『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

ヨモギ摘み

2007年04月27日 | 歴史
大須賀筠軒(おおすがいんけん 1841年~1912年)の
書き記した『磐城誌料歳時民俗記』(明治25年(1892)序文執筆)には、
次のような記載もある。
旧暦の2月、3月、
いわき地域では、ヨモギ摘みが盛んに行われていたという。

二、三月 村里ノ婦女、小兒、多ク出テ、
蓬(よもぎ)草ヲ摘(つ)ム。
之ヲ蓄置(ためおき)テ、年中、餅團子(もちだんご)ニ入レ用ユ。
牛房(ごぼう)ノ葉モ同段(どうだん)ナリ。
又、杉菜(すぎな)ヲ採リテ、乾藏(かんぞう)シ、馬ノ飼料ニ備フ。
多ク摘ミ、貫目(かんもく)ニテ賣(う)ルモノアリ。

これを現代的な表現に改めると、次のようになるかと思う。

旧暦の2、3月、村里の女性や子どもたちが野に出て、
ヨモギ摘みをする。
摘み取ったヨモギは貯蔵し、
餅や団子(ヨモギ餅、ヨモギ団子)を作る時に用いる。
また、ゴボウの葉も同じように用いられる。
さらに、スギナも摘み取り、乾かして保存し、馬の餌にする。
なかには、たくさん摘んで売りに出す人もいる。

かつての農村風景が髣髴(ほうふつ)とされる。


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