これ、どうやって作ったの?」
「やっぱり、日本人の作るお寿司はおいしいよね。売ってるのと違う」
と食べてくれ、頑張り甲斐を感じた

 穏やかな陽気にも恵まれ、友人たちの優しい心遣いと明るい笑い声に、心がほっこりと温まる一日だった。残念だったのは、来客の多さに、一人一人と言葉を交わす時間が限られていたこと。まぁ30人近くが来たのだから仕方ないよね 「ゆっくりお話ししたいから、またいつでも立ち寄ってね」と約束して別れていく。



 いただいた贈り物は、花が圧倒的に多い。それもお店で買ったものだけでなく、自宅の庭に咲いた大輪のシャクヤクやバラなども。その他では、手作りジャムや、飾り皿、掛けもの、新居の縁起もののと思われる手づくりの木製スプーンなども。

 美しい花々であふれかえった居間を眺めるたびに、パーティの楽しい雰囲気が脳裏によみがえり、温かで満ち足りた気分になる……

 こんな気持ちになるのは、結婚式以来だろうか。どちらも一生に一度の一大イベント、それぞれ所は異なるが、人の温かさを心底嬉しく、そしてありがたく思う一家であった

 この場を借りて…… みんな、本当にどうもありがとう。これからもどうぞヨロシクね

ぼかしとコンポストで家庭ごみ大幅減量!!

2009年12月02日 | エコ
 ぼかしを始めて約1カ月でひとつめの容器がいっぱいになった(以前の投稿を参照になりたい方はこちらをクリック)。台所のゴミ(野菜くずなど)を毎日せっせと容器に入れては、EM菌をパラパラっとふりかけ、上から重石をすることを続けた結果がこれ。



 見た目はまさに生ゴミだけど、ゴミ臭さはなく、子供のころおばあちゃんと一緒にかき混ぜた、年季の入った糠底のようにおいがする。

 容器は二重になっていて、内側の容器の底に穴が空いており、ぼかし液(発酵の過程でできた液体)が外側の容器へと滴り落ちる。そして、2~3日に1回ほど、ぼかし液が溜まったら捨てる。



 この液体は、カビと発酵の混ざった感じのかなり強烈なにおいで、処理をするときに、無意識で息を止めてしまうねむりねこです。大さじ1杯のぼかし液を5リットルの水で希釈すれば液体肥料としても使え、そのままお風呂場の排水溝などに流すと臭い消しに効果があるらしい。



 ピッチリとフタをした状態で10日から2週間ほど、暗くて暖かい場所で発酵が進むのを待つばかり。発酵が終了したら、穴を掘って土と混ぜて、それから数日でぼかし肥が完成。

 庭仕事で出たゴミ(剪定した庭木の枝、芝刈りの芝くず、引っこ抜いた雑草など)はコンポストへ。コンポストに放り込んだ直後は、中が山盛りになってるけど、時間が経つと半分以下の量に減っているから、遠慮なくどんどん捨てられる。

 段ボール、プラスチックなどはリサイクル物資として分別収集されるので、いわゆる「普通ごみ」がたまらず、60リットルの町指定ゴミ袋がいっぱいになるのに1カ月近くかかる。役所のお題目みたいに感じてた「環境に優しいゴミの減量」が、ぼかしとコンポストを使うことで、でもこ~んな簡単に実践できたなんて

 これまで普段ゴミとして捨てていたものが、肥料となって庭木の美しい花々を咲かせ、エコ菜園の無農薬有機野菜を育て、暮らしと食卓を豊かに彩る…… 環境に対する優しさが、めぐり巡って、最終的には生活の質の向上や、自分の体をいたわることにもつながるのね う~ん、エコ生活は奥が深いゾ

 もうひとつおまけに、町指定のゴミ袋、以前は無料配布してたのに、だんだん値段が上がって、今では一袋3ドル近くもするから、ゴミの少量化はおサイフにも優しいのだ。

 これといった計画性もなく、単なる思い付きで始めたぼかしとコンポスト作戦は、これまでのところ順調に進行。これを堆肥として使ったら、野菜たちや庭木がどんなふうに育つのか、気の早いは、結果が出るのが今から待ち遠しい。

エコ菜園 収穫&食卓&パーティ!!

2009年12月01日 | エコ
 このところ暖かくなってきて、菜園の面々の生育がとっても良い。猫かぶりが家に戻ってきたので、青梗菜と牛肉のオイスターソース炒めと、ガーデン・グリーン・サラダを作った。

 青梗菜の炒め物は、結城貢さんの『結城貢おふくろの味』(←新婚時代からの愛読書)にあるレシピが、やさしく食べやすい味に仕上がるので参考にした。取れたての青梗菜は泥だらけで洗うのにかなりの時間を要した。あたりまえだけど、スーパーで売ってるのはきれいに洗ってあるのね。



 一方でサラダは自己流。サラダ用ホウレンソウをお皿に敷いて、その上にレタス、ルッコラ、セロリ、キュウリ、トマトを散らし、トッピングはフェタチーズと香ばしく炒ったカボチャとヒマワリの種にゴマ。ドレッシングには、レモン汁とエキストラ・バージン・オリーブオイルと塩・胡椒を振りかけただけのシンプルなサラダ。野菜のおいしさがよく分かる。



 で、テーブルには庭に咲いた赤いバラを活けてみた…… いっただきま~す



 ブラック・バードとのバトルはまだ続いており、今日は赤く色づき始めたを食べられた あーもう許さん これまで生き物に対して怒りとか憎しみはあまり感じたことがなかったけど、畑を荒らす鳥に憤る農家の方々の気持ちがわかる気がした。

 今度の日曜日はハウス・ウォーミング・パーティを行う予定で、友達や職場のみんなに声をかけた。このパーティは、平たく言うと家のお披露目会。主催者側は飲み物やおつまみを用意して、参加者は一品料理や新居の贈り物を手に携えてやってくる。家そのものが主役なので、パーティ用の飾りつけは行わず、主催者は家の中を案内し、来客は家を褒めまくる…… って、まるで古典落語の「牛ほめ」の世界だわね、これって。洋の東西を問わず、人の考えてることって似たり寄ったりなのね~

「料理や飲み物は何を用意しよう」
「シャンペンがほしいね」
「やっぱり、日本人の家だからお寿司はあった方がいいよね……」
「ベジタリアン(菜食主義)のためにサラダ巻も作ろうよ」
「お菓子作り名人の猫かぶりには、クッキーとかマフィンを焼いてもらおうか」

などなど、楽しい計画で盛り上がる、ねむりねこ一家です